※この記事は【RPAロボパットお役立ち通信(メールマガジン)】のアーカイブです。※
定年退職後の心配
A社は医療機器を製造・販売している会社です。
Bさんはある工場で製品の製造計画全般を担当する生産管理のチームで働いています。
初めてお会いした当時、あと1年半ほどで定年退職となると話されていました。
同じチームのCさんとともに展示会でITツールを探していて、RPAが自分の心配事を解決してくれるのではないか、と思っての相談でした。
Bさんは、「自分が行っている管理会計の業務を退職後もできるようにしたい」と話され、同僚のCさんからも「Bさんの業務を引き継げる人がスキル面でもチームにはいないですし、Bさんの後任の方も引き継げないと思います」とのことでした。
背景を聞いてみると、もともとこの工場では管理会計を導入しておらず、企画部門から異動してきたBさんが管理会計を工場に導入して活用するようになったそうです。
製品別の原価管理などで収益改善に貢献したことで会社からも大きく評価されているため、工場としてもBさん退職後も継続したい、Bさん特有のスキルで行っていたのでチームで引き継げる人もいないから何とかしたいと思っているというものでした。
定年退職までタイムリミットがあるので、すぐにロボパットでの業務自動化を決断いただきました。
※「管理会計」という用語が出てきていますが、用語として身近でない方は「属人化してしまっている業務」と置き換えていただければと思います。
属人化していた経験の継承
管理会計のロボ作成にはBさんだけでなくCさんも参加しました。
Bさん退職後はCさんがロボのメンテナンス等を行うことにしたためです。
Bさんの行っていた業務を一つずつ自動化していきました。
こちらのお客様の素晴らしい点として、ロボの作成支援の勉強会の場面を紹介します。
Bさんはただ自分の業務の自動化することだけでなく、
「この数値は何のために算出しているのか」
「算出した数値をどのように収益改善の分析に使っているのか」
といった業務の目的や管理会計の考え方についてもCさんに伝えようしていました。
そんなBさんと、そのアドバイスをしっかり吸収しようと、Cさんは今まで「自分にはできない」と言っていた管理会計について、Bさんに教えてもらいながらの勉強するようになり、Bさんの業務をロボと共に引継ぎができる状態になってきているそうです。
おわりに
Bさんは来月3月末で定年退職されます。
再雇用されるそうなのでA社での仕事は続きますが現在の部署では無くなるため、あと数か月となった今、Bさんに状況をお聞きしました。
「最初はロボに業務を引き継げればいい。と考えていましたが、ロボ作成を進めていくにつれて、管理会計の業務は勘定科目を追加したりするから、同じやり方が続くものではない。環境に応じて対応できるように管理会計を理解できる人がメンテナンスできた方が良い、と思うようになりました」
「一緒にロボ作成を手伝ってくれたCさんがロボ作成だけでなく、管理会計の業務そのものを理解してくれるようになっているので、今後より良い管理会計をしてくれるのではないかと、とても頼もしく思っています」
とのことでした。
Bさんやチームの安心が得られただけでなく、
Cさん自身も「1年前には考えてもいなかった管理会計に関する知識や業務を経験することで、自身のスキルアップにも繋がっている」というとてもポジティブなお話しをされていたことも印象的でした。
今後もA社は引き継がれていく管理会計ロボと共に、大きく成長していくと確信しています!