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RPA 2020.09.16

RPAとマクロ・VBAの違いとは?どちらを使うべきか詳細解説

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主にホワイトカラーの業務効率化を実現するツールとして多くの企業にて導入が進んでいるRPA。一方で、業務の効率化はExcelのマクロやVBAだけで賄っているという企業も少なくありません。
RPAとマクロ・VBAはどちらも業務の自動化を行うことで効率を図れるという点では同じですが、自動化できる範囲に違いがあります。ここで重要なポイントは、それぞれの役割をしっかりと把握し、必要に応じて使い分けをすることです。
今回は、RPA、マクロ・VBAの概要や特徴を比較しつつ、それぞれが業務のなかのどのシーンに適しているのかについてお伝えします。

【目次】


RPAとは?

RPA、マクロ・VBA、それぞれの違いを知る前にそれぞれがどういったものなのかについて説明していきます。まずはRPAですが、Robotic Process Automationの頭文字を取った略語で、日本語では「仮想労働者」とも訳されています。主にパソコンでの単純作業を自動化し、業務効率化を実現するものです。

従来、業務の自動化や高度化は、ブルーカラー、いわゆる工場での生産工程のなかで行われるものがほとんどでした。しかし、RPAはホワイトカラーの業務を効率化し生産性を向上させる点において、革新的なツールといわれています。

RPAは基本的に単純な入力作業、計算、管理業務などパソコン上でできるあらゆる業務を自動化しますが、主な例としては次のようなものが挙げられます。

・Excelにまとめられた商品情報の商品管理システム登録

・従業員の出退勤管理、給与計算、経費計算

・地域別、商品別の売上計算、管理

・送られてきたメールに添付されたファイルを自動でファイルに振り分け

さらに、RPAにはさまざまな種類があり、高機能なものになると売上データや景気などから将来の売上予測、多くのデータを整理、分析し経営改善を行えるものもあります。

マクロとは?

次にマクロについて見ていきましょう。

マクロとは、マイクロソフトのOfficeやAdobe製品、Googleのスプレッドシート、ドキュメントなどで利用できる機能ですが、ここでは特にExcelのマクロについて紹介します。

具体的な使いかたは、データを合計して平均を出す、記載された商品情報のなかから一定の条件のものだけを抜き出してグラフを作成するなど、複数の操作を一括で行えるようにするものです。また、1つではなく複数のマクロを設定し、必要に応じて呼び出すことも可能です。

さらにPowerPointやWordなど、Excel以外のマイクロソフト製品と連携させ、Excelで作成したデータをPowerPointに表示させる。Wordで作成した文書から必要な部分だけをExcelに書き出すといった作業も簡単に自動化できます。

ほかにも、競合のWebサイトを巡回して商品情報を抜き出し、Excelで比較表を作成するといったスクレイピングもマクロで実現できます。

VBAとは?

ここまで、RPAとマクロの概要や特徴について見てきました。VBAもこれらと同じようなものかと思われるかもしれません。しかし、VBAはRPAやマクロのようなツール・機能ではなく、マクロを実現させるためのマイクロソフトのプログラム言語(Microsoft Visual Basic)です。

実はここがRPAとマクロが異なる部分です。RPAは種類にもよりますが、基本的にはプログラミング言語の知識がなくとも操作が可能なのに対し、マクロを操作するにはプログラム言語であるVBAを理解する必要があります。

Excelの機能に「マクロの記録」というものがあり、これを使えばVBAを使わずにマクロを実行できる場合もあります。ただし、エラーが出た時の修正はVBAの知識が必要なため、やはりマクロを扱うにはVBAの習得は必須だといえるでしょう。

RPAとマクロの比較

前項までで、RPAとマクロ・VBAのそれぞれの概要、特徴を見てきました。そこで、ここではRPAとマクロの違いについて、より深くお伝えしていきます。

両者の共通点

RPAとマクロの大きな共通点は、パソコン上でできるホワイトカラー業務を自動化できる点です。

一度自動化を行えば、基本的にワンクリックで同じ作業を正確に作業することができ、コスト削減・業務時間短縮につながります。働き手が減少している日本において、RPA・マクロは私達の働き方に大きな影響を与えるでしょう。

2つ目の共通点は、RPAとマクロはマイクロソフト社のOffice製品に関わる業務を自動化できる点です。

さらにRPAはOffice製品だけではなく、WEBアプリケーションやブラウザに対応しているものもあります。(RPAツールによって対応できる範囲は異なる場合があります)RPAはマクロより広い範囲の自動化が行えるといえるでしょう。

次の章からRPAとマクロの比較ポイントを10点まとめました。ぜひ参考にしてください。

対応できる領域の違い

1つ目の比較ポイントは、「対応できる領域の違い」です。マクロはマイクロソフトプログラム言語のため、マイクロソフトが提供するOfficeやEdgeなどのアプリケーション、ブラウザ以外での利用は基本的にできません。

これに対し、RPAは種類にもよりますが、RPAを提供している企業以外の様々なツールの操作が可能です。営業管理、商品管理、顧客管理ツールなどと連携し、商品情報は商品管理システム、顧客情報は顧客管理システムに書き込むといったことも行えます。

マクロもRPAも、自動化できるのは基本的に定型業務のみですが、扱えるアプリケーションの制限がない分、対応できる領域はRPAのほうが広いといえるでしょう。

データの処理速度・処理可能な量

2つ目の比較ポイントは、「データの処理速度、処理可能な量」です。

Excelの処理能力はExcel自体の問題ではなく、Excelを使用するパソコンのスペックによって大きく異なります。

パソコンの処理能力が高ければ、Excelの処理能力も高くなりますが、低ければ、Excelの処理能力も低くなります。当然、処理可能な量も同様です。一度に大量のデータ処理を行う場合、スペックの低いパソコンを使っていると、動作が遅くなったり、フリーズしてしまったりと不具合が起きる可能性があります。

マクロと同様で、RPAの中でもデスクトップ型(パソコンにインストールして使うタイプ)であればExcel同様、処理速度、処理できる量はパソコンのスペックに左右されます。

対策としては、どちらのツールの場合も処理を行うパソコンはできるだけスペックが高く、性能の良いものにするとよいでしょう。

ちなみに、現在国内のRPAはデスクトップ型が主流ですが、ほかにもサーバーにインストールするサーバー型や、クラウドにアクセスして利用するクラウド型があります。これらの場合は、処理を行うパソコンの性能に依存しないというデスクトップ型にはないメリットを持ちますが、一方で別のデメリットも持っています。

RPAの種類の違いについて、詳しくはこちらの記事にもまとめておりますので、ぜひご覧ください。

結局どのRPAがいいの?比較検討ポイントまとめ

導入形態

3つ目の比較ポイントは「導入形態」です。

ここまで見てきたようにマクロはExcelに元からある機能の一つです。そのため、業務自動化を行う目的で新たに何かを導入する必要はありません。Excelさえ搭載されていれば、マクロの使用が可能です。

これに対し、RPAは前項で触れたように導入形態はデスクトップ型、サーバー型、クラウド型の大きく3つに分けられます。どの型を導入するかはRPAを何に使うかによって異なります。大容量のデータを高速処理したい場合は、サーバー型や一部のクラウド型。低コストで少ないデータ量の自動化を果たしたい場合はデスクトップ型、もしくは一部のクラウド型になります。

どの型にするにしろ、新たに導入する形となるため、導入の敷居の低さはマクロに分があるといってよいでしょう。

構築のための知識

4つ目の比較ポイントは「構築のための知識」です。

これまで説明してきたようにマクロを構築するためにはVBAというマイクロソフトのプログラム言語を習得が必須です。ごく基本的なものであれば、ネット上に掲載されている情報をもとに習得して構築することも可能ですが、複雑な処理をさせるとなれば、やはりVBAの習得は欠かせません。

これに対し、RPAは基本的にはプログラム言語習得の必要はないでしょう。利用するツールにもよりますが、管理画面上で自動化させたい操作を、視覚的にパズルのように組み合わせていくだけで作業内容を構築することが可能です。そのため、ビジュアル的にわかりやすく慣れるのにそれほど時間を要しないケースがほとんどです。また、ベンダーのサポートが充実しているものを選択すれば、より安心でしょう。

ただし、RPAによっては操作の設定に一定の知識を要するものもあるため、プログラミングの基礎は知っておいたほうがより効果的な活用が可能です。

他システムとの連携

5つ目の比較ポイントは「他システムとの連携」です。

これも前述していますが、マクロはOfficeやEdgeなどマイクロソフト以外の製品との連携は基本的にできません。

もちろん、Accessで顧客管理システムや販売管理システムを構築すれば、Excelで作成した顧客アンケートを顧客管理システムに書き込むことも可能です。しかし、既存のシステムが別にある場合、それが無駄になってしまい効率的ではありません。

これに対し、RPAは種類にもよりますが多くのシステムやアプリケーションとの連携が可能です。自社で利用しているシステムとの連携が可能かどうかを事前に確認し導入すれば、これまで手作業で行ってきた多くの業務を自動化し、効率化を図れます。

メンテナンスのしやすさ

6つ目のマクロとRPA、最後の比較ポイントは「メンテナンスのしやすさ」です。

まず、マクロのメンテナンスですが、これまで何度も説明してきたようにマクロはVBAによって操作するため、VBAを理解していなければメンテナンスも行えません。

また、VBAに限らずプログラミングは行うものによって個性が出るものです。そのため、最初にマクロを構築した従業員が転職、退職などでいなくなると、VBAがわかっていてもメンテナンスが困難になる場合もありえます。

これに対し、RPAもマクロほどではないものの、最初の時点でさまざまな処理を行えるような設定を行うため、その方法を理解している従業員がいないとメンテナンスは困難です。特に最初の構築を外部に依頼した場合、社内に誰もわかる人がいない状態になります。そうした意味では、マクロもRPAもメンテナンスのしやすさは構築の方法を理解している従業員がいるかどうかで大きく異なるといえるでしょう。

セキュリティ

7つ目の比較ポイントは「セキュリティ」です。

RPA

セキュリティ機能が搭載されたRPAツールもありますが、それだけでは十分とはいえません。RPAに特化したセキュリティ対策を練る必要があります。

RPAを行うことで想定されるセキュリティ問題は、大きく分けると以下の2つです。

・ロボットの誤作動などシステム内部の設計ミス
・不正アクセスなどによる外部からの脅威

前者の場合は、誤作動したときの対応チームをつくるとよいでしょう。連絡体制や初期対応を決めるだけで、被害を小さくすることができます。

後者の場合は、使用するRPAツールの特徴を調べ、対策をとる必要があるでしょう。例えば、ロボットの使用権限やシステムへのアクセス権限を管理する方法や、通信やパスワードを暗号化してセキュリティ強度を高める方法があります。

社内のセキュリティポリシーを理解し、どの程度の権限をロボットに持たせるのか、また、セキュリティ事故が発生した場合、誰が対処するのか決めておきましょう。

マクロ

マクロの機能が搭載されているマイクロソフト社のOffice製品は、セキュリティ更新プログラムをリリースしています。

新たに発見した脆弱性に対応するセキュリティ更新プログラムを公開しているため、ファイルの更新を忘れなければ、セキュリティがある程度確保されるでしょう。

費用

8つ目の比較ポイントは「費用」です。

RPA

RPAツール契約費用が無料なのか、または有料なのかを確認しましょう。近年無料で利用できるRPAツールも登場してきましたが、ツールの機能やサポート体制など、有料RPAツールと違いがありますので、どんな機能が必要なのか棚卸しをしてから費用を検討しましょう。

マクロ

マクロの場合は、Officeを利用するためにMicrosoft 365への登録が必要です。それ以外に費用がかかるか否かは、マクロを開発する環境によって変化します。

・自社で開発する場合:Office登録費用のみ

・VBA開発会社に依頼する場合:数万円~100万円程度の予算が必須(小規模なシステム自動化を想定)

習得コスト

9つ目の比較ポイントは「習得コスト」です。

RPA

RPAツールごとに習得コストが異なるため一概にいえませんが、約10時間~20時間といわれています。

コマンドを入力してRPAを実行する場合、コマンドや機能を覚える時間やツールに慣れる時間が必要です。

また、多くの記事に、「RPAはプログラミング知識が不要」と記載されています。しかし、どの順番でコマンドを実行するのか、自動化の流れを設計する力は必要です。+αで設計力を身につけると、よりRPAを使いこなすことができます。

マクロ

ExcelやPowerPointに搭載されている「マクロの記録」を使用しても、マクロにエラーが発生したときの対処でVBAを使う必要があります。そして、VBAを利用する場合、VB言語の知識が必須です。

多くのRPAツールはプラットフォームのコマンドを操作するだけで自動化することができますが、VBAはプログラミングを行わないと動かすことができません。VB言語を学習する場合、最低でも100時間が必要といわれています。

VBAは1993年にMicrosoftから登場しました(日本は1994年)。そのためVBAを学習する書籍は、入門から上級まで数多く販売されています。書籍やネット検索を活用して、マクロの学習をしてください。

 

※VBA:Visual Basic for Applications

※VB:VBA(Visual Basic for Applications)を動かすためのプログラミング言語

サポート体制

最後の比較ポイントは「サポート体制」です。

RPA

RPAライセンス契約内容に、サポートが含まれていることがあります。サポートはヘルプデスク、シナリオ作成支援/作成代行、RPAツール勉強会など各RPAベンダーごとに提供内容が異なります。自社で自動化するのが難しいと感じる担当者は、サポートを利用することを検討しましょう。

ただし、RPAベンダーごとにサポート内容や範囲が異なることに注意が必要です。サポートの中には有償サポートに分類されるサポートもあるので、ツール選定時にどのサポート内容が含まれるのかを確認しましょう。

マクロ

基本的にサポート体制がなく、自身で調査する必要があります。有償で問題ない場合は、マクロ・VBA開発専門業者に依頼すると良いでしょう。

RPAとマクロ、それぞれ適したシーンとは?

ここまで、RPAとマクロ、それぞれの概要や特徴を見てきました。パソコンでできるほとんどの業務を自動化するうえ、大量のデータを高速処理できるRPAのほうが業務効率化に大きく役立つと思われるのではないでしょうか。

しかし、それは必ずしもそうとは限りません。そこで、RPAとマクロ、ビジネスを行ううえでそれぞれが適したシーンを見ていきます。

RPAが適しているシーン

これまで説明してきたようにRPAでは、大量データの高速処理が必要な業務に最適です。具体的には、実店舗とネットショップで販売した商品を集計し、随時在庫状況を更新する。商品のアンケート結果から顧客情報を抜き出し、顧客管理システムに書き込むといったものが挙げられます。

また、複数のシステムを連携してデータを書き込む、集計するといった業務もRPAが適しています。例えば、顧客情報システムと商品管理システムを連携させ、特定の商品を購入した顧客だけ抽出して新商品情報をメール送信する、営業管理システムから残業時間や交通費を抜き出し、勤怠管理システムに書き込むといったことも可能です。

ほかにも、RPAは作業工程の構築にプログラム言語を必要としないため、社内にプログラム言語を扱える従業員がいない場合でも、RPAの選定を間違わなければ問題なく業務の自動化を実現することができます。

マクロが適しているシーン

マクロが適しているのは、日常的なルーティンワークやマイクロソフト製品だけで作業が行える業務です。例えば、自店舗の日々の売上を集計してグラフにする、毎月決まっている請求書を自動発行し印刷する、Excel上で集計したメールアドレスを使い、Outlookから毎週お知らせメールを送信するなど、それほど大量、高速処理を必要としないものの、自動化することで業務時間を短縮できる業務に最適です。

また、コストを抑えつつ業務効率化を実現したい場合にもマクロは効果を発揮します。マクロはExcelやマイクロソフト製品があれば新たに別のシステムを導入する必要がありません。そのため、プログラム言語を扱える従業員さえいれば、導入コストをかけずに業務を自動化させ、効率化を実現します。

ほかにも、マクロは基本的にExcelもしくはマイクロソフト製品のなかだけで完結する作業のため、従業員がそれらを外部に持ち出したりしない限りは顧客情報や商品情報が洩れる心配がありません。

状況に応じて併用も

ExcelやPowerPointの自動化はマクロで処理し、Excelファイルの振り分けをRPAで処理し、作業が完了したら、作業完了報告のメールを送るなど、マクロとRPAを組み合わせて使用することも可能です。

自動化する業務の範囲や同時並行処理ができるのかを検討し、マクロとRPAの特徴を理解して使い分ける、または併用することが重要です。

業務内容に応じてRPAとマクロの選択をすることがポイント

今回、RPAとマクロの違いについて説明してきました。それぞれの特徴やどういった業務に適しているのかは十分に理解できたのではないでしょうか。ここで注意しなくてはならないのは、自社にとって最適なのはどちらなのかを明確にすることです。

例えば、多くの企業でRPAの導入が進んでいるので自社も遅れないためにRPAを導入する、業務を自動化させたいが大きなコストをかけられないのでマクロを活用するといった業務内容とは異なる部分で選択をしてしまうと、どちらを選択しても無用の長物になってしまう可能性が高まります。

まずは自社の課題を洗い出し、どの部分を自動化させれば業務効率化が進むのかをしっかりと検討し、RPAが適しているのか、マクロが適しているのかを見極めます。そのうえで、選択したものの効果を最大限に発揮させるには何を用意すべきかを決めていくことが、業務効率化の実現にもっとも重要なポイントだといえるでしょう。

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この記事を書いたコンサルタント

ロボパット編集部

広報部・編集長

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