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DX 2021.03.04

自治体のDX事例│自治体におけるDXのポイント

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新型コロナウイルスや自然災害の影響で、多くの地域住民の生活が激変しました。それに伴い、我々の生活をサポートしてくれる、地方自治体などの機関で働くスタッフの負荷も増加傾向にあり、生産性の向上が急務となっています。
そのため、各自治体ではDX推進の動きが活発になっており、業務のデジタル化によって業務効率化に成功した事例も増えてきました。
総務省においても、令和2年11月より、各地方自治体が、情報システムの標準化、行政手続のオンライン化などについて計画的に取り組む方策を検討するため、「地方自治体のデジタルトランスフォーメーション推進に係る検討会」を開催しています。
また、その結果を令和2年の12月には「自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画」として公表しています。

今回は、自治体におけるDXのポイントと導入事例などについて紹介します。

【目次】


DXとは

「DX」とは、英語の「Digital Transformation:デジタルトランスフォーメーション」の略称です。日本語に直訳すると「デジタル変革」という意味になります。

ただし、DXは使われるシーンによって若干意味合いが異なるケースがあるため、注意が必要です。この記事では、DXの起源や政府によるDXの定義、そして自治体におけるDXがどのようなものなのかを解説します。

ストルターマン教授が唱えたDXの定義

DXという言葉の起源は、スウェーデンにあるウメオ大学の「エリック・ストルターマン」教授が2004年に提言した内容がはじめとされています。

ストルターマン教授が提言した内容は、以下の通りです。

「IT技術の発展によって、人々の生活がよい方向に転換していくと同時に、DXが推進されデジタルとリアルが融合して大きな変革が実現される」

ストルターマン教授がこの提言をした2004年は、デジタルとリアルの融合が始まったばかりの黎明期でした。あらゆるものがネットにつながったり、デジタル化したりすることによってデジタルパラダイムが起こり、我々の生活が豊かになることをこの時すでに示唆していたのです。

しかし、そのためにデジタル技術を妄信することなく、冷静かつ批判的に向き合う必要があると述べています。

この提言の信ぴょう性については、現在のGAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)が展開する経済圏や、多くのIT企業の成功を見れば明らかでしょう。2004年に現在のような状況になると予想していた、ストルターマン教授の先見の明には脱帽です。

経済産業省の唱えるDXの定義

我が国は少子高齢化に突入し、労働人口が年々減少傾向にあります。そのため、日本企業の生産性を上げるために、政府は経済産業省がDX推進を励行している状況です。

経産省が掲げる「DX推進指標」の中で触れられている、DXの定義は以下のようになっています。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズをもとに、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」

経産省が定義するDXは単なる業務のデジタル化だけに留まらず、会社組織やビジネス構造を変革し、企業の競争力や収益を上げるところまでをゴールに設定している点が大きな特徴です。

自治体におけるDXとは

自治体におけるDXは、ここまで紹介したものとは若干定義が異なります。

自治体におけるDXとは、従来アナログで運用していた業務やデータをデジタル化して共有することで、さまざまな機関や企業、地域住民が有効活用して社会的な課題解決につなげる取り組みのことです。

地域住民のさまざまなデータを分析、集計することで、生活に役立つサービスを提供することができます。また、全国の市役所や区役所などは現在、新型コロナウイルスや自然災害などの対応に追われている状況で、デジタル化による業務効率化は急務です。

自治体におけるDXの具体例としては、各種行政手続きのオンライン化やマイナンバーカードの活用などが挙げられます。マイナンバーカードの普及、浸透については、政府も「個人番号カード交付事務費補助金」を設定し、力を入れています。さらに、政府は「Gov-Cloud(仮称)」と呼ばれるクラウド基盤を準備中です。

固定資産税や法人住民税といった行政の基幹業務を、一括管理できる仕組みを構築することが、自治体におけるDX推進の要の一つとなっています。

自治体のDXにおいて欠かせない視点

自治体のDXを推進するうえで、ICTの利用などによる住民サービス向上と全体最適化、そして組織経営という3つの視点を持つことが不可欠です。ここでは、それぞれについて解説します。

住民サービス向上の視点

自治体などの行政組織のDXと聞いて、多くの方が真っ先に思い浮かべるのは、役所の手続きや業務の効率化でしょう。しかし、自治体のDXを推進するうえで大切なポイントは、行政サービスの質が向上して人々の生活が豊かになることです。

そのため、自治体のDXは、住民サービス向上の視点を持って推進する必要があります。現在煩雑だと思う手続きがある場合は、その業務フローや手続きの必要性の是非を問い、不要なものは無くす覚悟も必要です。

「昔からやっているから……」「こういう風に手続きするのがルールなので」といった内向きの視点だけにとらわれてはいけません。広い視野を持ち、どうなれば地域住民にとって良いサービスを提供できるのかを常に検討する必要があるのです。

全体最適化の視点

前述の通り、自治体のDXは地域住民にとって便利なサービスを提供することが目的の一つです。そのため、役所や役場に寄せられる地域住民のクレームや要望を可能な限り反映する必要があります。

しかし、ここで注意しなくてはいけないのが、全体最適化の視点を忘れないことです。多くの地域住民が利用する行政サービスは個別に最適化されるべきではなく、すべての人々にとって便利なものでなくてはなりません。そのため、サービス内容を平準化し、全体最適の視点を持ってDXを推進することが重要です。

一方、ITツールやデータを実際に活用する、全国にある役所や役場のスタッフの誰もが使いこなせなければ意味がありません。自治体のDXでは、全国共通の規格やシステムの統一化を常に意識しながら推進する必要があるのです。

組織経営の視点

「住民サービス向上」と「全体最適化」の視点を持ってDXを推進する場合は、各自治体の課題解決につなげることはもちろん、全国の自治体で汎用的に応用できるようにしなくてはいけません。全国の自治体を俯瞰して、横断的にDXを推進できる組織の構築が必要となります。

また、各自治体においてDXを推進する際に、トップダウンでは現場スタッフが自発的に動けないため、うまく進まないでしょう。DX推進の目的を明確化し、現場スタッフや地域住民にとってどんなメリットがあるのかを具体的に提示することで、ようやく自分事としてとらえることができるのです。

そのために、自治体のトップがDX推進の明確なビジョンを提示し、スタッフが自発的に取り組める組織経営が必要不可欠になります。また、DXに必要なITツールを扱う知識やスキルの教育も同時に行わなくてはなりません。

自治体におけるDXのポイント

自治体でDXを推進するために、以下のポイントに留意して進めることが成功の秘訣です。

横断的な体制の構築

前述した通り、自治体におけるDX推進では、方針を自治体の施策に落とし込んでいくための横断的な体制をつくることが必要です。

自治体トップの明確な方針があり、それを実現するための施策を検討するスタッフ。そして、施策を現場レベルの運用に落とし込むスタッフや、実際に現場で業務効率化を行うスタッフ全員が一丸となって取り組まなければ、大きな成果は期待できません。

そのため、自治体内のスタッフや部署が、プロジェクトのように連携して動ける必要があるのです。くれぐれも部門最適や一つの業務だけに特化したDXにならないように注意しましょう。

デジタル人材の確保・育成

自治体におけるDX推進は、実際の変革に関わる現場の職員のリテラシー向上を図ることも重要な課題です。具体的には、ITやプログラミングなどの知識を持つデジタル人材の確保や育成が必要になってきます。

ただし、デジタル人材は一般企業からも引く手あまたの状態なので、外部から確保することはなかなか困難な状況です。場合によっては外注なども活用しながら、自治体スタッフのITリテラシーを育成する取り組みも視野に入れておくべきでしょう。

計画的な取り組み

DXは、目に見える効果が出るまでに非常に時間がかかる取り組みです。ITツールを導入して多少の業務効率化を行う程度であれば、効果を上げることも可能ですが、大幅な生産性向上や地域住民の利便性向上につながるまでは、少なくても4年~5年ほどの期間が必要だといわれています。

そのため、自治体におけるDXでは、長期的な視点を持ってDXを実現するというトップの自覚と覚悟を、組織方針として推進計画に落とし込んでいくことが重要なポイントです。すぐに効果が出ないからといってDX推進を諦めることなく、絶対に目的を達成するという強い意志を持つことが自治体のスタッフ全員に求められます。

自治体同士の連携

自治体におけるDXは、一つの地域に限定した部分最適のデジタル化になってしまうと意味がありません。国と地方自治体、都道府県、市区町村レベルの自治体同士が連携して、全国横断的にDXを実現することが最大の目的であるためです。

そのために、横断的なDX推進をマネジメントできる組織や、統一システムなどの構築が必要不可欠になります。

本当の意味で自治体のDXが実現する頃には、我々の生活が豊かなものになっていると期待できるでしょう。それを実現するためには、日本全国の自治体同士が連携し、標準化されたDXの実現が必要です。

自治体のDX事例

自治体DXの具体例として、愛媛県と東京都三鷹市の取り組みを紹介します。

愛媛県のDX事例

愛媛県は、2018年に「プロモーション戦略室」というデジタルマーケティングに特化した部署を設立するなど、早くからDX推進に取り組んでいる自治体です。

インバウンドやサイクリストの誘致、愛媛の特産品の動画による販促活動を行なったことで、大きな効果を挙げました。新型コロナウイルスの影響もあるなか、「愛媛百貨店」という販促施策で、結果前年を大きく上回る1億円以上の売り上げを記録しています。

さらに、2020年にプロモーション戦略室を「デジタル戦略室」へと改名。DX推進に特化したプラットフォーム「デジラボえひめ(仮称)」の構築を目指し、さらにDX実現に向けて邁進している状況です。

東京都三鷹市のDX事例

東京都三鷹市では、2020年からDX推進を本格化するため「みらいをつくる三鷹デジタル社会ビジョン」という政策を打ち出しています。もともと三鷹市では、情報化社会に適応するべく各種デジタル事業や施策を推進していたのですが、DXを推進するための大きな軸がありませんでした。

そこで、今後DXをどのように実現していくのかというビジョンを確立することで、今やるべきことを明確化できたのです。

現在は保育所の入所手続きにRPA(人がパソコンで行う定型作業を自動化するツール)やAI、OCR(手書きやFAXの文字をテキストデータ化するツール)を活用することで、従来の40%程度という大幅な業務効率化を実現しようとしています。

また、チャットボットを導入することで、行政に関する市民のさまざまな質問に対応できるサービスの提供や、駅前に公衆Wi-Fiを設置するなど、人々の生活が豊かになる取り組みを実施している状況です。

自治体におけるDX実現は国民の幸せそのもの

自治体におけるDX推進では、「住民サービス向上」「全体最適化」「組織経営」という3つの視点を持って取り組む必要があります。

そのうえで、

  • 横断的な体制の構築
  • デジタル人材の確保・育成
  • 計画的な取り組み
  • 自治体同士の連携

 

というポイントに留意して進めることで、DX実現に大きく近づけることでしょう。

一つの自治体の業務効率化に留まらず、全国の自治体の生産性を向上させ、すべての人々の生活が豊かになることが、自治体におけるDX推進の究極目標といえるのです。

「IT人材がいない」「職員にプログラミングを勉強してもらうには時間がかかってしまう」という悩みを抱えた自治体の方におすすめなのが三鷹市でも活用を始めたRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)です。RPAはデータ入力や転記などといった定型業務や単純業務を自動化してくれるツールで大変注目されているツールです。

なかでも、RPA「ロボパットDX」は「現場が自分で自分の作業を自動化できる」というコンセプトで設計されたです。

ロボパットDXには1ヵ月間3ライセンスまで使える無料トライアルと、充実した無料サポートで自治体での導入も進んでいます。

まずはお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いたコンサルタント

ロボパット編集部

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