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DX 2020.08.20

デジタルトランスフォーメーション(DX)国内外の事例7選を解説

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近年、さまざまな業界でデジタル化が急速に進んでいます。新たなビジネスモデルや製品が生まれるなどの競争が激しい中で、企業が勝ち残っていくためにはデジタルトランスフォーメンション(DX)を進めていくことが重要です。しかし、DXを進めていくための具体的な取り組み方について、把握していない企業が多いのが現状です。
そこで今回の記事では、DXを実現し成果を上げている企業の事例を挙げて紹介します。

【目次】

デジタルトランスフォーメーション(DX)とは?

DXとは、IT技術の進化に伴って新たなビジネスモデルを見出し、社会そのものを変革させるための施策の総称です。最初にDXを提唱した人物はスウェーデンのエリック・ストルターマン教授で、IT業界を中心に浸透していきました。教授が唱えたDXの概念では、「進化したデジタル技術を人々へ浸透させることで生活を豊かに変革させること」と唱えられています。

ただし、ビジネスシーンにおいてのDXの概念は少し異なります。市場が著しく変化していくビジネス環境の中で、変化に対応するためにはデジタル技術を活用したビジネスモデルの変革が必要です。そのため、業務や組織、企業風土といった競争での優位性を確立し、収益を生む仕組みを作り出すことがビジネスにおけるDXの概念です。

DXには、「デジタイゼーション」と「デジタライゼーション」という2つの仕組みがあります。2つとも直訳するとデジタル化を意味していますが、デジタル技術によるビジネスや変革の観点では意味が異なります。

まず、デジタイゼーションは、デジタルツールを導入して部分的にデジタル化を図り業務を効率化させる仕組みです。一方、デジタライゼーションは、自社や外部環境・戦略面などプロセス全体をデジタル化し、新たなビジネスモデルを創造する仕組みです。

双方の仕組みを効果的に取り入れることで、社会的影響を及ぼすビジネスモデルを生み出すことがDXになります。

DXを推進する意義

日本企業がDXを推進させようとしている理由には、3つの背景があります。

1つ目は、デジタル化によるビジネス環境の変化です。

近年、デジタル技術が進化したことで、日々新たな製品やサービスを提供する新規参入企業が増え続けています。競争が激しさを増す市場において勝ち残り続けるためには、DXで改善や強化を図ることが重要です。しかし、企業全体のシステムの変革が可能な企業は先進的企業の一部で、ほとんどの企業は遅れを取り、新しい企業との競争に敗れていくケースが多いのが現状です。

2つ目は、消費行動の変化です。

消費者の行動は商品そのものよりも、購入することで得られる体験を重視するようになりました。また、最近では、カーシェアリングやシェアサイクルといった、複数人で場所やものを共有する新たな価値観と消費の形が登場しています。

そのため、企業が収益を向上させるためには、消費者に体験や価値を与える新たなビジネスモデルを提供しなければなりません。しかし、システム変革によって組織や業務全体の変革を行わなければ、新たなビジネスモデルを生み出すことは困難です。

3つ目は、既存システムのブラックボックス化です。

経済産業省の調査によると、2018年時点で多くの企業で使用されているシステムが「ブラックボックス化」していることが分かっています。ブラックボックス化とは、システムを構築した人材がいなくなったり、カスタマイズを繰り返したりするうちに、プログラムが複雑化してシステム全体を把握できなくなることです。

ブラックボックス化したシステムでは、DXそのものができなくなってしまいます。DXが進まないと2025年以降、年間で最大12兆円の企業損失を招くとともに、IT人材の引退や各種サポートが終了するリスクが高まるといわれています。DXを行うためには、システムを一新させることが日本企業にとっての最重要課題なのです。

DXの実践事例5選を紹介

DXは企業でどのように実施されているのでしょうか。ここからは、DXの活用事例を5つご紹介します。

データダウンロード作業を自動化/ITソリューション企業事例

ITソリューション企業のA社では、顧客発注データをCSV方式でダウンロードしてシステムに連携させる業務を手作業で行っていました。ただ、複数のデータをダウンロードする必要があるため作業担当者の負担が大きく、業務時間が年間384時間もとられていました。

そこで同社では、問題を解決するためにソフトウェアロボットであるRPAを導入し、作業担当者の負担と作業時間の削減に取り掛かります。

結果、作業工程の大半をRPAに自動化させることで、作業時間を大幅に削減することに成功。また、担当者の浮いた時間は業務改善に関わる業務に充てられるようになり、さらなる業務の効率化を実現しています。

受付業務の効率化を実現/美容外科医院事例

美容外科医院のB社では、今まで売上管理や顧客管理にオンプレミス型のシステムとExcelを併用していました。しかし、患者の問診表の記入ミスによる顧客データの精度の低さや、患者の増加によりデータ入力作業の負荷が増えるという課題が生じました。また、複数拠点の情報はFAXを使って共有していましたが、情報の重複やセキュリティ面に不安がありました。

そこで、B社では顧客情報の共有と管理の効率化を図るためにクラウドCRMを導入し、タブレットから患者に個人情報を入力してもらう方法を採用します。クラウドCRMの導入により、売上情報を入力して拠点間で安全に情報を共有できるシステム体制を敷くことができました。

結果、受付担当者は余裕を持って本来の業務を遂行できています。さらに、患者や売上情報をダッシュボードによって一目で確認できるようになったことで、資料作成に2時間かかっていたのが、今では30分で完成することができています。

スマホでのCtoCを確立/CtoCアプリ事例

CtoCは電子商取引の種類の1つで、一般消費者同士が商取引をすることです。一般的なCtoCの取引手段はネットオークションです。しかし、今まではパソコンからアクセスするネットオークションが主流で、出品者と購入者は実名で取引を行わなければならず、取引のハードルが高いと感じるユーザーが多くいました。

そこで、C社はパソコンからだけではなく、スマホからでも利用できるようにスマホ専用アプリを開発することで、新たなビジネスモデルを確立。ユーザーが簡単にネットオークションを利用できる環境を提供しています。

また、匿名発送システムによって実名を明かさずに取引ができるようにしたことで、取引に対するハードルを下げることができました。

紙のデータ化にAI-OCRを活用/物流企業事例

物流企業のD社では、紙媒体のデジタルデータ化をすべて手作業で行ってきました。繁忙期になると、入力作業が普段の3倍近くになり、20名ほどのスタッフが30万枚にもおよぶ紙媒体のデジタルデータ化をしなければなりませんでした。また、手作業なので入力漏れや重複入力などが発生し、データの精度にも課題がありました。

そこで、RPAとAI-OCRを組み合わせて導入し、情報処理精度と業務時間の効率化を図ります。AI-OCRとは光学文字認識機能のことで、スキャナやデジタルカメラなどを活用して文字を読み取り、コンピュータで利用できるコードに変換する技術です。D社では、紙媒体の資料をAI-OCRで読み込み、RPAによって専用のシステムへ自動で転記するフローを確立しました。

その結果、8時間かかっていたデータ化の作業を1時間弱にまで削減することに成功。従業員の余った時間を外部業務に充てて業務の効率化を実現させました。

お客様の声を見える化/金融機関事例

金融機関のE社は、顧客対応を効率化させるために、顧客の意見を反映して改善する取組みを行いたいと考えていました。しかし、年間およそ35,000件を超える意見のすべてに目を通すことは困難であり、意見を内容ごとに振り分ける作業は多くの人件費と工数がかかります。

そこで、テキスト含意認識技術を活用し、内容ごとに顧客の意見を自動で振り分ける仕組みを構築しました。この仕組みにより、高精度な認識技術から顧客の意見の優先順位を把握し、迅速に対応することが可能となりました。

その結果、仕分けを手作業で行っていた時と比べて、改善の取組みを行うサイクルを早く回せるようになっています。

中小企業が考えるべき本質的なDXとは?

DXは、大手企業に限らず規模の小さい中小企業からも注目されています。ただし、中小企業のDXは大手企業とは目指すべき内容が異なります。以下では、中小企業の本質的なDXについて2つ紹介します。

エンジニアに依存しないIT活用

近年は、生産年齢人口の減少が深刻化しており、その中でもエンジニア人口の減少が問題視されています。現在はIT技術を持つ人材の7割が、企業に必要な情報技術に関連するサービスを提供する企業に属しています。そのため、多くの企業がIT業務をベンダーに丸投げしている現状で、企業がDXを推進させるためにはIT人材の確保から始めなければなりません。

IT人材不足の中で注目されているのがITツールです。代表的なツールの1つであるRPAツールは、社内のパソコン業務を自動化するソフトウェアです。RPAはパソコンで行う繰り返し作業を代行し、作業時間の短縮を可能にしてくれます。RPAは専門的な知識がなくても導入できることから、近年注目されているツールです。

ただし、ITツールの中には、操作性が複雑で知識やノウハウがないと利用できないものもあります。そのため、従業員の誰もが活用できるように直観的に利用できる操作性と、分かりやすいインターフェイスであるツールを選ぶことをおすすめします。

誰もが活用できるツールを選ぶことで、エンジニアに依存することなくDXを推進できます。

現場目線のツール・システム

DXの推進は、高価で機能が優れたツールを導入すれば成功するわけではありません。ツールを導入したとしても、実際に利用する現場に合ったツールでなければ活用が進まず、DXを図ることはできません。

ITツールを導入する前に現場の現状を確認し、現場目線で導入目的を設定して適したツールを選びましょう。残業時間の削減やスキル向上といった導入目的を設定することで、必要な機能の選定やツールに任せる業務の明確化など、現場側が自発的にツールを活用する土壌を作ることができます。

RPAを通じたDX成功事例

DXの施策のひとつであるRPAを活用して改善に成功した企業は多く存在します。以下では、2つの企業をピックアップして紹介します。

三井住友トラスト

三井住友トラストクラブ株式会社は、ダイナースクラブやTRUST CLUBなど国際的なカードを発行している企業です。2018年から段階的にRPAを導入し、業務の自動化と生産性の向上を全社で取り組んでいます。

RPAを活用している業務はキャッシュバックの登録です。今までは、お金を動かす業務のため担当者の負担が大きく、ミスをしたら大きな問題に繋がるという強いプレッシャーがかかっていました。

そこで、RPAを導入し、1年余りで24,000時間の業務時間の削減を実現。また、担当者はプレッシャーが取り除かれたことで精神的ストレスから開放され、高いモチベーションを維持できています。

三和HD

三和ホールディングス株式会社は、不動産事業・住宅事業・総合通販サービス事業の3つをまとめている企業です。同社でRPAを導入することになったきっかけは、総合通販サービス事業を担っているアイリンクス株式会社がRPAを導入して業務効率化を実現したことを受け、導入を検討したことが始まりです。

導入したRPAには無料トライアルがあり、活用してみると自主的に現場側が活用し始めたため、RPAツールを現場に根付かせることができました。

また、今までは担当者以外が把握していなかった属人的な業務も、チーム全体でどうしたらいいかと考えるようになり、社内が変革していきました。企業や顧客の有益になるアイデアを考える時間を得られたことで、より良いサービスの提供につなげることができています。

中小企業のDXは壮大なものではない

この記事では、DXの事例を中心に紹介しました。中小企業は大手企業とは異なり、予算や人的リソースに限りがあるため壮大なDXを行うことは困難です。また、DXの範囲というのは幅広く、何から改善していくべきか曖昧で把握しづらいものです。

そのため、中小企業で行うDXは目の前にある課題を精査し、一つひとつ着実にクリアしていくことで生産性向上の仕組みを構築するスモールスタートな取組みがおすすめです。現場に生産性を高め続ける文化を醸成していくことができれば、中小企業でもしっかりとDXを推進することができるでしょう。

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