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業務自動化の仕方・方法(自動化業務の選び方) 2022.07.19  [最終更新日] 2023.07.25

中小企業の働き方改革とは?法改正の内容と対応方法を解説

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働き方改革が注目を浴びるようになって久しいですが、自社においてどれほど取り組まれているでしょうか。働き方改革に関して、法令などに基づいて適用されている規定があります。そのため、働き方改革は大企業だけではなく、中小企業においても実践することが求められます。
そこで本記事では、中小企業が実践すべき働き方改革とポイントを中心にご紹介します。今後の働き方改革への取り組みに活かしていただければ幸いです。

【目次】

 

働き方改革とは

働き方改革とは、働く人々が各自の事情に応じて、多様で柔軟な働き方を自分で選択できるようにするため、厚生労働省が打ち出した取り組みのひとつです。働き方改革関連法(働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律)は2018年6月に成立し、2019年4月から順次施行されており、私たちの働き方が従来よりも大幅に変わりました。

長時間労働の是正や非正規雇用者の待遇改善など、これまで課題とされてきたことが改善に向かっているのです。

 

働き方改革はなぜ必要か

働き方改革は日本が抱えている労働・社会経済の課題を解決するために必要です。以前から日本では、以下の課題が問題視されてきました。

 

  • 労働力不足(少子高齢化)
  • 長時間労働や過労死
  • 国際的に見た労働生産性の低さ

 

日本の総人口は減少を続けており、2048年には人口1億人を下回ると予測されています。また、単に人口が減るだけではなく、労働人口の減少も危惧されているのです。

 

参考:人口・経済・地域社会の将来像

参考:2050年までの経済社会の構造変化と政策課題について

 

すでに建設や介護、運輸、飲食などの業界では人手不足が慢性化しています。その結果、従業員1人当たりの業務量が多くなり、長時間労働につながってしまったのです。1人当たりの業務量が増えることで、生産性の向上が難しくなります。

このように、これまでの日本における労働環境の課題は悪循環を生んでおり、改善が求められていたのです。

 

働き方改革の実現に向けた取り組み

政府が推進する働き方改革には3つの柱があります。

 

  • 長時間労働の是正
  • 正規、非正規の格差解消
  • 多様な働き方の実現

 

長時間労働の是正については、原則として残業時間の上限を月45時間・年360時間として、臨時的で特別な理由がなければ超えることができません。さらに労働基準法が改善されて、使用者は、年次有給休暇付与数が10日以上の全ての労働者に、毎年5日の年次有給休暇を確実に取得させることが義務付けられました。

また正規・非正規の格差解消では、同一労働同一賃金の取り組みを基準とし、同一企業内において正社員とそのほかの雇用形態で、基本給や賞与などにおいて不合理な待遇差を設けることが禁止されています。

多様な働き方に向けては、従業員のニーズに合わせて選択できるように、テレワークやフレックス制などが広がりを見せています。

 

中小企業が取り組むべき働き方改革とは

働き方改革は、中小企業にとって負担がかかる部分があります。負担がかかるものの、対応が必要な場面もあるでしょう。

ここで、中小企業の定義を確認しておきましょう。中小企業庁公式ページの中小企業者の定義によると、「業種分類」「資本金または出資金」「常時使用する従業員の数」によって、以下のような区分がなされています。

業種分類

資本金の額又は出資の総額

常時使用する従業員の数

製造業その他

3億円以下

300人以下

卸売業

1億円以下

100人以下

小売業

5000万円以下

50人以下

サービス業

100人以下

 

なお、小規模企業者の定義は以下のとおりです。

業種分類

常時使用する従業員の数

製造業その他

20人以下

卸売業・小売業・サービス業

5人以下

 

つづいて中小企業も対応が必要となる働き方改革関連法を法改正適用時期と併せてご紹介します。

 

対応が必要となる「働き方改革関連法」

国内における雇用の7割ほどを担うのが中小企業や小規模事業者であり、それらの事業所においても働き方改革を着実に進めることが必要です。大企業も含めて、中小企業には以下の対応が必要となります。

 

【罰則あり】年次有給休暇の取得(2019年4月1日から適用)

前述のとおり、年間10日以上の有給休暇が与えられている従業員は、年5日以上の有給休暇の取得が義務付けられました。休暇を取得させないなどの違反行為には、従業員1人につき30万円以下の罰金が科せられます。

参考:年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説

 

高度プロフェッショナル制度の創設(2019年4月1日から適用)

高度専門職を労働時間規制から外し、新たな規制の枠組みが創設されます。高度の専門的知識等を有した労働者に対して、就業機会の拡⼤や意欲・能⼒を存分に発揮できる環境を提供することを目的に創設されました。制度導入には労使同意や年間104日以上の休日確保措置などが必要です。

参考:高度プロフェッショナル制度 わかりやすい解説

 

フレックスタイム制の拡充(2019年4月1日から適用)

フレックスタイム制の労働時間の調整が可能な期間(清算期間)が、1ヶ月から3か月へ延長されます。3か月という長い期間で時間調整が可能になることで、閑散期や繁忙期に合わせた、より柔軟な働き方ができます。

参考:フレックスタイム制 のわかりやすい解説 & 導入の手引き

 

【努力義務】勤務間インターバル制度の促進(2019年4月1日から適用)

1日の勤務終了後、翌日の出社までの間に一定時間以上の休息時間(インターバル)を確保する仕組みです。休息の目安は9〜11時間が推奨されています。休息時間が翌日の所定労働時間と重複する際は、始業時間を繰り下げるか、重複時間を働いたものとするかの対応が求められます。今のところ罰則は設けられていません。一定の休息時間を確保することで、労働者が十分な生活時間や睡眠時間を確保でき、ワーク・ライフ・バランスを保ちながら働き続けることができるようになると考えられています。

参考:勤務間インターバル制度をご活用ください

 

【義務化】労働時間の客観的な把握(2019年4月1日から適用)

裁量労働制が適用される人や管理監督者も含め、すべての人の労働時間の状況が、客観的な方法その他適切な方法で把握されるよう法律で義務づけられます。単に1日何時間働いたかを把握するのではなく、労働日ごとに始業時刻や終業時刻を使用者が確認・記録するなどの措置が必要になりました。

参考:労働時間の適正な把握のために

 

産業医・産業保健機能の強化(2019年4月1日から適用)

事業主から産業医への情報提供や産業医などによる労働者の健康相談等が強化されます。長時間労働やメンタルヘルス不調などにより、健康リスクが高い状況にある労働者を見逃さないために、産業医や医師による面接指導や健康相談等が確実に実施されるようにし、労働者の健康管理を強化します。

参考:「産業医・産業保健機能」と「長時間労働者に対する面接指導等」が強化されます

 

【罰則あり】残業時間の上限規制(2020年4月1日から適用)

こちらも前述のとおり、月間45時間・年間360時間を超える残業をさせてはなりません。臨時的に発生した場合で、使用者と労働者の合意による残業であっても、「年間720時間・複数月の平均80時間(休日労働含む)・月100時間未満(休日労働含む)」を超えてはならないと定められました。規定に違反すると6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金となります(労働基準法 第三十二条の違反)。

参考:労働基準法 第百十九条

 

雇用形態に関わらない公正な待遇の確保(2021年4月1日から適用)

雇用形態に関わらない公正な待遇の確保(同一賃金同一労働)は、同一企業内で同じ業務をする場合に、正規社員とパートやアルバイト、派遣社員、契約社員で基本給や待遇に差をつけてはならないことです。適用しなくても罰則があるわけではありませんが、従業員から求められたときは待遇に関する説明を行う必要があります。また、行政による助言・指導等や行政ADR規定を整備し、都道府県労働局において、無料・非公開の紛争解決手続を行います。

参考:同一労働同一賃金

 

割増賃金率引き上げ(2023年4月1日から適用)

時間外労働について月60時間を超える場合は、割増賃金率が50%に引き上げられます。もしくは従業員の健康を確保するために、引き上げ分の割増賃金を支払う代わりに、有給休暇を付与することが可能です。

参考:月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が引き上げられます

 

中小企業が働き方改革に取り組む際の3つのポイント

中小企業は働き方改革について、さまざまな対応が必要です。以下で、取り組む際の3つのポイントをご説明します。

 

既存業務の効率化

まず既存業務の効率化を目指しましょう。現状の業務を見直して、無駄な業務がないかを確認します。また、業務に優先順位をつけることで、不要な業務が見えてくる可能性があります。

急な欠勤などに対応するために、業務マニュアルを作成することも効果的です。特に定型的な業務をいかに迅速にこなせるようになるか、検討してみましょう。

 

ITツールの活用

業務効率を向上させる際は、ITツールを導入してみてください。人間による作業効率の向上には限界があるほか、ヒューマンエラーの発生など、トラブルの発生を未然に防ぐ効果も見込めます。

ITツールには、定型業務を自動化するRPAツール、社内外のコミュニケーションを円滑にするチャットツール、業務の進捗管理に役立つタスクツール、場所を問わず会議や商談ができるオンライン会議ツールなどがあります。

また、印刷や管理の負担を少なくできるペーパーレス化ツールなどもあげられるでしょう。どれも魅力的であり、全てを導入したいと考えますが、自社の業務課題に応じて導入範囲を決めることが大事です。

ただ闇雲にツールを導入すれば良いわけではなく、課題に合わせて合致するツールを活用する必要があるからです。

 

適切な勤怠管理

時間外労働を増やさないための対策として、適切な勤怠管理が必要です。勤怠管理を正しく行うには、勤怠管理システムを活用してみてください。各自が出勤や退勤をした際に、打刻処理をすると、各従業員の労働時間の累積が簡単に確認できます。

また具体的な施策として、ノー残業デーの設定や、残業がある場合には申告制にすると、より適切な労働時間になるでしょう。

 

 

中小企業の働き方改革事例5選

中小企業が働き方改革に取り組む際は、さまざまな事例から学ぶことも大切です。事例に触れることで、具体的なイメージがわいてくるかもしれません。以下で5つの事例をご紹介します。

 

運送業の事例

運輸業の事例では、ヤマトホールディングスをご紹介します。同社は最大の財産を社員(人材)と明言しており、従業員が満足できる職場環境の構築に注力しています。具体的には、労働時間や給与体系を従業員自ら選択できる取り組みを実施しています。

また徹底的なオペレーションの効率化によって、業務の無駄を省き、働きやすさの基盤を構築しました。宅配ロッカーの設置などは、同社の業務効率化を目指した取り組みです。

参考:業務効率化ガイド

 

不動産業の事例

不動産業界の事例では、上総屋不動産株式会社を取り上げます。同社は月間の電話問い合わせ対応が1,500件以上ほどあり、従業員の取次ミスが相次いでいました。これは、同社への問い合わせ内容が幅広いことが要因です。

そこで顧客対応の管理システムを導入して、1日当たりの着信数や時間帯、対応内容をデータ化して分類することに着手しました。結果として適切に対応できる体制づくりに成功し、業務オペレーションのミスが減っています。

また、従業員のストレス軽減にも効果があったとのことです。

参考:働き方改革ラボ

 

自治体の事例

自治体においても働き方改革に着手した事例があります。兵庫県神戸市は、全国に先駆けて職員の副業を解禁しました。公務員の副業は、本業に影響が出るとの懸念から禁止されていました。

神戸市は2017年4月に職員の副業を解禁して、本業にも活かせる経験やスキルの形成を期待しました。多様な働き方を実現できるとして、自治体の取り組みの参考になる例でしょう。

参考:業務効率化ガイド

 

介護福祉業の事例

介護福祉事業では、有限会社COCO-LOの事例が参考になるでしょう。同社は各従業員のスケジュール管理を重点的に行いました。結果として、従業員1人当たりの平均残業時間を月間0.9時間に削減しています。

年次有給休暇の取得も8割ほどになり、ワークライフバランスが実現できる職場環境にしています。ほかにも、短時間(4.5時間〜)勤務が可能な準社員制度、キャリアアップ支援、パパ産休など、多様な働き方に積極的な取り組みが見られます。

参考:BOWGL

 

教育業の事例

教育業界で活動する有限会社ジェムは、柔軟な働き方を実現するために、従業員それぞれが生活の中でどのくらいの時間を仕事に使うかを各自で決めるシステムを採用しました。

また上司や部下などの垣根を越えて、情報共有を全員で行うホラクラシー組織、国籍や人種、性別などに関係なく経営を行うダイバーシティ経営、クラウド化などの徹底したIT化に取り組んで、働きやすい環境を構築しています。

参考:classwork

 

まとめ

働き方改革への取り組みは大企業から先んじて適用されましたが、中小企業においても対応が必要です。本記事では、中小企業が取り組むべき働き方改革の内容や、ポイントをご紹介しました。

中小企業においてITツールの導入は不可欠なものです。なかでもRPAツールならば、日々の定型業務の自動化ができて、作業効率を大幅に向上させられるため中小企業でも必須の業務効率化ツールとして導入が進んでいます。

RPAツールの「ロボパッドDX」は、プログラミングスキルがない場合であっても作業の自動化が実現できるツールです。

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この記事を書いたコンサルタント

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