※この記事は【RPAロボパットお役立ち通信(メールマガジン)】のアーカイブです。※
注意喚起でミスはなくならない
弊社には、営業メンバーが担当企業の情報を、共有されたファイルに入力するという
作業があります。この情報をもとにバックオフィスのメンバーがその後の業務を行うのですが、営業メンバーが入力間違いをするということが問題になっていました。
入力間違いの例としては、必ず入力する必要がある項目が空欄になっていたり、指定している形式の入力になっていなかったり…
(例えば、電話番号のハイフンの有無が統一されていない、などです)
これまでも全体へのメールや全体ミーティングの場で伝えてきたのですが、それでも一向にミスがなくならない…。
誤った入力を見つけるたびに、入力者に確認を取るというタスクが発生し、
この時間をなくすための改善が必要になりました。
「ミスする」ことを前提に仕組みで対応
「私も間違えたこともあるし、人間なんだから間違ってしまうこともあるよね…」
改善方針を決めるミーティングで、あるメンバーがつぶやいたこの一言が改善の突破口になりました。
そうなんです。
間違った入力を指摘する立場にあるメンバーでさえ、間違ってしまうことがあったのです。
そこで気づいたのは、「もはや、『注意』のような意識に対するアプローチでは解決しない」ということです。
そう思い至ってからは「どうやって他人の行動を改めさせるか」ではなくて、「逆に、どうすれば絶対に間違えられないようにできるのだろう」という発想から、最終的に営業に直接ファイルに入力してもらうのではなく、入力フォームを使って入力してもらい、その内容をファイルに転記するという方法になりました。
ツールにもよりますが、多くの入力フォームでは、「空欄をNGにする」や「特定の文字数のみ入力可能にする」、「仮名や数字など文字の種類を制限する」という機能があるので、間違っている状態の入力をできなくすることが可能です。
この改善によって、入力間違いに対する確認工数を減らすことができ、
何よりメンバーのストレスを減らすことができました。
大切なのは「仕組みで解決する」こと
今回お伝えしたいことは「入力フォームが便利」という話ではありません。
なぜ、これまで解決できなかった問題を解決することができたのか。
入力の間違いに対して、注意喚起などの意識に対して働きかけるのではなく
「仕組み」を変えて、そもそも間違えることをできなくした、ということが成功要因だと考えています。
意識に働きかけるアプローチは「意識していれば正しく」「毎回、意識して対応ができる」
という前提での手段ですが、今回私たちは「人はミスをする」という前提に立てたことで
仕組みによる改善に絞って対策を打つことができました。
注意喚起することに疲れてしまった、という方は、同じ発想で「人はミスする」前提で対策できないのか、ということをぜひ考えてみてください!