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RPAの選び方 2021.06.10  [最終更新日] 2023.07.25

【初心者向け】圧倒的によくわかる!RPAとは|メリット・導入方法・事例を網羅

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ソフトウェア型のロボットを利用して、オフィスの定型業務やルーチンワークを自動化してくれるRPAは、近年多くの企業で導入されています。
本記事ではあらためてRPAの基本的知識や導入効果・メリット、代表的なRPAツールや実際の導入事例などについてご紹介します。

【目次】

 

RPA(ロボティックプロセスオートメーション)とは?

RPAとはどういうものなのか、RPAとAI/マクロとの違いと合わせて解説します。

 

RPAとは

RPA(Robotic Process Automation)」とは、事務系の定型作業を自動化・代行するツールのことです。これまで手作業で行っていたルーチンワークを自動化できるので、業務効率の向上と人為的ミスの予防に役立ち、生産性の向上が見込めます。

 RPAとAIの違い

RPAは「AI(Artificial Intelligence)」と混同されがちですが、両者には違いがあります。

AIは、人工的な知能を持たせた機械やソフトウェアを指します。ビッグデータ(巨大なデータ)を分析して自律的に判断するなど、人間と同じように分析・判断できます。AIは単体で活用されることは少なく、他のソフトウェアに組み込まれて連携させることが一般的です。

一方、RPAは事前に設定したルールどおりに稼働し、業務を自動化するシステムを指します。業務のルールや判断基準は人間が定めるので、RPAが自ら判断することはありません。そのため、RPAは定型化したルーチンワークの自動化に適しています。

RPAとマクロの違い

RPAと「マクロ」はよく似ていますが、基本的にはRPAのほうが高機能で、より幅広い場面に対応できます。マクロとは、コンピューターの操作を自動化するためのプログラムです。

 

ただし、マクロは「VBA(Microsoft Visual Basic)」というプログラミング言語で作成するので、プログラミングの知識が必須です。一方、RPAはマクロと違ってプログラミングスキルは必要ないので、その点ではRPAのほうが使用するハードルは低いといえるでしょう。

 

なお、RPAとマクロの違いについては、以下の記事で詳しく解説しているのでご参考ください。

業務自動化のRPAとマクロの違いとは?特徴や使い方を徹底解説|RPA-Robo-PatDX(ロボパットDX)

RPAは人の作業を奪う?RPAと人の棲み分け

RPAは人の仕事を奪うのでは?」と不安になる方もいるでしょう。しかし、RPAが人の仕事を奪うことはありません。RPAが自動化できるのは、単純作業やルーチンワークだけだからです。

 

単純な業務はRPAに任せ、人はより付加価値の高い業務を担当することで、RPAと人の棲み分けができます。結果的に働く人のモチベーションや、企業の生産性が向上するので、RPAの導入はむしろメリットが大きいのです。

RPAが必要とされている背景

RPAが必要とされている背景には、「人手不足」や「働き方改革の推進」があります。

人手不足

少子高齢化に伴う「生産年齢人口」の減少により、さまざまな業界で人手不足が慢性化しています。IT業界はとくに人手不足が深刻で、経済産業省の発表によると、2030年には最大79万人ものIT人材が不足する可能性があります。

 

RPAツールでは、「ロボット」を作成することで業務を自動化できます。RPAツールの多くが、プログラミングなどITの専門知識がなくても使えるようになっています。そのため、ITエンジニアが不足するこれからの時代において、RPAの重要性が高まっているのです。

 

参考:IT人材需給に関する調査

 

働き方改革の推進

 

政府よる「働き方改革」の推進も、RPAツールが注目を集め始めた理由のひとつです。2019年4月には「働き方改革関連法案」が一部施行され、2021年4月には「同一労働同一賃金」に関する法律が施行されました。

一方で、日本の1人あたりの労働生産性は、OECD加盟国38か国中28位、G7では最下位の状態が続いています。RPAは、このような働き方改革や生産性向上を支えるテクノロジーとして、必要性が高まっています。

RPAは高速かつ正確な作業ができるうえに、基本的に24時間365日稼働できます。そのため、これまで手作業で処理していた事務作業をRPAで自動化することで、業務時間を大幅に短縮できます。余ったリソースをより付加価値の高い業務に割り当てられるので、企業全体の生産性を向上させることが可能です。

以上のような背景から、RPAを導入する企業が日本で急増しているのです。

 参考:公益財団法人「労働生産性の国際比較」

 

 

RPAが向いている業務、向いていない業務

RPAの自動化に向いているのは、データ収集や転記など、繰り返しが多い事務作業です。一方、複雑で臨機応変な対応が求められる業務には、RPAは向いていません。

RPAが得意な業務

RPAは、単純で定型的、つまり「判断を伴わない作業」の自動化に向いています。これらの作業をRPAに任せることで、RPAの導入によって得られる効果を最大限に高められます。

単純な作業

作業手順が単純で、判断を伴わない作業は、RPAが最も得意とする分野です。こうした作業をRPAに任せれば、人件費を削減できるうえに、人為的ミスも防ぐことができます。

定型の作業

一定のルールが決められている作業も、RPAの得意分野です。事前に手順をルール化しておけば、RPAのロボットがそのとおりに作業します。

定期的に発生する作業

手順やルールが決まっていれば、定期的に発生する作業もRPAで自動化できます。RPAルーツによっては、日次・週次・月次など任意のタイミングで作業できる「スケジュール機能」が利用可能。早朝や夜間、休日などの時間外作業が発生する場合は、RPAによる自動化で大幅な経費削減もできます。

反復となる作業

データ入力や変換などの反復作業も、RPAによる自動化の効果が高い分野です。VBAマクロのように、データ処理の手順を設定すればさまざまな作業を自動化できます。

長時間を要する作業

大量のメールやデータを処理するような、長時間を要する作業もRPAで自動化できます。リソースを必要とする繁閑差がある場合は、RPAによる自動化で社内リソースの安定化も見込めます。

RPAが不得意な業務

複雑な処理や臨機応変な判断が求められる業務や、発生頻度が不定期、もしくは短時間の作業はRPAには向いていません。

 

なお、RPAに向いている業務・向いていない業務については、以下の記事で詳しく解説しているのでご参考ください。

【初心者向け】RPAでできること・できないこととは?具体例も解説|RPA-Robo-PatDX(ロボパットDX)

目的に合ったRPAを選ぶために大切なこと

RPAの選定時は、導入目的を明確にすることが重要です。ここでは、自社に最適なRPAを見つけるために知っておくべきポイントをご紹介します。

RPAの種類と特徴を解説

RPAは、その導入目的や活用方法により、クライアント/サーバー型・デスクトップ型・クラウド型の3種類に分かれます。

 

クライアント/サーバー型

自社サーバーにRPAをインストールし、RPA利用時はそれぞれのパソコンからサーバー経由で利用する形態です。自社サーバーの環境整備はもちろん、導入コストやライセンスコストがかかるので、後述するデスクトップ型やクラウド型と比べて高額になります。

一方、ソフトウェアロボットの一元管理ができるうえにセキュリティも強固なので、全社的にRPAを導入する場合はおすすめです。

 

デスクトップ型

一般的なソフトウェアと同じように、パソコンにRPAをインストールするタイプです。

「特定の部門や職種だけでRPAを活用したい」「一部のパソコンでRPAを利用したい」などの場合はおすすめです。サーバー構築が不要なので、比較的低コストで導入できます。多くの中小企業や大企業では、デスクトップ型の採用が一般的です。

 

クラウド型

社内サーバーやパソコンに依存せず、クラウド上で利用する形態です。サーバー経由で利用するという点では、クライアント/サーバー型と似ています。

新たにソフトウェアをインストールせずに、インターネット環境があればすぐ利用できるので、導入コストや運用コストを低減できます。

ただし、Webブラウザ上で行う作業しか自動化できないので、パソコンにインストール済みのソフトウェアは操作できません。

 

「エンジニア向けRPA」と「現場型RPA」の違い

RPAツールの選定時は、「誰がどのように使うのか?」を意識することが重要です。情報システム部門が主導する場合は「エンジニア向けRPA」、現場部門が主導する場合は「現場型RPA」を選ぶようにしましょう。

 エンジニア向けRPA

「エンジニア向けRPA」は、エンジニア向けに設計されたRPAです。エンジニアが使うので、直感的な操作ではなく、オブジェクト認識やフローチャートなどで高度な操作を行います。「プログラミング言語」や「自社基幹システム」との相性を確認して選びましょう。

 

現場型RPA

「現場型RPA」は、特別な知識やスキルがない現場担当者でも、簡単に使いこなせるタイプです。画像認識やコマンドなど、直感的な操作でシナリオを操作できるようになっていることが特徴です。

 

RPAの利用にかかる費用は?

RPAの導入費用は、製品によって千差万別です。基本的には、クラウド型やデスクトップ型は初期費用やライセンス費用は安く、クライアント・サーバー型は高い傾向があります。クライアント・サーバー型RPAの導入費用は、おおむね数百万円以上が相場です。

 

RPAの導入時は初期費用に目が行きがちですが、月額ライセンス費用をはじめ、バージョンアップやサポートにも費用がかかる場合があります。

月額ライセンス費用が安いRPAには、初期費用やバージョンアップ・サポート費用が高いものがあります。月額費用だけが安いRPAを選ぶと、全体でかかる費用が高くなるケースもあるので、全体にかかる費用はよく確認しておきましょう。

RPA導入の成功させるための事前準備については、以下の記事で詳しく解説しているのでご参考ください。

RPA導入で業務改善!事前準備と効果を得るために必要なこと|RPA-Robo-PatDX(ロボパットDX)

 

 

代表的なRPAツール5選

多くの企業で利用されている代表的なRPAツールを5つご紹介します。なお、この情報は2022年11月現在のものであって、価格など詳細はベンダーにお問い合わせください。

 

WinActor

国内シェアNo.1の導入実績を持つ、NTTデータの純国産RPAツールです。機能に応じてたくさんのプランを用意しているので、柔軟に導入できます。

 

RPAの種類:デスクトップ型

費用:フル機能版90.8万円/PC1台(年間)

実行版24.8万円/PC1台(年間)

トライアルの有無:30日間無料トライアルあり。

サポート体制:WinActorを熟知した100名超のメンバーがユーザーの技術サポートを行う。

 

BizRobo!

アメリカのKofax(コファックス)社の「Kofax Kapow 10」を、日本の「RPAテクノロジーズ株式会社」が発展させた代表的なRPAツールです。少ないコードでソフトウェアロボットの開発ができる、「テンプレート型UI」を持っていることが特徴です。

 

RPAの種類:クライアント・サーバー型/デスクトップ型

費用:BizRobo! Basic(ロボット実行数無制限)720万円(年間)

BizRobo! Lite(同時稼働ロボット1台)120万円(年間)

BizRobo! Lite+(同時稼働ロボット2台)180万円(年間)

BizRobo! Mini(デスクトップ型)90万円(年間)

トライアルの有無:無料トライアルあり。

サポート体制:日本語によるトレーニングコンテンツが充実している。

 

ロボパットDX

「ロボパットDX」は、現場スタッフだけで操作できる現場型RPAです。直感的に操作できるので、社内エンジニアがいなくても導入できます。導入・運用の簡単さやサポートへの満足度が高いことが大きな魅力です。国内での導入実績が1,000社(※)を突破しており、DX推進による生産性向上を実現できる純国産RPAです。 

※2022年10月末時点で契約中の企業・団体数

 

RPAの種類:クライアント・サーバー型/デスクトップ型

費用:フル機能版(1ライセンス)12万円(月間)

実行専用版(1ライセンス)4万円(月間)※年間割引制度あり

トライアルの有無:3ライセンスの無料トライアルあり。

サポート体制:基本サポートが無料のほか、3カ月間の導入支援サービスやオンラインでの個別サポートも無料で行う。

 

UiPath

世界三大RPAツールのひとつといわれており、世界シェアNo.1を誇るRPAツールです。ドラッグ&ドロップによるわかりやすい操作と、人の作業を記録させるレコーディング機能を活用できるので、ある程度のITスキルがあればさまざまな作業を自動化できます。

 

RPAの種類:クライアント・サーバー型/デスクトップ型

費用:RPA Developer(RPA開発者用)50~80万円程度(年間)

Citizen Developer(現場スタッフ用)30~50万円程度(年間)

トライアルの有無:無料トライアルあり。評価・教育目的の「UiPath Studio体験版」も用意されている。

サポート体制:自動化の幅広いサービスやサポートを提供している。

 

Robotic Crowd

クラウド型RPAの代表といえるRPAツールです。即日導入可能なスピード感や、トライアルの手軽さ、処理時にPCを占有せず他業務への影響が少ないなど、クラウド型ならではの強みがあります。画面上でのドラッグ&ドロップで、直感的にワークフローを組み立てられることが特長です。

 

RPAの種類:クラウド型

費用:150,000円(月間)

トライアルの有無:打ち合わせを行った企業に対して2週間の無料トライアルあり。

サポート体制:チャットサポートを用意している。

なお、RPAツールの選び方や失敗しないコツについては、以下の記事で詳しく解説しているのでご参考ください。

RPAツールの種類と選定前に知っておくべき比較のポイント|RPA-Robo-PatDX(ロボパットDX)

失敗しないためのRPA比較ポイント|10のRPAを徹底比較|RPA-Robo-PatDX(ロボパットDX)

 

 

RPAの導入で得られる効果・メリットとデメリット

企業がRPAを導入することで得られるメリットとデメリットをご紹介します。

RPA導入のメリット

RPAの導入により、業務効率化による生産性の向上や従業員の負担軽減など、大きなメリットが得られます。

 

業務効率化による生産性の向上

RPAの導入で単純作業や定型作業を自動化することにより、業務効率の改善が見込めます。RPAは単純作業をいくら続けても業務の正確性は下がらないため、手作業で行う時のような人為的ミスは起きなくなります。

結果的に、人件費削減につながるうえに、RPAによる業務改善でクリエイティブな仕事に多くの時間を使えることに価値があります。より多くの付加価値を生み出せるようになり、企業の生産性が向上します。

 

負担の大きい業務からの解放

大量の単純作業や定型作業を自動化することで現場の負担を軽減し、空いた人的リソースをより付加価値の高い業務に配分できます。

手間のかかる業務に対する、心理的な負担やストレスが軽減される心理的効果を、高く評価する導入企業も多いです。

 

業務のムラの解消

月末や月初など特定時期に集中する業務や、月ごとによってかかる時間が異なる業務をRPAで自動化することで、業務のムラを解消できます。業務のムラをなくすことで、残業時間を減らすことができ、働き方改革にもつながります。経理・財務部門などでRPAを導入する主な目的が、業務のムラの解消です。

 

セキュリティ対策につながる

簡単な単純作業であっても、顧客情報や機密情報を扱うものは、正社員が担当する必要があります。一方、正社員の業務量が増加し、人的リソースが圧迫されることもあります。

このようなケースでRPAを活用すれば、セキュリティを担保しながら正社員の業務量を減らせます。

 

人材の育成

RPAの導入時は、自動化する業務のプロセスを踏まえたうえで、ソフトウェアロボットを作成していきます。

このソフトウェアロボット作成を現場担当者に任せれば、業務プロセスの効率化や業務改善についても考えられるようになります。生産性向上の視点が身につく機会となり、結果的に高度な人材の育成にもつながります。

RPA導入のデメリット

RPAを導入する際は、イニシャルコストがかかることや、不具合でシステムが停止するリスクなどに注意が必要です。

 

導入自体にコストがかかる

RPAの導入にはコストがかかります。前述したように、クライアント・サーバー型RPAは数百万円以上になります。一方、デスクトップ型は数十万円、クラウド型は数万円が相場なので、予算の範囲内で選定すれば導入コストがそれほど大きな負担になることはないでしょう。

 

業務フローの変更による誤作動

RPAにできるのは、あくまで事前に設定した内容に基づく動作です。フローやシステムに変更が加えられたとしても、RPAが自律的にそれを学ぶことはないので、RPAのシナリオを変更しない限り元の動作を続けます。その結果、ロボットが誤作動を起こす可能性があります。関連するシステムの更新状況を常に確認し、変化があったときはすぐにRPAに反映させることが重要です。

 

RPAを修正する工数や人材が必要

作業のルールやフローに変更が生じたときは、RPAのロボットの修正も必要です。しかし、担当者の人事異動や退職などがあると、後任者にRPA化した業務の内容が引き継がれないことがあります。そうなると、RPAの運用がブラックボックス化してしまい、適切な設定変更が行えません。RPA運用が属人化しないように、担当者が変わったときは引き継ぎをしっかり行うようにしましょう。

 

不具合や障害による急な業務停止

RPAはコンピューターシステムなので、何らかの不具合が起きる可能性があります。問題が解消されるまで、RPAで自動化した業務が停止してしまうので、その際の対処法や問い合わせ先などについて、事前にしっかり確認しておきましょう。

 

なお、RPAツールのメリットとデメリットについては、以下の記事で詳しく解説しているのでご参考ください。

RPAのメリット・デメリットは?AIやツールと何が違うの?|RPA-Robo-PatDX(ロボパットDX)

RPAを導入検討する5つのステップと注意点

実際にRPAを導入検討する際は、次の5つのステップを意識しましょう。

 

1,RPAを導入する目的を設定する

まずはRPAの導入目的を設定しましょう。RPAは、初期段階ではトライアンドエラーの繰り返しで進めていくので、すぐに効果が表れるわけではありません。そのため、短期的なコスト削減目標ではなく、中長期的な生産性向上を目的と捉えることが大切です。

 

2,RPAの適用範囲を決定する

次に、RPAで自動化する業務の範囲を決めます。まずは現状の業務の見直しを行いましょう。そこで重要なのは、「RPAの適用ありき」で考えるのではなく、自社の課題を明確にして「RPAが課題解決に役立つか」を考えることです。

また、全社で一気にRPAを導入するのではなく、スモールスタートで試すことも大切です。業務効率が上がりやすそうな業務を自動化し、効果が出始めたら徐々に適用範囲を広げていくのがコツです。

 

3,導入するRPAツールを選定する

RPAツールによっては、プログラミングスキルが必要なものがあります。従業員のスキルを考慮してどのRPAツールが合うか検討しましょう。

RPA運用を情報システム部門が主導する場合は、プログラミング知識が必要な「エンジニア向けRPA」も利用できます。一方、RPA導入を現場部門が主導する場合は、エンジニアなしでも使える「現場型RPA」を選びましょう。

最近では、「2025年の崖(※)」などエンジニア不足を視野に入れ、エンジニアに依存しないように「現場型RPA」の導入が進んでいます。

※2025年の崖:経産省の「DXレポート」の中で指摘された「DXを推進しない⽇本企業は2025年以降、最⼤で年間12兆円の経済損失が⽣じる可能性がある」という提唱

 

4,RPAツールの無料トライアルを利用

RPAを選ぶうえで、トライアルは非常に重要です。多くのRPAツールが無料トライアルを実施しているので、必ず利用しましょう。RPAツールのトライアルは、導入の成否を左右するといっても過言ではありません。

その際、「○○業務の自動化が成功すれば導入する」など、トライアルのゴールを明確に設定するのが良いでしょう。

 

5,本格的に導入

以上4つのステップを踏んで、RPAの導入を進めても問題ないと判断できれば、本格的にRPA導入を進めていきます。

どのような手順で活用するか、RPAを活用できる人材を社内でどのように育てるか、業務自動化のマネジメント体制はどうするかなど、この段階で検討する必要があります。

 

RPA導入の成否を左右する『トライアル』の重要ポイント

RPA導入の成否を左右する『トライアル』について、押さえておきたいポイントをご紹介します。

 

トライアル前に押さえておくべき「3つのポイント」

RPAツールのトライアルは、ただ闇雲に開始しても十分な効果が見込めません。以下の3つのポイントを押さえてから、トライアルに挑みましょう。

  • RPA導入の目的とトライアルのゴールを明確化する
  • RPA検討段階から現場のメンバーを巻き込んで導入を進める
  • RPAに向いている人を複数名選んでトライアルメンバーに据える

 RPAのトライアル実施中に押さえておくべき「5つのポイント」

RPAツールのトライアル実施中は、以下5つのポイントに注意して、積極的にRPAを活用してみましょう。

  • RPAの基本操作を覚えたら、まずは遊び感覚でロボットを作ってみる
  • RPAベンダーが提供しているサポートを最大限利用する
  • RPA導入の意義や目的を周知して、社内に定着しやすい雰囲気を作る
  • RPAの勉強も業務時間として捉え、明確に規定する
  • トライアルに関わるメンバー同士でRPAの進捗を確認する機会を設ける

 

特に2番目のベンダーサポートについては、導入後も積極的に活用しなければ、社内での定着は難しくなります。そのため、メーカーのサポートが使いやすいかどうか確認すると同時に、作成者がサポートを使いこなすことも大切です。

 

 

業務、作業別でみるRPAの活用例

単純作業といっても、自社に置き換えたときにRPAがどんな業務に活用できるのか、イメージがわかない方もいらっしゃるでしょう。RPAの活用では「業務単位」で考えるより、「作業単位」で考えるとイメージが広がることが多いです。

 

RPAで自動化しやすい作業とは

多くの単純業務は、おおよそ以下の組み合わせで構成されています。

 入力作業

エクセルやCSVファイルのデータを、システムやWebに入力する作業

 

集計業務

WebシステムやWebサイトからデータをダウンロードしたり、そのままエクセルなどで集計したりする作業

 

データ加工

複数のファイルからひとつのファイルに集約したり、違う表に加工したりする作業

 

ファイル保存

さまざまなファイルを指定した場所に保存する作業

 

メール送信

作成したファイルを添付して、誰かに送信する作業

 

そのほかにも、定型書類作成・リスト作成・情報取得など、さまざまな作業でRPAが活用されています。

 

RPAで自動化されている業務例

ここでは、RPAの導入企業が実際に自動化している業務をご紹介します。まったく同じ業務ではなくても、作業単位で置き換えてみると、自社での業務に置き換えるヒントが見つかるでしょう。

 

請求書発行業務

取引先が多くなればなるほど、請求書発行の業務は大きな負担となります。たとえば、請求書を作成してメールに添付し、宛先を入れて下書きフォルダに保存するところまでRPAで行ったら、あとは目視でチェックするだけで送付できます。

 

また、取引先からPDFで送られてくる請求書も、OCR(光学的文字認識)を活用すると便利です。画像データを文字データとして認識できるので、RPAで集計して社内システムに転記するなど、一連の自動化もできます。

 

クローリング/スクレイピング

インターネット上のリンクを辿ってWebサイトを巡回し、Webページ上の情報を収集して保存する作業のことです。不動産業界では物件情報の取得を定期的に行う必要がありますが、それもRPAで自動化できます。最近では、RPA自体にWeb操作専用の機能が実装されるなど、RPAによるWeb操作が非常に楽になっています。

 

日次(売上)データ集計

小売業や飲食業など店舗を展開している企業では、日々のデータを基幹システムからダウンロードし、商品ごとの売上データなどを集計して自動送信すると、店舗経営に必要な情報をすぐ反映できます。

今まで手間がかかり実施できなかった作業も、RPAの導入をきっかけに夜中に自動で稼働させることができ、従業員の負担を大幅に減らせます。

 

RPAで自動化すべき業務を見つける方法とは?

RPAの導入後に「誰も使わない」「業務効率が悪化した」などの事態を招かないように、RPAで自動化すべき業務をしっかり見極めることが重要です。

 

現場で本当に負担になっている業務を見極める

費用対効果だけに焦点を当ててRPAで自動化する業務を選ぶと、RPA導入が失敗してしまう可能性があります。現場で本当に負担となっている業務を見極めて、、その業務にRPAが適用できるか検討しましょう。

 

現場が面倒だと思っている業務を探す

現場が「面倒だ」と感じている業務を探すことも重要です。ただし、現場の実状を理解するためにも、現場へのヒアリングが欠かせません。

 

一部の工程のみの自動化でもOK

RPAで全工程を自動化するのが現実的でない場合もあります。ここで全行程の自動化にこだわると、作成するシナリオも難解となり、安定性に欠けるロボになってしまいます。

全行程が自動化できないならRPAは導入しないと判断するのも、効率化の余地がある場合はもったいない判断です。そのため、RPAの導入を検討する際は、一部でも自動化できる部分がないか探してみましょう。

 

業務の洗い出しでよくある失敗とは?

現場の担当者は、日常的に業務の自動化や効率化について、考えているわけではありません。そのため、自動化する業務の検討時に、現場に「自動化できる業務」や「自動化で削減できる時間」などについて聞いても、適切な回答が得られないことが多いです。

また、「自動化に向いている業務」が必ずしも「負荷が大きい」「手離れしたい」業務だとは限りません。現場には、まずRPAがもたらすメリットを伝えましょう。現場に「RPAで仕事が変わりそう」「面倒な仕事が楽になりそう」という期待をもってもらったうえでヒアリングを行うと、現場の本音が見えてきます。

 

【業種別】RPAの活用事例

各業種におけるRPAの導入形態や、具体的にどのような業務をRPAで自動化しているのかをご紹介します。

 

金融

銀行をはじめとした金融業界では、早くからRPAの導入が進んでいます。大手銀行の中には、RPAを自社開発しているところもあるほど。クライアント・サーバー型の大規模なRPA導入が多いのが、金融業界の特徴です。

金融業界には紙帳票の読み取りや入力、システム間のデータ移行など、これまで手作業で行っていた単純作業や定型業務が多くあります。そのため、金融業界はRPAの自動化による導入効果がとくに高いです。

 病院

医療従事者は夜勤や交替制勤務などもあることから、その労働環境は過酷です。コロナ禍で経営が圧迫されている病院も多く、医療業界の生産性向上は待ったなしの状況です。

病院には、カルテ記入・医薬品の在庫管理・診療報酬の計算・予約管理・請求業務・医薬品の発注業務など、さまざまな事務作業があります。近年では、電子カルテなど病院事務のDX化が進んできていますが、システム間のデータ転記業務などの定型作業も多く残っています。

RPAを導入することで、人的リソースを労働環境の改善に振り向けるなど、医療業界の人手不足解消に活用されています。

 

IT

IT業界はもともとITツールを多く使っているため、RPAの導入も進んでいて活用の幅も広いです。

IT企業にも、経理部門・人事部門・管理部門などには単純作業が多くあり、それらの業務の自動化にRPAを活用して生産性の向上につなげています。また、各種ITツールの連携にRPAを活用するケースも多いです。

 

製造

製造業にはバックオフィス業務がたくさんあります。そのバックオフィス業務にRPAを適用することで、業務効率と生産性が大きく向上します。

製造業の工場では、工程ごとに分けて作業を自動化するのが一般的です。一方、RPAも同様のプロセスで作業を自動化するので、製造業とRPAは相性が良いと言われています。

製造業には、在庫管理業務・受発注業務・出荷業務・請求業務といった単純作業も多くあり、これらの業務はすべてRPAで自動化できます。

 

EC

EC業務には、受発注業務や在庫管理業務など、直接利益につながらないノンコア業務が多くあります。これらのノンコア業務には、RPAで自動化できる単純作業や定型業務も多いです。

たとえば、商品在庫の登録作業などを行って複数のECサイトを更新したり、顧客の注文をECサイトごとに処理したりする業務です。在庫登録をRPAで自動化し、こまめに更新するように変えるだけで売上げも上がるなど、RPA導入の効果が直接利益につながる可能性があります。

 

物流

物流業界は常に人手不足に陥っているうえに、コロナ禍個人のECが増えたことで小口配送が増加しています。物流業界はもともとデジタル化が遅れていましたが、上記の理由によりDX推進による生産性向上が急務となっています。

物流業界には、受発注や伝票の作成・入力・出力、配車や輸出入に関する書類作成など、単純な事務作業が多く存在します。それらをRPAで自動化することにより、配送業務をスピーディーに行えるようになり、物流業界全体を効率化できます。

また、ドライバーの呼気チェックや日報管理などでも単純作業が多く発生するため、コンプライアンス面でもRPAを活用している事例が増えています。

 

RPA導入企業の成功事例

RPAツール「ロボパットDX」を導入し、DX(デジタルトランスフォーメーション)や業務効率化に成功した事例をご紹介します。

なお、下記でご紹介する以外にも多くの事例がありますので、興味がある方はこちらもご参照ください。

導入事例|RPA-Robo-PatDX(ロボパットDX)

 

三井住友トラストクラブ

三井住友信託銀行グループの一員である三井住友トラストクラブ株式会社では、2018年9月から「ロボパットDX」の導入を段階的に推進しています。

全社的に業務自動化、生産性向上に取り組んだことで、RPA導入から1年未満で年間換算2万4000時間の業務削減を実現しました。

三井住友トラストクラブ株式会社|RPA-Robo-PatDX(ロボパットDX)

 

リブセンス

活気あふれる組織風土を持つ株式会社リブセンスでは、コーポレート部門に「ロボパットDX」を導入しました。

RPA導入により、全社で1カ月あたり約50時間、約6営業日分の業務を効率化できただけでなく、RPA導入の取り組みを通じて社員の自発性の育成にもつながりました。

株式会社リブセンス|RPA-Robo-PatDX(ロボパットDX)

 

野村不動産パートナーズ

不動産管理事業を展開する野村不動産パートナーズ株式会社では、2018年12月に住宅事業部に「ロボパットDX」を導入しました。

契約や物件などのExcelデータをシステムに転記するロボットなどを作成し、単純作業を自動化しました。年間で約1万時間の業務効率化を実現したほか、作業精度の向上や成果物のクオリティ担保などの効果が得られました。

野村不動産パートナーズ株式会社|RPA-Robo-PatDX(ロボパットDX)

 

まとめ

本記事では、RPAの基本知識や導入メリットに加えて、RPAの導入を成功させるコツをご紹介しました。RPAは非常に便利なツールではありますが、RPAで自動化すべき業務を見極める必要があります。また、RPAを本格導入する前にトライアルを利用して自社に向いているのか確かめることが重要です。

 

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RPA選びで絶対に押さえるべき5つのポイント

RPA選びで絶対に押さえるべき5つのポイント

今日ではとても多くのRPAが販売されています。 しかし実は、どのRPAも「できること」はほとんど⼀緒です。だからこそ、RPA選びをする際に気をつけるべき「5つのポイント」をご紹介します。検討中の企業様必読です!

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この記事を書いたコンサルタント

ロボパット編集部

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