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事例紹介(部門/業種別) 2021.06.11

物流DXの実践事例を紹介!物流業界が抱えている課題とは?

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物流業界は荷物の配送を担うドライバーが主役となる「労働集約型産業」です。
近年ではインターネットショッピングやフリマアプリなどが隆盛を極めているおかげで、ロジスティクスの配送量は年々増えていく一方です。その反面、少子高齢化などの影響もあり参入してくる若年労働者は減り、担い手は年々減少傾向にあります。
その結果、ドライバー1人あたりの業務量も増えてきており、人手不足の解決が急務となっています。
このような物流現場の課題は、DXを推進することによって解消することができます。まだまだアナログ業務が多く残っている物流業界には、迅速なDX推進が求められています。
本記事では、物流のビジネス環境を変革するDXについて、成功事例を紹介しながら解説していきます。

【目次】

 

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?

DXとは「Digital Transformation/デジタルトランスフォーメーション」の略です。日本では「デジタル変革」と訳されていますが、その意味としては「デジタル技術による人々の生活の変革」と定義付けられています。

DXはスウェーデン・ウメオ大学のエリック・ストルターマン教授によって2004年に提唱された概念です。教授が発表した論文に「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でよりよい方向へ変化させる」とありますが、これがDXの元々の定義とされています。

日本においては、経済産業省がDX推進ガイドライン中で、

 

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズをもとに、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」

 

と定義しています。

単に最新のデジタル化を進めるだけでなく、企業の業務フローやビジネスモデル、組織体制自体を変革することで、競争上の優位性を確保し、新規ビジネスやサービスを生み出し、収益向上につなげる点が特長です。

なお、経済産業省では2018年9月に「DXを推進して、老朽化した既存システムのブラックボックス化を解消しないと、2025年にはシステムの十分な管理や運用ができなくなる『2025年の崖』が到来する」というショッキングな内容のレポートを発表しています。

そこでは、日本企業が「2025年の崖」を克服できなければ、2025年以降に毎年最大12兆円の経済損失が生じる可能性があるとしています。ただしDXが実現できた場合は、2030年にGDP130兆円の押し上げが可能になるとも提言しています。 

このレポートを境にして、DX推進の重要性が日本企業にも広く伝わるようになったのです。

2020年12月28日にはその中間取りまとめとして「DXレポート2」も公表されています。そこでは、「95%の企業はDXにまったく取り組んでいないか、取り組み始めた段階であり、全社的な危機感の共有や意識改革のような段階に至っていない」と書かれており、日本企業のDX推進はまだまだの状態にあるといえます。

参考:「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~」

https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/20180907_report.html

参考:「DXレポート2(中間取りまとめ)」

https://www.meti.go.jp/press/2020/12/20201228004/20201228004.html

 

物流DXとは?

物流DXとは、ロジスティックデジタルトランスフォーメーションとも呼ばれており、機械化やデジタル化によって物流のあり方を変革することです。

「総合物流施策大網(2021年度〜2025年度)」が閣議決定され、今後の物流の施策や方向性、取り組みが判明しました。

また、総合物流施策大網では今後に取り組むべき施策の第1項目として、「物流DXや物流標準化の推進によるサプライチェーン全体の徹底した最適化(簡素で滑らかな物流)」と示されています。

参考:国土交通省|総合物流施策大網(2021年度〜2025年度)

 

後述しますが、物流業界ではさまざまな課題を抱えています。さらに新型コロナウイルス感染症の影響により、宅配便の需要が増加しています。速やかな物流DX推進の必要性が総合物流施策大網で示唆されています。

 

物流業界が抱える現状と課題

物流業界におけるDX化は他業種に比べると進んでいません。労働力不足や長時間労働の常態化に悩む物流業界においては、業界を挙げたDX化が急務となっています。

 

コロナ禍でEC需要は急増

物流需要は近年増加の一途を辿っていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大による「巣ごもり消費」の増加によって、インターネットショッピングやフリマアプリなどの取引がさらに急増しています。それに伴って個人消費者向けの小口配送が増え、物流業外の市場規模はさらなる拡大が見込まれます。

EC需要が急増している反面、デジタル化が遅れている物流業界の現状により、「仕事がキツい」「収入が低い」といわれ人手不足を招き、長時間労働の常態化にもつながっています。

このような状況を打破するためには、DX推進による業務効率化の実現が急務です。

 

深刻な労働力不足

物流業界に限りませんが、少子高齢化による労働生産人口の減少がドライバーの確保にも影響してきています。2010年の日本では15~64歳の生産年齢人口が80%を超えていましたが、2030年には68%へと低下、2045年頃には50%を割り込むと予測されています。

2019年5月に鉄道貨物協会が発表した「本部委員会報告書」では、営業用トラックドライバーが2025年に約20万8000人、2028年には27万8000人と、深刻な人員不足を予測しています。

このように深刻な労働力不足に陥っている理由の1つとして、「仕事がキツいにもかかわらず収入はあまり高くない」といった物流業界の労働環境の悪さが挙げられます。そのため、新規人員の確保が難航しています。

現場が多忙だと、新規採用の時間が取れないことも出てきます。また、せっかく採用しても十分な教育を行わないで現場に出動させざるを得ないこともあります。その結果、生産性の低下を招き、労働力が増えたとしても期待どおりの成果が得られないという問題も生じます。

物流業界に従事する人が増加しない理由としては、業界の労働条件が改善されないことも挙げられるでしょう。トラックドライバーの年間労働時間は、全業種の平均を約20%も上回っています。これは長時間労働が常態化していることを示しており、国を挙げて働き方改革に取り組んではいますが、なかなか思うように進んでいないのが現状です。

参考:「平成30年度 本部委員会報告書」

https://rfa.or.jp/wp/pdf/guide/activity/30report.pdf

 

小口化による効率悪化

インターネットショッピングやフリマアプリなどの取引増加による個人向け配送の増加は、業務効率を悪化させる要因となっています。かつての物流業界ではBtoB向けの大口配送が多い状況でした。BtoC向けの小口配送が増えると、仕分けや配送の手間が増え、業務の増加につながります。

三井住友銀行が2018年6月に発表した「物流業界の動向」というレポートによると、2000年に1.37トンだった出荷1件あたりの貨物量が、2015年には0.75トンにまで減少しています。

また、小口配送が増加することで配送1件あたりの単価も下がり、物流業界の生産性の低下につながっています。その一方で配送の頻度が多くなり、ドライバーの負担は増加しています。

参考:「物流業界の動向」

https://www.smbc.co.jp/hojin/report/investigationlecture/resources/pdf/3_00_CRSDReport064.pdf

 

物流業界におけるDX推進の課題と対策

物流業界のDX推進に対する課題には、日本特有の事情も絡んできます。

欧米の荷主はコスト最小化を重視しており、どの物流業者に依頼しても標準対応ができることを求めています。DXを推進することで物流業者が共通した対応ができることは、荷主、物流業者ともメリットがあります。

しかし、日本の荷主の多くは状況に応じた臨機応変な対応を求めており、物流業者側としても対応力の高さをアピールしています。柔軟な対応をするにはデジタルを取り入れて標準化するよりもアナログ対応の方が都合の良いケースが多く、DX推進に踏み切れないのです。

また、物流業界の社員の中には、ITツールに対しては苦手意識を持つ方も多くいます。そのため、誰もが使いやすいITツールを導入することが、物流業界におけるDX推進の肝となります。

 

物流DXで実現できることとは?

できるだけ早期の物流DXの実現が求められますが、物流DXでは以下の内容を実現できます。

 

物流の自動化

すでに物流を取り巻く環境では自動化が進んでいます。その中でも幹線輸送の自動化や機械化が実現すると、これまでよりも省力化が可能になります。

例えば、トラックの隊列走行の自動化では、リアルタイムの車間通信を行って車間距離を自動的にキープします。AIやIoT(Internet of Things) などの技術を活用して、海上輸送の自動化を実現する自動運搬船などの技術も開発されています。

 

配送ルートの最適化

物流DXでは、配送ルートの最適化も可能です。従来までの配送ルートは、ドライバーの経験や勘などにより最適な配送ルートを見つけていました。

しかし、AIなどの技術を取り入れると、経験や勘に頼らない配送ルートを作成できます。具体的には、天候や事故状況、混雑状況などのデータを集積してAIが最適な配送ルートを割り出す流れです。

配送ルートの最適化が保たれると、トラックの燃料費削減、積載量の効率化にもつながるでしょう。ドライバーの安全確保にも役立ちます。

 

再配達の削減

配送ルートの最適化とともに再配達の削減ができると、さらなる業務効率の向上が可能です。物流DXならば、顧客の配送状況や注文内容などのデータを蓄積して、ビッグデータ分析をすると、AIが在宅率が高い時間帯を割り出します。

その結果、再配達の稼働が少なくなり、業務効率化にもつながります。顧客としても在宅しているときに配達されるため、満足度が向上するでしょう。

 

倉庫システムの効率化

倉庫管理システムでは、商品の在庫や入出荷などの管理ができます。さまざまな視点からDX導入を進めると、データ連携などができて業務効率の向上が実現するでしょう。

倉庫管理システムにAIを活用すれば、ピッキング作業指示作成の最適化などができます。ピッキング作業指示では、倉庫内の動線を意識して的確な内容を示すことが大事です。それらのことがAIならばより効率的にできます。

結果として、省人化につながりコスト削減も実現できるでしょう。

 

労働環境の改善

さまざまなシステムを活用して従業員の勤務状況を可視化すると、労働環境の改善につながります。従来までのタイムカードの打刻や勤務時間の提出だけでは、現場での状況が見えにくいです。

そこでシステムやツールを活用すると、さまざまなデータから従業員の稼働状況を把握すれば労働環境が改善できます。過重労働の検知や運行管理者の負担状況などを可視化して、効率的な人員配置、休暇の取得などにつなげます。

場合によってはコンプライアンス対策にも効果が期待できるでしょう。

 

物流DXの実践事例

ここでは物流DXの実践事例をご紹介します。すでにDX導入を進めている企業から具体的な手法を理解してみましょう。

日本通運株式会社

日本通運株式会社は、作業ロボットやRPAを導入して業務効率化を実現しました。同社はコンテナ輸送会社の発注から支払い、作業計画の作成・完了報告という単純作業を自動化しています。結果として大幅に作業時間を削減して、業務効率化を実現しました。

なお、同社は500台以上のロボットを導入して、100万時間単位の作業時間の削減を目標としているとのことです。また、各種書類の発行も自動化しており、経理部門の作業時間の削減も達成しています。

 

日本航空株式会社

日本航空株式会社は、ドローンを活用した配送サービスの提供に取り組んでいます。過疎化した集落や離島、交通渋滞が発生しやすいエリアへの物資の運搬に期待がかかります。

特に医薬品や災害時の食料などの緊急物資の配達にドローンの活用が実現してほしいところです。同社では2023年の事業化を目指しているようであり、物流業界の人材不足だけではなく、非接触による配達に向けて実証実験を行っています。

 

株式会社オプティマインド

株式会社オプティマインドは、名古屋大学発の物流ベンチャーとしてご存知の方もいるでしょう。同社は「Loogia」というドライバーアプリを提供しています。

Loogiaは、ラストワンマイル(顧客との最終接点)配送のルート最適化を行うアプリです。同社は研究実績が豊富であり、アルゴリズムも保有しています。それらを活用して、精度の高い配送ルートを算出することを実現しました。

 

物流業界に導入しやすいDXとは?事例をもとに紹介

DX推進が必要な物流業界ですが、ITリテラシーの高い人材が少ないという企業も多いのではないかと思います。では、そんな人材不足の企業のDXはどこから手を付けていけばいいのでしょうか?

 

物流業務のDXにはRPAがおすすめ

RPA(Robotic Process Automation/ロボティック・プロセス・オートメーション)とは、人がパソコンで行う定型的な作業を、ロボットに覚えさせることで単純業務の自動化を実現するITツールです。定型的な作業が多い物流業務の生産性向上においては、大きな効果を発揮するソリューションとなりえるでしょう。

例えば、会社の基幹システムから配送データをダウンロードして、Excelなどへ入力し、集計結果をコピペして関係者へメール送信するといった一連の業務プロセスも、RPAで自動化することが可能です。また、人が同じ作業を実施する場合に比べ、ロボットがより早く正確に処理を行うため、大幅な業務効率化にもつながります。

 

RPA導入によりDXを推進する取り組み事例

茨城県に本社があるほか、東北から九州にかけて8つの拠点を持ち、物流に関する幅広い事業を展開する株式会社梅里物流サービス。まだまだアナログな業務が多い物流業界において、同社では2019年9月からRPAツール「ロボパットDX」を導入しました。

前述の「2025年の崖」に備えて導入した「ロボパットDX」は、給与の振込用データを加工する業務や運送業システムに運送データを入力する業務など、バックオフィス業務を担当する管理部門で活用されています。

RPAの導入によって作業時間の大幅短縮を実現でき、従業員が定時で帰宅できるようになり、意識改革にもつながっています。

また、「ロボパットDX」の活躍によって時間が生まれたことで、上司が部下と積極的にコミュニケーションを取れるようになりました。アイデアが飛び交う環境になることで、業務改善もしやすくなるといった好循環も生まれています。

本事例でもわかる通り、物流業界ならではの各種システムを導入してDXを推進していくことも大事ですが、より汎用的なDX手段としてRPAを導入することもおすすめします。

この事例ではRPAを活用して管理業務の手間を削減しています。現場で工夫しやすいRPAなら応用が可能であり、物流業界全体をデジタル技術で支えていくことができます。

 

まとめ

今回の記事では、物流業界が抱える現状と課題、それらを今後解決してくれるDXについてご紹介しました。

物流業界における日本型DXの推進には、本事例でもご紹介したRPAが第1歩としておすすめです。

RPAツールはさまざまな種類がありますが、中でも「ロボパットDX」は「現場が自分で作業を自動化する」をコンセプトに開発され、多くの物流企業に導入されています。

オンラインでの無料セミナー「RPAロボパット活用による日本型DX推進セミナー」も定期的に実施しています。

是非お気軽にお問い合わせください。

https://fce-pat.co.jp/

 

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この記事を書いたコンサルタント

ロボパット編集部

広報部・編集長

ロボパットDX編集部です。
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