課題解決に向けたDX推進のステップ
DXの推進にはさまざまな課題が立ちはだかることがおわかりいただけたかと思います。
しかしこのような状況下でも、DXを推進していくことは可能です。目指すべきは、エンジニアに依存しない「日本型DX」という形です。
目指すべき『日本型DX』
日本型DXとは、
- エンジニアに依存しないITシステムを活用すること
- 「システムアプローチ」ではなく、「現場アプローチ」で考えること
によって、業務プロセスの変革を企業文化として定着させる取り組みです。
日本型DXでは、従来の日本企業にありがちな煩雑化した大規模なシステムは使用しません。クラウドベースの汎用システムやノーコード/ローコードで開発したITシステムを活用することでDXを推進します。よって、非エンジニアでも適切なIT運用を継続することが可能です。
一方、従来の業務改善においてはシステムによる業務代替や業務プロセス自体をシステムに合わせるアプローチがとられるケースが多かったと思います。しかし、日本型DXでは、ITソリューションを活用して業務プロセスそのものを変革していく現場アプローチで進める点が特徴です。
DX推進における優先順位
日本型DXを推進する場合には、以下のステップで進めるようにしましょう。
- ステップ1:ガイドラインの策定
- ステップ2:DX専門部署やプロジェクトの立ち上げ
- ステップ3:ガイドラインに沿ったロードマップや具体目標・KPI・人材育成計画などの策定
- ステップ4:DXの推進計画・方法を全社に共有
以上のステップを踏み、実際にDX推進プロジェクトは動きはじめたら、現場スタッフと連携しながら
- ITソリューションに任せる業務
- 人に任せる業務
の適切な棲み分けを行い、業務設計を最適化しましょう。
そのうえでRPAといったエンジニアに依存しないITツールを活用して、現場アプローチによるDX化を、一部の業務に絞ってスモールスタートではじめることが得策です。
一部の業務や部署でDX推進に一定の効果が現れはじめたら、少しずつ別の部署や業務へ広げていきましょう。
DX推進戦略を掲げ、経営層の本気を示そう
DXの推進ステップの中で重要なのが、経営トップが自らDXのビジョンを掲げることです。
DXに失敗してしまう要因のひとつとして多くの企業で散見されるのが、経営陣から担当者へ丸投げしてしまうケースです。この場合、社内の一部でDXへの取り組みが活発化するものの、全社的に波及しないことが多くあります。
DXを成功させるために大切なのは、経営陣のDXに対する本気度です。まずは経営トップが自ら経営課題を洗い出し、DXで実現したい目的を明確化しなくてはなりません。
そこで、前述のDX推進ガイドラインの中に、以下のような項目も盛り込みましょう。
- 経営トップのビジョン
- DX推進で実現したい目標
- 経営戦略におけるDX推進のプライオリティ
- ITツール導入・システム開発などの検討体制
- 事業部間の推進体制
- 評価、ガバナンスの仕組み
これらを通じて経営層がリーダーシップを発揮することで、DXを社内の小さな取り組みではなく、全社的に関わりのある経営戦略として位置づけ、より良いDXが実現できるよう、関係者の団結を促しましょう。
実際にDXの推進に成功した事例
最後に、DX推進に成功した企業の事例をご紹介しますので、参考にしてみてください。
【三井住友トラストクラブ株式会社】年間で24.000時間の工数削減
「ダイナースクラブカード」、「TRUST CLUBカード(Visa/Mastercard)」などのカード事業を展開する、三井住友信託銀行グループの三井住友トラストクラブ株式会社。同社は各部署の自立的なRPA活用と業務変革を行なったことで、わずか1年足らずで年間換算24.000時間もの工数削減を実現しました。
近年法規制が厳しくなったカード業界では、事務作業の精度向上が大きな課題となっています。そのため、「ミスをしてはいけない」というスタッフへのプレッシャーは相当なものでした。また問い合わせ対応などの定型作業も非常に多く、現場スタッフの負担はかなりのものだったそうです。
そこで同社では、エンジニアに依存しないITシステムを活用するため「RPA(定型業務をソフトウェアロボットで自動化できるツール)」を導入しました。中でも非エンジニアが扱いやすい「ロボパットDX」を選択したことが、成功の秘訣だったそうです。
さらに、同社ではロボットづくりを「課外活動」としてRPAを社内に浸透するプロジェクトも推進しました。こうした取り組みによって、社内にRPA開発のノウハウが蓄積され、現場アプローチでDXを推進することが可能になったのです。
導入から一年未満で年間換算24000時間の業務を削減!現場がいきいきするRPAの全社導入プロセスとは?|三井住友トラストクラブ株式会社
【三和ホールディングス株式会社】デジタル人材の育成で全社的DXを推進
不動産事業や総合通販事業の企業を取りまとめている三和ホールディングス株式会社では、RPAのロボ開発を「課外活動」として推進することで、RPAを社内に定着させることに成功しました。これにより、同社のスタッフが「作業をする人」から「考えられる人」へと成長したことにより、現場アプローチによる日本型DXが推進可能な環境を実現したのです。
同社は過去にもRPAを導入した経験があったのですが、システムアプローチになったことで、現場のスタッフにRPAが浸透しなかったという課題が浮き彫りになりました。そこで、非エンジニアでも使えるロボパットDXを採用し、その定着手段として「ロボパット部」を発足したのです。
月1回の部活を発足し、ロボットづくりを現場スタッフに推進した結果、RPAのスピーディな定着につながりました。またロボパットDXの導入事例を発表するコンテストも開催し、RPAの社内認知度が上がり入部希望者が増えたそうです。
その結果、現場スタッフ間でRPAのノウハウが共有され、「自分で考えて仕事をつくり出せる人」への意識改革が社内の至るところで発生するようになりました。
『ロボパット部』の発足が、現場に定着するターニングポイント 課外活動にすることで、仲間を作って心理的ハードルを下げる|三和ホールディングス株式会社
まとめ
今回はDX(デジタルトランスフォーメーション)について解説しながら、推進課題と企業が打つべき対策について解説しました。
デジタル人材が少ない日本企業においては、日本型DXを目指すことで社内のDX推進を行うのが得策でしょう。DXを実現し生産性を上げることで、御社の業績向上につながれば幸いです。
なお日本型DXを推進するためのおすすめITソリューションとして、「ロボパットDX」をおすすめします。ロボパットDXは非エンジニアでも利用できるRPAツールなので、現場アプローチの日本型DXを推進するためには最適です。
ロボパットDXの詳細は、こちら(http://fce-pat.co.jp/)からご確認ください。