「DX」とは?
「DX(Digital Transformation」とは、最新のデジタル技術やITツールなどを有効活用し、企業の生産性や組織体制の改善を図ることです。
DXの導入により、新たな商品やサービスなどの「価値」を生み出し、企業の収益性や市場競争力が向上します。DXの定義やIT化との違いについて、より詳しく見ていきましょう。
DXの定義
経済産業省が2019年に発表した『「DX推進指標」とそのガイダンス』によると、DXは以下3つの要素によって定義されています。
- 企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用する
- 顧客や社会のニーズをもとに、製品やサービス、ビジネスモデルを変革する
- 業務組織、プロセスや企業文化を変革し、競争上の優位性を確立する
また、経済産業省が2020年12月に発表した「DXレポート2(中間取りまとめ)」では、「レガシーシステムからの脱却」や「ユーザー企業とベンダー企業の共創推進」など、具体的な施策を示しました。
2021年8月の「DXレポート2.1」では、デジタル変革後の産業の姿など、企業が意識すべき方向性も示しています。このように、DXは政府も積極的に推進している取り組みであり、今後その流れはさらに加速していくと考えられます。
とくに、2020年以降は新型コロナウイルス感染症の影響もあり、企業を取り巻く環境が大きく変わりました。企業を取り巻く環境の変化に対応するためには、企業文化や業務内容の変革が欠かせません。それを実現する手段として、DXの重要性はさらに高まっています。
「DX」と「デジタル化」の違い
「デジタル化」は、これまで手作業で行っていた作業を、IT技術を駆使したツールに置き換えることを指します。デジタル化の大きな目的は、業務効率化とコスト削減です。
DXは、デジタル化によって導入したITツールなどを駆使し、業務内容やプロセスの改善はもちろん、企業体制やビジネスモデルそのものを変革することを指します。デジタル化が単に効率化を目的とするのに対し、DXはより大きな変革のために導入します。
つまり、「デジタル化の先にDXがある」ということです。デジタル化なくしてDXの達成はあり得ないので、企業がDXを導入するためには、まずIT技術を駆使したツールを導入し、組織全体でそれを広く活用していく必要があります。
営業におけるDXとは?
営業組織におけるDXとは、IT技術を駆使したツールやシステムを営業活動に導入し、営業活動の業務プロセスを変革することです。
営業活動は対面が基本なので、DXとは縁が遠いように感じられるかもしれません。しかし、営業部門こそDXが必要です。なぜなら、従来の営業手法では、ひとりの営業担当者が抱える業務が多く、効率的に成果を出すことが難しいからです。
営業部門にDXを導入することで、より少ない業務負担で確度の高い見込み客にアプローチできるようになり、業務の効率化を実現できます。営業部門におけるDXの価値や重要性は、今後さらに高まっていくでしょう。
「非対面」での営業活動と顧客管理を実現できる
営業におけるDXでは、デジタルツールによって顧客の購買行動と自社の営業活動を最適化できます。
近年では、顧客はインターネット検索やSNSを通じて情報を得ています。これにより顧客は、従来のように営業担当者と対面して商品を説明してもらう必要性が低下しています。
そのため、非対面で顧客に商品・サービスをアピールして購入へ導ける仕組みや、既存顧客の満足度を高められる仕組みづくりが求められています。具体的には、営業担当者が行っていた顧客データの管理や、資料送付・問い合わせ対応などの業務の自動化です。
そのほかにも、デジタルマーケティングによる見込み確度の高い顧客リストの作成や、競合の情報収集と分析などの業務もツールで自動化できます。従来の業務の一部をデジタルツールに任せることで、営業担当者が自身の営業活動に最大限コミットできるようになります。
営業部門でDXが求められている理由・導入メリット
営業部門でDXが求められている主な理由は以下4つです。これらの内容を把握すると、DX導入のメリットについて理解できるでしょう。
- 生産性向上が急務なため
- 営業活動の属人化を防ぐため
- マネジメントを効率化するため
- 非対面での営業活動を行うため
生産性向上が急務なため
営業部門でDXを推進すると、生産性の向上が期待できます。営業活動には「インサイドセールス」と「フィールドセールス」の2種類があり、それぞれにDXのメリットがあります。
インサイドセールスは、電話・メール・チャットツールなどを活用し、オフィス内から営業活動を行います。たとえば、見込み客リストの作成をツールに任せれば、営業担当者は架電に専念できます。見込み客の育成でステップメールを活用する場合は、ツールで自動的に最適なタイミングで送信できるようになります。
フィールドセールスは、顧客のもとに足を運んで対面で営業を行います。見込み客のリストアップや顧客管理などツールに任せると、業務負担が減って営業活動に注力しやすくなります。
現在では、生産年齢人口の減少にともない、あらゆる業種で生産性向上の重要性が高まっています。営業部門は業務負担の厳しさから離職率が高く、少ない人数で多くの業務を担わないといけないという悪循環に陥りがちです。DXによる業務効率化を行うことで生産性が向上し、人手不足にも対応しやすくなります。
営業活動の属人化を防ぐため
営業組織は「属人的」といわれています。営業活動から事務作業まで、すべての業務を営業担当者が行っていたからです。その背景として、以下3つの要因が考えられます。
- 業務プロセスが標準化されていない
- 営業スキルやナレッジが担当者によって異なる
- 異動や退職時の担当者の引き継ぎがうまくいかない
これらの多くは、DXの導入で解決できる可能性があります。ツールを導入すると、顧客情報をデータ化して一元管理しやすくなります。営業部門全体で情報を共有できるので、業務プロセスを標準化しやすくなり、担当者が変わったときの引き継ぎも容易です。
また、営業データの蓄積と活用により、顧客にマッチした営業を行いやすくなるので、担当者ごとのスキルやナレッジの差も補完できるでしょう。このように、DXは全体的な営業レベルを向上させます。
マネジメントを効率化するため
営業部門のマネジメントは、これまで「実地」で行われることが一般的でした。対面で行われる営業では、実際の訪問先でトーク内容や振る舞いなどを学ぶ必要があったからです。
しかし、DXによりオンライン商談が可能になると、顧客のもとに訪れる必要がなくなります。社内にいながら営業スタイルを学ぶことができるので、従来の対面型の商談より効率的なスキルアップが可能です。
また、顧客管理ツールなどでデータを蓄積することで、パターンごとに有効な営業方法を抽出して、営業担当者の育成に活かすこともできます。前述したように、これは営業の属人化を防ぐことにもつながるので、営業部門全体のレベルアップにも役立つでしょう。
非対面での営業活動を行うため
新型コロナウイルスの流行により、営業においても「非対面」の手法が重視されるようになりました。そのため、Web会議システムやビデオチャットツールなどを活用し、オンラインで営業や商談を行うことが増えています。
オンライン商談の導入により、顧客との接点を今までより深めやすくなることも魅力です。対面での営業は顧客の都合もあるため、遅延や接点の薄さが商談の障害になることがあります。その結果、顧客のニーズを見極められず、適切なアプローチができないこともあります。
非対面での営業は、お互いに社内から遠隔で対応できるので、定期的な接点を維持するのが容易です。また、顧客が遠方にいる場合でも営業の機会を作りやすいので、商圏の拡大にも役立ちます。このように、営業部門がDXを推進すると、さまざまな側面から生産性の向上が期待できます。
営業のDXで重要なポイント
営業におけるDXでは、以下3つのポイントがとくに重要になります。これらを実現することにより、顧客への効果的なアプローチが可能となり、業務効率化と生産性向上につながります。
- 見込み客(リード)を効率的に獲得する
- 見込み客(リード)を定期的に育成する
- 見込み客(リード)をツールで分析する
見込み客(リード)を効率的に獲得する
営業の第一目標は「見込み客(リード)」の獲得です。従来の営業手法では、飛び込み営業やテレアポなど、企業から顧客に働きかける「アウトバウンドセールス」が一般的でした。しかし、営業担当者が何時間もアプローチし続けることが前提なので、この手法は担当者への負担が大きいわりに成約率が低い傾向があります。
DXの推進により、こうした人海戦術的な営業手法は不要となります。DXでは、見込み客の獲得は「インサイドセールス」が基本です。デジタルマーケティング施策の導入により、自社に対する顧客の関心を高め、課題やニーズが明確になった段階でアプローチできるようになります。営業担当者の負担が軽減され、確度の高い顧客との商談に注力できるため、成約率の向上が期待できます。
見込み客(リード)を定期的に育成する
前述したように、DX時代の営業はインサイドセールスが基本です。これは、非対面でも顧客に振り向いてもらえるように、見込み顧客の購買意欲を高め、既存顧客のファン化を実現するための施策です。具体的には、「MA(マーケティングオートメーション)ツール」を活用して、顧客それぞれの課題や関心に合わせた適切なアプローチを行います。
MAツールは、顧客育成(リードナーチャリング)の自動化をサポートしてくれます。MAツールを活用すると、顧客の行動履歴を分析し、ニーズの発生や変化に合わせて適切な情報を提供することが可能です。顧客から自社に働きかけるように誘導できるため、営業担当者が確度の低い顧客にアプローチをし続ける必要はありません。
営業担当者がこうした施策を自力で行うのは困難です。これからの時代の営業には、ITツールと担当者が一体になって、顧客と向き合っていくという姿勢が欠かせません。
見込み客(リード)をツールで分析する
営業担当者が扱う情報は、顧客や企業の情報はもちろん、商談の進捗状況や履歴など多岐にわたります。これらの情報を手作業で扱うと、抜け漏れが生じることがあるうえに、営業の属人化にもつながります。
DX時代の営業では、「SFA(営業支援システム)」や「CRM(顧客関係管理)ツール」により、さまざまな情報を的確に管理・共有することが可能です。ツールで情報のデータ化と分析を行うことで、顧客の行動やニーズを「見える化」し、顧客一人ひとりに合わせた適切なアプローチができます。
また、営業担当者が時間と場所を問わず、必要な情報をいつでも取得できることも魅力です。出張やテレワークのときでも、顧客にスピーディーな対応ができるため、顧客との関係構築に役立ちます。
営業DXを構成する7つの要素・ツール
前述した「MA」「SFA」「CRM」などのツールは、営業DXを実現するための代表的なツールです。そのほかにも、営業DXで広く活用されているツールには、さまざまなものがあります。本章では、営業DXを構成する要素・ツールについて、以下7つの観点から解説します。
- 営業促進
- カスタマーサポート
- 顧客分析
- 顧客関係管理
- 顧客体験
- コンタクト・コミュニケーション
- 人材開発
営業促進
営業活動の効率化により、生産性を高めることができるツールです。SFAツールがこれに該当し、営業活動や進捗状況の把握、案件管理や指標予測などの機能が備わっています。対応範囲が広いため、SFAは営業DXの中核をなすツールといっても過言ではありません。
カスタマーサポート
見込み客の獲得と育成を効率化できるツールです。主にMAツールがこの役割を担っており、顧客の行動履歴を収集・分析し、最適なタイミングで顧客に情報を提供可能です。顧客に役立つ情報を提供することで、自社に対する顧客のロイヤリティが高まり、ニーズが生じたときに自社を想起しやすくなります。
顧客分析
営業活動によって収集・蓄積したデータを最大限に活用できるツールです。ビッグデータ活用のような最先端のIT技術を活用して、顧客の課題やニーズを抽出できるツールも存在します。専門知識がなくてもデータ分析が容易にできるので、属人化を防ぎつつ営業活動の効率化を図れることが魅力です。
顧客関係管理
顧客情報や履歴を活用して、企業と顧客の関係性を可視化し、深めることができるツールです。CRMツールがこの役割を担っており、顧客の個人情報・購入履歴・問い合わせ記録など、さまざまな情報を一元管理できます。顧客が何を求めているか、何に関心があるのかを見える化できるので、成約前の見込み客はもちろん成約済みの顧客のファン化にも役立ちます。
顧客体験
顧客の購買プロセスにおいて、「体験」という付加価値を生み出し、顧客の購買意欲の向上を図るツールです。主にCXツールがこれに該当し、ユーザーの興味関心や趣味嗜好に訴求し、「利用してよかった」と思えるような体験を提供できます。たとえば、Webサイト上でのユーザーの流入・回遊経路に合わせて、ユーザーのニーズに合うメルマガやポップアップを配信するなどです。
コンタクト・コミュニケーション
良質なインバウンドセールスを実現するためのツールです。主にコールセンターやカスタマーサポートの業務をサポートします。たとえば、問い合わせの内容を分析して、オペレーターに最適な回答を提案するなどです。Web会議システムを活用した、コミュニケーションやドキュメント共有にも役立ちます。
人材開発
営業担当者の教育・育成を行うためのツールです。たとえば、動画形式の教材・オンラインでロールプレイングなどの媒体や、自動評価システムなどが該当します。文字起こしやログ
を共有すると、部門全体のスキル向上やノウハウ蓄積にも役立つでしょう。
営業DXの成功事例
営業DXに取り組み、成果を出している代表的な企業として、「キヤノン」と「NTT東日本」の事例をご紹介します。自社でDXを推進する際の参考にしてみてください。
キヤノンマーケティングジャパンの事例
キヤノンマーケティングジャパンの営業では、見込み客の獲得から受注まで、すべて対面で対応していました。そのため、営業担当者の負担が大きく、生産性の向上に課題がありました。
そこで、MAツール(マーケティングオートメーションツール)を導入し、顧客をスコアリングして、営業部門と連携する体制を構築しました。顧客の見込み確度を測るために、集客から受注までさまざまな情報を収集・分析しています。
さらに、KPIマネジメントを実施したことで、KPIに基づく検証・改善と部門間の連携強化が実現しました。その結果、業務効率化と生産性の向上を達成できました。
NTT東日本の事例
NTT東日本では、2015年にインサイドセールス専門のチームを立ち上げ、リード獲得からクロージングまで行うセンターも設立しました。顧客情報を細かく分析し、営業手法の改善を繰り返したうえで、教育と営業部門との調整を実施しました。
インサイドセールスでは、データをもとにした適切なアプローチが欠かせません。そのため、SFA(営業支援システム)やCRM(顧客管理システム)を導入し、運用体制を整えることが重要です。NTT東日本はしっかりとした体制を築き、リード獲得数10倍、受注額34倍という成果を出しました。
営業DXのよくある失敗事例
営業部門のDXで成果を出した事例がある一方で、失敗した事例も少なくありません。営業DXを成功させるためには、事前に失敗事例を把握しておいてミスを防ぐことが重要です。具体的な失敗事例として、以下4つがあげられます。
- 導入目的を明確化できていない
- 社内でDXに関する知見がない
- 既存の営業手法にこだわり続けている
- 企業風土や体制がDXに対応できていない
導入目的を明確化できていない
営業DXの成功には、具体的な「導入目的」が欠かせません。「政府が推奨しているから」「他社が取り入れているから」など、表面的な理由でDXに取り組んでも、戦略的なDXが行えず中途半端な状態に陥ります。
企業の業態や課題によって、DXの目的はさまざまです。たとえば、「新たな販路開拓」「見込み客の獲得」「既存顧客のファン化」など、社内に必要な変化・顧客に提供したい価値など、「何を実現したいか」を踏まえた導入目的を設定しましょう。
また、ツールの導入が目的になってしまうのも、よくある失敗事例です。ツールはあくまで、DXを達成するための手段に過ぎません。全社的な目的意識の合意と共有、および運用体制の構築がなければ、せっかくツールを導入しても社内に定着しないこともあります。
社内でDXに関する知見がない
優れた機能をもつITシステム・ツールを導入しても、現場の営業担当者が扱えなければ意味がありません。DXの「推進チーム」を立ち上げる際は、デジタル人材をアサインし、社内研修を通じて担当者のスキルアップをチャレンジできる体制を構築することが重要です。
社内の教育環境を整備せずにITシステムを導入し、現場に定着せず失敗したという事例は少なくありません。また、一部の担当者しか扱えないというのでは、従来手法と同じような属人化が生じてしまいます。部門全体でDXについて学び、実践していくようにしましょう。
既存の営業手法にこだわり続けている
営業DXの導入時に、既存の営業手法との親和性を重視しすぎると、デジタルツールの利用幅に制限が生じます。その状態では、業務効率化や生産性向上などの効果が、十分に得られない可能性が高いです。
営業DXを進めるときは、既存のやり方にとらわれず、ツールを最大限に利用できるような業務フロー・体制を整えることが大切です。営業DXを成功させるコツについては後述します。
ツールの導入で重要なことは、そのソリューションを取り込むことで、どのような営業課題を解決したいのかを明確にすることです。DX化の全体像を設計せずにツール導入が先行すると、製品を導入した背景を見失い、費用や導入・運用のリソースが無駄になる可能性があります。
企業風土や体制がDXに対応できていない
営業DXの推進には、組織体制や企業文化・風土そのものの変革が求められます。前述したように、表面的な目的でDXに取り組んでも、十分な結果は得られません。DXは単なるデジタル化ではなく、製品・サービス・ビジネスモデルを変革し、競争上の優位性を確立するためのものです。企業がこうした変革に対応できなければ、DX推進は中途半端な結果に終わってしまうでしょう。
営業DXの運用体制を構築する流れ
営業DXを成功させるには、適切な運用体制を整えることが大切です。以下の3つのポイントを意識することで、DXの推進がスムーズに進みやすくなります。
- 現状と課題を把握する
- DX戦略の策定とツール選定を行う
- DX推進組織を構築する
現状と課題を把握する
まずは自社の現状と課題を把握しましょう。前述したように、営業DXの推進目的はさまざまです。「見込み客の獲得数が少ない」「営業部門の離職率が高い」「成約率が低い」など、具体的な課題点を洗い出します。
DX戦略の策定とツール選定を行う
課題点が明確化したら、DX戦略の策定とツール選定を行いましょう。自社が営業戦略上、DXで何を達成したいのか、最終的な目標を設定します。月間の営業成果の指標など、効果測定の要素を検討することも重要です。
営業DXを実現するためのツールはさまざまです。自社の課題と目標に合うITツールを選ぶことで、営業DXの実現可能性とコストパフォーマンスの双方が高まるでしょう。
DX推進組織を構築する
営業DXを成功させるための重要な要素が「人材」です。DX推進組織・チームを作るときは、必ずDXの知見がある人材を任命しましょう。社内に人材がいない場合は、新規採用を検討してみてください。
チーム全員がDXに長けている必要はありませんが、前述したように現場の営業担当者の研修を円滑に行うためにも、専門知識のある人材は欠かせません。
また、マーケティング部門などから顧客ニーズを把握している人材を呼び込むなど、バランスの良いメンバー構成にすることも重要です。
営業のDX化の成功に必要なこと
営業DXを成功させるためには、前述した現状把握・ツール選定・体制構築に加えて、以下5つのポイントを意識することも重要です。
- 営業DXで成し遂げたい目標を明確化する
- 担当者が扱いやすいツールを選ぶ
- 顧客行動を「見える化」する
- 営業活動を分業化する
- 業務全体を最適化する
DXによって成し遂げたい目標を明確にする
DXを推進する際は目標設定が欠かせませんが、以下のように具体的な「数値目標」を掲げることが重要です。
目標の種類 |
数値目標の例 |
売上アップ |
昨年比○○%アップ |
営業効率化 |
作業工数を○○時間削減 月間訪問数○○回向上 ●●までに新規サービスの創出 |
顧客体験の最大化 |
クレーム件数○○%削減 ●●月までにWeb商談やサポートの実現 |
担当者が扱いやすいツールを選ぶ
営業DXで導入するデジタル技術やITツールは、現場の営業担当者にとって扱いやすいものを選ぶことが重要です。特定の人材しか扱えないツールは、業務の属人化の原因になります。そのため、エンジニアやプログラマに頼らず、現場アプローチで推進する「日本型DX」の実現を目指すことをおすすめします。
顧客行動を「見える化」する
顧客の購買行動が多様化している現在では、営業部門は自社都合ではなく「顧客ファースト」でアプローチすることが重要です。そのため、MAツールなどを活用して、顧客行動をできるだけ「見える化」することを意識しましょう。顧客行動を把握できれば、最適なアプローチ方法がわかり、顧客にアクションを喚起しやすくなります。
営業活動を分業化する
従来の営業手法は、「インサイドセールス」と「フィールドセールス」の全工程を、ひとりの営業担当者が担っていました。しかしDX時代の営業では、見込み客の獲得・育成・選別の過程をインサイドセールスで行い、確度の高い見込み客に対してフィールドセールスで営業をかけます。
自社の営業手法がこの分業化に対応できていないと、営業DXの効果が十分に得られません。現在、従来の手法で営業活動を行っている場合は、DXの推進と合わせて業務フローの最適化も進めていきましょう。
業務全体を最適化する
先ほど解説した「分業化」に加えて、営業に関する業務全体を最適化することも、DXを成功させるために重要です。
営業部門でDXを推進し、デジタル技術やITツールを導入する際は、これまでの業務フローを可視化する必要があります。このとき、従来の業務をそのままデジタル化するだけでなく、本当に最適な業務フローなのかを以下のように検討してみましょう。
- この順番で作業を行う必要があるのか?
- この業務は人が行うべきなのか?
- そもそもこの作業は必要なのか?
業務フロー自体に無駄な部分が多いと、ITシステムを導入しても十分な効果が得られません。そのため、これまでの営業領域全体の業務を根本的に見直し、革新することがDXを成功させるために必要不可欠です。
まとめ
営業にDXを取り入れるべき理由と、成功するために重要なポイントなどについて解説しました。営業DXを実現できれば、企業の収益にダイレクトに影響するため、今すぐにでもDXを検討してみましょう。
DXの実現には、MAツールやSFAツールなど有名ですが、「現場主導」のDXを推進したい場合は「RPAツール」もおすすめです。RPAツールを導入すると、さまざまな業務を自動化でき、営業のDX推進に役立ちます。
営業DXの第一歩には、「ロボパットDX」というRPAツールが最適です。ロボパットDXは、現場の営業担当者でも利用しやすくサポート体制も万全なので、導入時や運用後も安心して利用できます。
現場主義の「日本型DX」を推進できるロボパットDXに興味がある方は、ぜひコチラからお気軽にご相談ください。