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DX 2020.06.08

デジタルトランスフォーメーション(DX)推進課題と企業が打つべき対策とは

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昨今、ビジネスの現場で、デジタルトランスフォーメーション(DX)が注目を集めています。AIやIoT、RPAなどのデジタル技術の実用化により、業務の効率化や生産性の向上、新たな価値の向上への期待が高まっているのです。そのため、本格的にDXに取り組もうとする企業も多いでしょう。
今回は、デジタルトランスフォーメーションについて解説しながら、推進課題と企業が打つべき対策についてまとめます。

【目次】

デジタルトランスフォーメーション(DX)の考え方

「デジタルトランスフォーメーション」という言葉を初めて聞いた方もいるでしょう。
ここでは、デジタルトランスフォーメーションの基礎知識を解説します。

デジタルトランスフォーメーションとは

「デジタルトランスフォーメーション」は「Digital Transformation」と綴り、略して「DX」と表記します。スウェーデン・ウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が、その概念を提唱し、「ITテクノロジーが、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」というものです。

2004年に生まれたDXは、2018年12月に経済産業省がまとめたガイドラインで日本国内に広がりました。「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)」において、DXは以下のように定義されます。 

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」

経済産業省|デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)

なぜデジタルトランスフォーメーションが推進されるのか

ITシステムの老朽化や保守・運用コストの増大など、既存のシステムに課題感を持つ企業は少なくありません。主に3つの背景からDXが推進されるようになりました。

レガシーシステムの延長では企業の成長に限界がある

長年、使い慣れていたとしても、オンプレミスのシステムには大きなコストがかかります。運用・保守などのメンテナンスはもちろん、機能拡張には更なるコストが必要となるのです。
一方でIoTを始めとするデジタル技術やクラウドシステムなど、IT環境を取り巻く変化は急速に進んでいます。そのため、コストを抑えたシステム構築も可能になりました。そのため、ランニングコスト、情報環境の面から従来のシステムに変革を起こさなければ、企業の成長は難しいでしょう。

消費者の消費活動が変化している

消費者の行動は「モノ」から「コト」へ、「所有」から「共有」へとシフトしています。例えば、DVD(モノ)を購入しなくても、動画配信(コト)で動画を観ることができます。動車を所有しなくても、カーシェアリング(共有)により車を利用できます。提供するサービスをシフトするには、自社のビジネスモデルも変える必要が生じるケースがあります。その際にはシステムの修正も欠かせません。

デジタル化による変革に対し、DXは有効な対抗手段である

多くの業界でデジタル化による変革が起きています。一般の運転手をデータとして集約し、1つのサービスにまとめ上げたライドシェアサービス、一般家庭の空き部屋をデータで集約して旅行者に提供する宿泊サービスは良く知られるところです。前者はタクシー業界に、後者はホテル業界に変革をもたらしました。

アナログ的なサービスがデジタル技術で破壊、再構築されることを「デジタルディスラプション」と言います。その点、DXにはデジタルディスラプションが含まれているといって良いでしょう。一旦ビジネスが再構築された環境で競争するには、既存ビジネスを破壊し変革するDXが非常に有効な手段です。

 このように、企業は既存のビジネスから脱却し、新しいデジタル技術を活用することで、新たな価値を生み出すことを求められています。

デジタルトランスフォーメーション(DX)での大きな課題

ここでは、デジタルトランスフォーメーションを行う際の4つの課題を整理します。

前向きなIT投資が少ない

日本では、前向きなIT投資を行う企業が少ないといわれています。IT関連費用の内、8割が現行ビジネスの維持・運営に充てられているのです。

2017年9月に電子情報技術産業協会が実施した「国内の民間企業における IT に対する意識調査」によれば、「IT予算が増える理由・用途」を日米で比較すると、日本は業務効率化・コスト削減であるに対し、アメリカはITによる製品・サービスの開発の回答が最も多く、日本は「守りのIT投資」を行う傾向が強く、アメリカは「攻めのIT投資」を行う傾向が分かりました。

このままでは、ビジネスの変革に新たなコストや人材を割り当てること、ひいては最新のテクノロジーを駆使した競争力を獲得することは困難です。

システムが複雑化しすぎる

社内システムが複雑化しすぎてしまい、DXしようにもデータ活用・連携ができないケースがあります。加えて、部門ごとに個別最適化したシステムを利用してきた場合は、さらに全体システムの最適化が困難となります。そのため、DXする際には業務プロセスの見直しや新たなシステムへの移行が求められます。

老朽化したシステムはDX推進の障壁となりますが、それ自体が複雑化したシステムとはいい切れません。自分たちで修正困難な、ブラックボックス化したシステム、すなわちレガシーシステムこそが問題です。

例えば、システム障害が発生した場合、システムの中身が分からなければ迅速な対応ができません。社内にある他のシステムと連携していれば、業務の生産性がさらに低下し、対社外的にも対応が遅れるなどリスクを伴います。

また、レガシーシステムを運用し続ける限り、複雑化したシステムの対応・運用にコストを投入しなければなりません。ここに新しい技術を採用すれば、カスタマイズないしはアドオンが積み重なり、より複雑なシステムとなります。また、短期的なシステム開発・改修を繰り返した結果、保守・運用コストが長期的に高騰する事態を招いているケースもあるでしょう。これでは、戦略的なIT投資にコスト・人材を投入することができません。

IT人材の確保と教育

前向きなIT投資の少なさと、複雑化しすぎたシステムを解消するカギは、IT人材の確保・教育にあり、IT人材の需要が高まっています。しかし、生産年齢人口の減少からエンジニア人口の減少が見込まれており、現時点の予想では2030年にはエンジニア人口が78.9万人も不足する恐れがあるとされています。

また、日本におけるIT人材の7割がITベンダーに所属しています。日本では今まで、企業はITベンダーにIT周りの業務を丸投げしてきました。このため企業には、DX推進に必要なIT人材が不足しているのが実情です。今後はデジタルテクノロジーの知見やノウハウはもちろん、IT人材の確保が急務の課題となるでしょう。

さらに、IT人材の能力を活かす環境も整えましょう。今後、老朽化したシステムを熟知した人材が退職すれば、必然的にブラックボックス化してしまいます。最先端技術に明るい人材が旧態依然のシステムに振り回されては、能力を活かすことができません。

既存システムとの連携

そもそもデジタルテクノロジーやビジネスに親和性のない企業もあります。既存のシステムがビジネスプロセスと密につながっていればいるほど、現場サイドから抵抗されることもあるでしょう。

ただし、新たな技術を採り入れなければ、先進的な競合企業に後れをとります。社内における業務プロセスを最適化し、対外的にビジネスで新たな価値を生むためにも既存システムとの連携を図らなければなりません。DXを実施する際は、現場サイドにも理解してもらえるように丁寧に説明することを心掛けましょう。

企業はどんな対応をするべき?

DXを行う際の課題が明らかになったところで、企業は具体的にどのような対応をすれば良いのでしょうか。ここでは、3つの対応策をご紹介します。

ビジネス戦略から立て直す

DXを実現するには、デジタル技術を活用することで、ビジネスをどのように変革していくかを定める必要があります。「ITで何かできないだろうか」などという不明瞭なビジョンではビジネス戦略はままなりません。

特に、既存のシステム・既存の技術を前提に開発を行ってきた企業にとって、DXの優先順位を見極めることも重要です。ビジネス戦略を見直し刷新すべきシステムを把握、具体的な戦略を提示することで、DXの実現に近づきます。

クラウド化・モバイル化を実施

まずは情報環境面・コスト面からもクラウド化を実施することです。

DXの実現には、膨大なデータが必要です。老朽化したシステム、特にオンプレミス型システムによるデータ収集では限界があります。しかし、システム基盤をクラウドサービスにシフトすれば、柔軟性・拡張性の高いシステムとして、大規模な開発環境の構築も容易に行えるうえに、初期投資はもちろんランニングコストも抑えることができます。

そして、クラウド化とあわせて、モバイル化も実施しましょう。従来のITシステムはPC利用を前提に構築されてきました。しかし、昨今のモバイル機器はPCに匹敵する進化を遂げており、モバイルでシステムを利用するケースも増えています。

RPA・AI等の技術を取り入れる

社内の生産性を向上させるシステムとして「RPA」があります。RPAは、「Robotic Process Automation」の略語であり、ホワイトカラーの業務を自動化し、生産性向上を果たすことができるシステムです。

RPAの強みは、スピードと正確性です。ルールが決まった単純業務を自動化することに向いています。RPAで削減できたマンパワーを他の領域に充てることで、生産性の向上と経営の改善を図ることができます。

また、ビジネス資源の1つにデータがあります。膨大なデータを収集し、統合・分析することで、業務に反映させることができます。集めたデータから価値を見出す、つまり大量のデータを分析するには「AI」技術を取り入れるのがおすすめです。データの収集・分析をマンパワーで行うには限界がありますが、企業がAIを活用し、AIが学習することで、ビジネスモデルへの応用範囲を広げることができます。

RPAやAIを活用することで、社内の業務効率化からサービス・ビジネスモデルの変革を実現し、競争力の優位性を確立できます。

ただし、RPAとAIは全くの別物であり、「AIで判断し、RPAで実行する」ということは現状ではできません。AIはまだまだ中小企業が実務的に使用するのは現実的ではないかもしれません。

とはいえ、高速・低遅延・多接続を叶える通信技術の5Gが、クラウド・モバイル・AIなどの技術性能を向上させる可能性があります。老朽化・複雑化したシステムやレガシーシステムでは、成し得ない改革ですので、早めにDXに対応しておくべきでしょう。

まずはスモールスタートが重要

DXにおける大きな課題と、企業が取るべき対応から、DXの実現は決して容易なことではないということがお分かりいただけたかと思います。

DXの実現に向け、業務のすべてにITシステムを導入するのは、正解だとはいえません。そこで、DX推進の第一歩としては、「ITツールに任せる業務」「マンパワーに任せる業務」を適切に判断するスモールスタートを切りましょう。ここで、日本国内の企業が実現したいDXを2つご紹介します。

エンジニアに依存しないITツールを活用する
・ITの活用で業務プロセスを変革する「現場アプローチ」で考える

重要なことは、IT人材・システム部門頼みの「ITシステムのリプレイス」とは異なるという点です。まず、クラウドサービスを始めとする汎用型システムや、コーディングの知識を問わないITツールを活用してみましょう。エンジニア不足になっても、自社にとって最適なIT運用を継続できます。

また、誰もが運用できるITツールは、日々の生産性向上も期待できます。例えば、業務部門自らRPAを構築できれば、業務フローを可視化できるため、システム部門に依頼せずとも作業の効率化を見込めます。社内で迅速な対応が実施できることは、迅速な顧客対応にもつながるため顧客満足度も向上するでしょう。

さらに、システムで業務を代替する、システムに業務プロセスを合わせることは終わりにしましょう。ITを活用して、業務プロセス自体を変革するのです。現場アプローチで考えるためにも、ITシステムやITツールに任せる業務と、マンパワーに任せる業務とを適切に判断します。

まとめ

経済産業省がまとめた「2025年の崖レポート」により、単なる概念から取り組むべき課題となったデジタルトランスフォーメーション。今回は、DX推進に向けて解消すべき課題と、企業が取るべき対応を中心にまとめました。企業におけるIT投資の重要性は語られながらも、日本は守りの投資を行う傾向が強く、老朽化ないし複雑化したシステムが残っている、既存システムのランニングコストに比重が置かれている、などの複数の課題が存在します。

2025年は目前に迫っています。しかし、付け焼き刃的なシステムリプレイスは、より状況を悪化させるでしょう。そこで大切なのはスモールスタートです。将来的にエンジニア不足を迎えても、IT運用を継続できるよう、現場視点の業務見直し、業務プロセスの変革に取り組んでみましょう。

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