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DXの基礎知識 2021.01.12  [最終更新日] 2023.07.28

【入門編】デジタルトランスフォーメーション(DX)の必須知識

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近年、世界中の企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しており、新たなビジネスモデルやサービスがたくさん生まれています。
例えば、今や当たり前に使っている「Spotify」や「Netflix」などのサブスクリプションサービスは、数年前までは考えられなかったサービスといえるでしょう。
こうしたサービスは最新のデジタル技術によって実現されており、世界中の人々の生活を豊かにするとともに、提供企業側に大きな収益をもたらしています。そのため、我が国でも経済産業省などが中心となり、日本企業にDX推進を励行している状況です。

しかし、我が国におけるDXの知名度はまだまだ低く、DXがどのようなものか知らない方もたくさんいることでしょう。
そこで今回は、デジタルトランスフォーメーション(DX)の必須知識を事例も交えてご紹介します。

【目次】

 

市場の激変とデジタルディスラプターの存在

近年は、AIやIoT、ビックデータ、ブロックチェーンなどに代表される最新デジタル技術の発展により、市場状況が大きく変化しています。その中で、デジタルディスラプターと呼ばれるプレイヤーの存在が大きな影響力を持つ状況です。

 

例えば、小売業界においては、Amazonが登場したことによって市場が大きく変化しました。

従来の小売業で、収益を拡大させるためには、

・店舗数拡大

・大量仕入れによるコスト削減

・取扱商品の絞り込み

などによって原価や販管費を極力圧縮し、販売チャネルを増やすことが基本戦略でした。

 

しかし、AmazonなどのECサイトで重要視されるのは、オンライン上の顧客体験の最大化です。

つまり、ECサイトにおいては、

・欲しいものがすぐ手元に届く

・高いユーザビリティ(UI・UX)

・豊富な品揃え

などの実現が重要なミッションになります。

そのため、ECサイトではデジタル技術やシステム運用に甚大なコストが必要です。また、IT人材の確保や育成が非常に重要な課題となっています。

 

さらに、新たなサービスの誕生によって人々の価値観や生活様式が一変したことにより、企業側も戦略を大きく変える必要があるのです。こうした最新デジタル技術による市場の創造的破壊のことを「デジタル ディスラプション (Digital Disruption)」と呼びます。

そして、Amazonのような業界に革新をもたらすプレイヤーが「デジタルディスラプター」です。

 

デジタル技術の発展によって市況が目まぐるしく変化し続ける現代、企業が生き残るためには、DXを推進して臨機応変に対応できる体制構築が必須といえるでしょう。

生き残るカギとなる「デジタルトランスフォーメーション」とは

「デジタルトランスフォーメーション(DX)」とは、英語の「Digital Transformation」のことで、デジタル変革といった意味になります。ちなみに、「DT」ではなく「DX」と略す理由は、英語圏で「Trans」という言葉を「X」と省略する文化があるからです。

なお、DXという言葉の歴史は意外に古く、2004年にスウェーデンのウメオ大学の「エリック・ストルターマン」教授の提唱が最初だといわれています。「IT技術の発展によって、人々の生活がよい方向に転換していく」と同時に、「DXが推進されデジタルとリアルが融合して大きな変革が実現される」というのが教授の提言です。

その後のGAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)の躍進からも分かるように、教授のDXに関する予見はかなり信憑性の高いものだったことが分かります。

つまり、目まぐるしく変化する市場を生き残っていくためには、DXの実現が必要不可欠ということです。

経済産業省もデジタルトランスフォーメーションを推進

こうした状況の中、我が国でも経産省が中心となって、政府が日本企業にDX推進を励行している状況です。また、経産省はDX推進指標(https://www.meti.go.jp/press/2019/07/20190731003/20190731003-1.pdf)

を定めており、その中でDXは以下のように定義されています。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズをもとに、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」

政府が掲げる「働き方改革」を推進するためにはDXの実現が必要不可欠であるため、多くの日本企業が注力しはじめている状況です。

 

 

デジタルトランスフォーメーションの成功事例

ここからは、DXの成功事例をいくつか紹介します。

Uber

「Uber」とは、Uber社が提供する、移動したい人と車の所有者をマッチングする「配車マッチングサービス」です。簡単に説明すると、日本でいう「白タク」を実現するサービスといえるでしょう。

Uberアプリで行先を設定すれば、近隣にいる車の所有者(ドライバー)が自動でマッチングされます。評価や車種、乗車料金を確認してドライバーを選ぶだけで、現場に迎えにきてくれて、そのまま目的地まで乗せてもらうことが可能です。

目的地に着いたら、登録してあるクレジットカードで自動決済されるため、支払い作業も必要ありません。また、決済時にドライバーの評価に合わせて、チップを支払うことも可能です。これにより、質の悪いドライバーには、顧客が付きにくい仕組みができあがっています。

 

Uberが実現した「シェアリングエコノミー」というビジネスモデルは、車の所有者と移動したい人をマッチングすることで、

・車の所有者:金銭を得る

・移動したい人:安価に速やかに移動できる

という両者にメリットを与える点が特徴です。

 

これまで車での移動といえば、タクシーが主流でしたが、Uberの登場によってその図式が大きく変革しました。

Uberの登場以前までは、車を購入した場合、それに乗るのは持ち主とその家族や友人程度が一般的だったと思います。しかし、Uberによって「車は皆でシェアするもの」というDXが実現され、新たな生活様式とビジネスモデルが誕生したのです。

Airbnb

「Airbnb」もシェアリングエコノミーサービスの1つで、「旅行者」と「物件所有者」をマッチングするサービスになります。つまり、「民泊」を可能にするサービスです。

 

Uberと同じように、これまでは自宅などの物件も基本的に家族や親戚などしか利用しないことが一般的でした。しかし、Airbnbの登場により自宅をシェアできるようになったことで、

・旅行者:安く快適な場所に宿泊できる

・物件所有者:住んでいない物件を貸すことで収益が得られる

という図式が完成しました。

また、従来のような旅行サイトや代理店を経由せず、アプリから直接予約が取れるためユーザーの利便性も非常に高い点がメリットです。

これにより旅行者が泊まる場所の選択肢がホテル以外にも広がりました。その意味で、旅行業界に大きなインパクトを与えたDXの事例といえるでしょう。

Spotify

音楽ソフトはレコードからCD、そして配信と、時代の流れに合わせて、その提供方法が目まぐるしく変化してきたコンテンツの1つでしょう。そして、Spotifyが登場したことによって、音楽コンテンツは所有するものからシェアするものに変化したのです。

Spotifyが提供している「サブスクリプション」モデルでは、月額定額制ですべてのコンテンツが利用できます。ユーザーは何百万曲という楽曲アーカイブの中から、好きなものを好きなだけ聞けるわけです。

一方、コンテンツを提供するレコード会社に対しては、楽曲の再生回数に応じて支払いが行われます。しかし、リリース当初のサブスクリプションモデルに対するレコード会社の反応は非常に冷ややかで、CDが売れなくなることから参入に前向きではありませんでした。

しかし、サブスクリプションやストリーミングで音楽を聴くというスタイルが一般層に浸透したことで、レコード会社も徐々に参入をはじめたのです。

その結果、現在の音楽業界では、サブスクリプションによる売上がCD・DLを抜いてNo1になっています。

音楽に限らず映像なども含めたサブスクリプションモデルは、コンテンツ業界におけるDXの代表事例といえるでしょう。

メルカリ

今や日本で知らない人はいないほど有名になった「メルカリ」も、日本を代表するDX成功企業の1つです。

メルカリが実現したのは、まさに個人間売買のDXといえるでしょう。メルカリの登場以前にも、「ヤフオク!」などをはじめとするネットオークションのサービス自体はありました。

しかし、メルカリはアプリ1つで出品から購入者とのやりとり、決済までを完了できる利便性の高い仕組みを提供することで、個人間売買を一般層が利用できるレベルまで昇華させたのです。

これにより、あらゆるものがシェアされる文化が形成されました。さらに、同社のQRコード決済「メルペイ」と組み合わせることで、リアルとバーチャルにおける決済の垣根すらなくなりました。

「2025年の崖」と、日本企業に適したDXの実践方法

DXを理解するためには、「2025年の崖」についても理解しておく必要があります。

2025年の崖とは

「2025年の崖」とは、2018年9月に経産省から出された「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」(https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/20180907_report.html)の中で提言された「日本企業が従来の大規模で複雑化したシステムから脱却できなかった場合に、2025年以降で最大12兆円の経済損失の可能性がある」という非常にショッキングな内容です。

つまり、DXが実現できなかった企業は、今後市場で生き残っていくことが困難という意味なのでしょう。しかし、実際には多くの企業がレガシーなシステムからの脱却が図れず、DXを推進できない状況といえます。

また、DXを推進する人材が圧倒的に不足している点も、日本企業の大きな課題です。少子高齢化の日本ではもともと労働人口が減少傾向なことに加え、エンジニアなどのIT人材を多く確保している企業が少なく、非常に厳しい状況となっています。

そのため、日本企業がDXを推進するためには、IT人材の確保と育成が必須です。

とはいえ、IT人材の採用は困難なことに加え、IT人材の育成にも時間がかかります。そのため、日本企業がDXを推進する場合には、エンジニアなどのIT人材に頼らない「日本型DX」を目指すべきなのです。

IT人材でなくても推進できる「日本型DX」

日本型DXとは、従来の日本企業に多いフルスクラッチ開発や専用にカスタマイズされたシステムなどを利用せず、ノーコード・ローコード開発が可能なクラウド型の汎用システムを使うDXになります。

日本型DXのメリットは、IT人材に頼らずにDXを推進できる点です。

これまで企業内のシステムや業務プロセスを改修する際には、エンジニアなどのIT人材が主導で行う、いわゆる「システムアプローチ」が一般的でした。

しかし、日本型DXでは、現場のスタッフがITを活用して業務プロセスを改革する「現場アプローチ」で行う点が特徴です。

したがって、IT人材が少ない企業でDXを推進する場合には、日本型DXを目指すべきでしょう。そして、日本型DXを実現するために最適なツールが、以下で紹介する「RPA」です。

なお、日本型DXに興味が湧いた方は、こちらの記事(http://fce-pat.co.jp/magazine/cat/dx/)も参考になるので、ぜひチェックしてみてください。

RPAとは

「RPA」とは「Robotic Process Automation」の略語で、人がパソコンで行なっている作業をソフトウェアロボットが代行するツールになります。つまり、作業の自動化を可能にするツールです。

 

RPAを導入することで、

・社内システムからのデータダウンロード

・社内システムへの情報入力・アップロード

・Excelでの集計作業

・定型文によるメール作成・送信

といった作業を自動化できます。

 

また、OCR(Optical Character Recognition)とRPAを連携させることで、手書きやFAXで送られてきた請求書の内容をカメラやスキャナーで自動的に読み取って、デジタル化してシステムに自動入力するといったことができます。

 

なお、RPAの代表的な導入メリットは、以下の通りです。

・作業の自動化によって工数・残業を大幅に削減

・スタッフの負荷を減らすことができる

・空いたスタッフのリソースを別の業務にアサインできる

・非IT人材(現場のスタッフ)でも利用しやすい

 

したがって、RPAは「IT人材がいないからDXを推進できない」「何から手と付けたらよいか分からない」といった企業が日本型DXを推進するために最適なツールなのです。

 

 

まとめ

今回は、デジタルトランスフォーメーション(DX)の必須知識や事例、RPAの紹介をしました。

日本企業が、デジタル技術によって目まぐるしく変化する市場で生き残っていくためには、DXの推進が不可欠です。レガシーシステムからの脱却やIT人材の確保といった課題はありますが、RPAなどのITツールを有効活用してDXを推進してもらえれば幸いです。

ちなみに、日本型DXを推進する企業におすすめのRPAツールがあります。それが「ロボパットDX」です。

ロボパットDXは純国産のRPAツールで、非エンジニアが使えるように最適化されており、現場アプローチの日本型DXを推進するには最適でしょう。また、サポート体制も充実しており、導入時はもちろん、RPAの使い方や自動化する業務の選定方法から運用後のサポートまで安心して任せられます。

本記事でRPAに興味が湧いた方は、ぜひこちら(http://fce-pat.co.jp/)からロボパットDXの詳細をご確認ください。

 

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この記事を書いたコンサルタント

ロボパット編集部

広報部・編集長

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