様々な業務の自動化に役立つ「RPA」
「RPA」とは英語の「Robotic Process Automation」の頭文字を取った言葉です。日本語では、「ロボットによる工程の自動化」という意味になります。
RPAを導入すると、パソコンで行うホワイトカラー業務やバックオフィス業務のうち、定型化された作業の自動化が可能です。そのため、RPAを導入することで、企業側には以下のようなメリットがあります。
・生産性の向上
RPAで作業を自動化することで、人が作業を行う必要がなくなります。
例えば、1回で5分×10回必要な作業があったとしましょう。この作業をRPAで自動化すれば、1日で50分、1ヶ月ではおよそ1,000分もの工数の短縮になります。
このように1つの作業を自動化するだけでも大きな工数削減効果が見込まれますので、複数の作業を自動化した場合にはかなりのインパクトになることでしょう。
空いた時間は別の作業に充てることができますので、業務効率がアップし生産性の向上につながります。
また、より重要な仕事に社員をアサインすることで、モチベーション向上という効果も期待できます。
・人手不足の解消
超高齢化社会に突入した日本では、労働人口が減少しているため、多くの企業で人手不足が叫ばれています。そのため、単純作業はロボットやAIなどに任せ、社内リソースをよりクリエイティブで重要な仕事に充てることが大切です。
前述した通り、RPAで定型作業を自動化できれば、社内リソースのアサイン先を大幅に変更することができます。人の判断が必要になる業務に多くのリソースを割けるようになって、少ないリソースでも効率よく業務が進められるようになるのです。
・ヒューマンエラーの削減
単純作業を人が行う場合、繰り返し続けているとどうしてもケアレスミスなどヒューマンエラーが発生する確率が高くなります。しかし、RPAはロボットが作業を行うため、疲労の蓄積や集中力がなくなるといったことがなく、プログラム通り正確に作業を続けることが可能です。
したがって、RPAを導入することで、ヒューマンエラーが減り品質が向上する効果も期待できます。
人事・総務領域はRPAの導入に適している?
RPAが人事・総務の領域に適しているか確認するために、RPAの得意領域について解説します。
例えば、RPAが得意な作業の事例は、以下の通りです。
・システムからのデータ取得後、別ソフトへのデータ入力を実施
・取得データの修正や更新
・社内システムからダウンロードしたファイルを印刷
・決まった時間に特定アプリやソフトを起動し、定型作業を実施
つまり、RPAの得意分野は、ルールや実施方法が明確な定型業務といえます。
また、先ほど説明した通り、ロボットが作業を行うRPAは一度設定した作業であれば忠実に遂行してくれるため、大量かつ正確性が求められる作業も得意分野です。
一方、人事や総務が行う業務には、庶務関係や福利厚生といった比較的ルールが明確でマニュアル化しやすい業務が多くあります。したがって、RPAが得意な領域と合致する部分も多く、人事や総務領域はRPAの導入に適しているといえるのです。
人事・総務でのRPA活用例
本章では、人事・総務での具体的なRPA活用例を紹介します。
・勤怠管理の自動化
毎月の勤怠管理業務も、全社員分を行う必要があるため、人事担当者にはなかなか骨の折れる作業といえるでしょう。しかし、毎月の勤務時間の集計や産業時間の確認、有給休暇の残りを確認といった作業は、すべてRPAで自動化することが可能です。
さらに、集計結果を参照して、給与の計算を行って明細書に反映したり、給与の振り込み作業を自動で行ったりすることもできます。よって、RPAを導入することで、月末・月初の人事スタッフの工数を大幅に下げることができるのです。
・人事情報の管理を自動化
社員の人事情報の管理をRPAで自動化することで、管理工数の削減が可能です。
例えば、社員が引っ越して住所が変更になった場合、交通費の変更や年末調整など各種書類の内容変更といった際、多くの修正が必要になります。こうした住所変更に関連する情報修正を人が手作業で行う場合には、抜けもれや間違いなどの人的ミスが発生する可能性が高くなるでしょう。
しかしRPAを導入して人事情報の管理を自動化できれば、社員の住所変更があった場合に変更する範囲を決めておくことで、すべて自動入力が可能です。したがって、正確かつ素早く情報の更新ができるため、より安全な人事情報の管理体制が構築できます。
・社内業務フローの自動化
人事・総務では、社内の全社員が利用する業務フローを受け付け、内容を確認後、基幹システムへの情報登録などを行わなくてはなりません。業務フローはその性質上、発生ベースで処理する必要があるため、人事・総務スタッフの業務が中断される点が課題です。
そこで、社内業務フローの内容確認や登録作業をPRAで自動化することで、業務効率化を図ることができます。業務フローの内容にエラーがあった場合は、自動で社員に返信できる仕組みをつくることも可能です。
例えば、有給休暇の申請など単純な業務フローであれば、比較的簡単に自動化できます。RPAで業務フローの対応を自動化できれば、人事・総務のスタッフが申請の度に業務を止める必要がなくなるため、生産性向上効果が期待できるでしょう。
・株主情報収集の自動化
株式会社などの人事・総務では、定期的に株主総会の招待メールを送る業務が発生すると思われます。株主総会までの短い期間中に、対象者の情報を収集・確認してメールを送る必要があるため、人事・総務のリソースを多く使う必要のある業務です。
しかし、RPAを使うことで、メール送信の対象者を株主リストから選別するだけでなく、メール送信も自動化できます。したがって、作業工数の削減でなく、作業のスピードアップにもつなげることが可能です。
・採用活動の一部を自動化
人事の業務において、非常に多くのリソースを割くのが採用活動です。採用活動は、面接以外にも多くの作業が発生します。
例えば、
・採用試験の採点作業
・面接日程などのメール作成・送付
・面接担当者のスケジュール調整
などといった項目が挙げられます。しかし、定型的な業務もたくさんあるため、これらをすべてRPAで自動化できれば採用担当スタッフの工数を大幅に圧縮することが可能です。
さらに、人事関連の業務ではミスが許されないシーンもあるため、正確に作業ができるというRPAのメリットが役立つことでしょう。
人事・総務にRPAを導入する際のポイント
人事・総務にRPAを導入する際、成功のための留意点を紹介します。
・RPA導入の目的を明確化しておくこと
RPAを導入する際には、業務フローを可視化しておくことが重要です。そのためには、業務の棚卸しを行い、業務内容の詳細や工数を洗い出しておきましょう。その上で、RPAで達成したい目標を明確化します。
よくあるのが、RPAの導入自体が目的になってしまうケースです。RPAは作業を自動化することで業務効率化につなげることができます。そのため、具体的にどの作業を自動化して、どの程度の工数が削減できそうか目的を立て、KPIを達成することが最も重要なポイントです。
・小さな定形作業から試すこと
RPA導入初期はリスクを最低限に抑えるため、小さな定型業務の自動化からスタートしましょう。まずは、導入効果が高そうな定型作業に特化し、RPAで自動化することによって確実な結果を出していくことがおすすめです。
特に人事は、重要な情報を扱う場合も多く、小さなミスが許されない現場といえます。したがって、リスクヘッジという観点からも、RPAの導入は可能な限り小さな定型業務から始めるのが得策です。
・誤作動などのリスクも想定しておくこと
RPAは、複数のシステムやソフトを連動した作業の自動化も可能です。しかし、その反面で、どれか1つのソフトに不具合が発生すると、すべての作業がストップしてしまうリスクがあります。そのため、有事の際も想定したエラー処理をRPAで設定しておくようにしましょう。
・属人的にしないこと
RPAを導入した当初は担当者が社内にいるため、何かトラブルが発生した場合でも柔軟に対応することができます。しかし、導入時の担当メンバーが部署移動や転勤、退職などの理由で不在になった場合は、有事の際に対応できません。
せっかくRPAを導入しても、対応できる社員が限定されるとノウハウがブラックボックス化されてしまいます。そのため、RPAを導入する際には、できるだけ多くの社員が携わるようにすることがポイントです。また、同時に運用・管理マニュアルの整備も忘れないようにしましょう。
人事・総務こそRPAを導入するべき!おすすめは?
今回は、人事・総務でのRPA活用事例やRPAの導入ポイントなどについて紹介しました。ホワイトカラー業務やバックオフィス業務が多い人事・総務は、RPAとの相性が非常によいといえます。
人事・総務のRPA導入事例としては、
・勤怠管理の自動化
・人事情報の管理を自動化
・社内業務フローの自動化
・株主情報収集の自動化
・採用活動の一部を自動化
を紹介しました。これにより、人事・総務の人手不足の解消や生産性の向上、ヒューマンエラーの削減につなげることができます。
ただし、RPAを導入する際には前述のように、
・RPA導入の目的を明確化しておくこと
・小さな定形作業から試すこと
・誤作動などのリスクも想定しておくこと
・属人的にしないこと
といったポイントを押さえておくようにしましょう。
適切な運用のための近道は、サポート体制が充実したRPAベンダーを選ぶことです。そこでおすすめしたいのがロボパットDXです。
ロボパットDXは「事業部門が自分で自動化できるRPA」をコンセプトに開発されたRPAツールです。
「現場」の業務フローと必要な機能を追求しながら改善を重ねてきたロボパットDXは、
「DXを進めたいが社内にエンジニアがいない」
「そもそもRPAのことがよく分からない」
という人事・総務にこそ、ぜひ使っていただきたいRPAツールです。
ロボパットDXのメリットの1つが、サポート体制が充実している点です。
例えば、トライアル期間中に実施するサポートは以下の通り。
・ロボ作成者を「複数人」育成します
・トライアル中に3業務分のロボを完成させます
・業務洗い出し方法の習得後、10件以上の業務洗い出しを実施します
・ロボ進捗会議を実施。社内技術の向上とノウハウを蓄積する体制を構築します
これらのサポートにより、ロボパットDXはトライアルから本導入、運用に至るまで、総務・人事のスタッフに安心してご利用いただけます。
本記事で、ロボパットDX興味が湧いた方は、ぜひこちらのサポート詳細についてもチェックしてみてください。