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DXの基礎知識 2021.03.11  [最終更新日] 2023.07.25

DX導入のために知っておくべきこと|ポイントや導入事例、DXを実現させるための5つのステップ

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新型コロナウイルスや自然災害の影響によってBCP対策の意識が高まりつつあるなか、多くの企業がDXの推進に取り組んでいます。また、少子高齢化による労働力減少という課題を克服するうえでも、DXによる生産性の向上は重要な課題といえるでしょう。
しかしながら、DXを推進している企業の多くが、目に見えた成果を挙げられていないことも事実です。よって、DXを実現するためには、推進を阻害する原因を把握し、導入ポイントを押さえながら進める必要があります。
今回は、DXの導入ポイントや推進における成功事例などについて具体的にまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。

【目次】

 

DXの定義

「DX」とは「digital transformation(デジタルトランスフォーメーション)」の略称です。簡単に説明すると、業務のデジタル化による生産性の向上によって、企業の収益増加や、人々の暮らしを豊かにするための取り組みの総称といえるでしょう。

経済産業省はDXの定義を以下のように定めています。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」

なお、「DT」ではなく「DX」という略称になっている理由は、欧米では「tTrans」というスペルを「X」と省略するためです。

DX導入の意義

DXの導入意義は、実施することで得られるメリットの享受と、実施しなかった場合に発生するリスク回避のためです。

まず、DXを実現することで得られるメリットは、以下のようなものが挙げられます。

  • 企業の業務効率化・生産性の向上
  • 新規ビジネス・サービスによる収益増加
  • 人々の生活が豊かになる
  • BCP対策につながる

DXを実現できれば業務フローが改善され、作業の効率化・自動化が可能になるため、企業の生産性向上効果が期待できるでしょう。また、ビジネスモデルや組織改革などを行うことで、新たなビジネスやサービスが創出され、それらが人々の生活をより豊かにすることも、DX実現によるメリットです。

さらに、業務フローをデジタル化することで、テレワークやクラウドと連係し、業務に活用できるため、BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)対策につながる点も見逃せません。

一方、DXを実現できない企業は、以下のようなデメリットが発生するリスクがあります。

  • 企業の競争力・市場適応能力の低下
  • レガシーシステム(既存システム)の弊害による経済損失

近年は、新型コロナウイルスや自然災害の影響に加えテクノロジーの進化も速いため、市場状況の変化も以前より速くなっている状況です。したがって、市場の変化に臨機応変に対応し、業務フローやビジネスモデルを変えていけない企業は、今後生き残っていけなくなる可能性が高くなるでしょう。

さらに、日本企業は大規模で複雑なレガシーシステムを業務フローの中核に据えているケースが多く、ちょっとした改修や機能を加えるだけでも大きな費用や工数がかかります。よって、市場の変化にスピーディーに対応しづらいうえ、維持費も甚大になっている企業が多いです。

こうした状況のなか、政府は2025年までにDXを実現できない企業は、大きな経済損失を被る可能性があるという「2025年の崖」という提言を行い、日本企業にDXの推進を励行している状況です。

DX導入における課題

日本企業でDX推進が進みづらいのは、以下のような課題があるからです。

 

経営者の理解不足

日本企業の経営者で、DXがどのようなものなのかきちんと説明できる方は、非常に少ないと思われます。「DX」というバズワードの存在は知っていても、その目的や取り組みの意義を経営者自身が理解できていなければ、社内でDXを推進しても成功する可能性は低いでしょう。

よくあるパターンが、経営層から情報システム部門などに「DX進めといて」と言って丸投げにするケースです。DXを推進する際は、DXの実現によって達成したい目的を明確化することが必須のため、経営者から強いメッセージを発信し、会社が一丸となって取り組まなければ大きな効果は期待できません。

現場の理解不足

経営者と同様にDXの知見に乏しいのが、業務を行う現場スタッフです。特にアナログな作業が多い現場では、従来の業務フローを変えることに対するアレルギー反応が強いケースが多くみられます。

また、ITリテラシーが低いスタッフが多い部門においては、DXの実現に必要不可欠なITツールを導入しても、有効活用できない可能性が高い点も大きな課題です。

IT人材の不足

日本企業がIT人材を充分に確保できていない点も、DXを進めづらい要因の一つとなります。そもそも我が国は、少子高齢化によって労働人口が年々減少傾向にあり、企業における人材確保は急務な課題です。

特に、IT人材は完全な売り手市場になっており、確保すること自体が困難な状況になっています。

社内教育・体制構築の遅れ

IT人材の採用が困難な状況もあり、社内でIT人材を育成する必要性が高まっているのですが、社内教育の体制構築が遅れている企業が多い点も課題です。

貴重なIT人材は重要な業務を行なっていることが多く、人材育成に充分な時間をかけられないことも理由になっています。

また、IT人材が社内に不在の場合、そもそもどのように育成するべきか、という体制構築の方法がわからない点も課題です。

レガシーシステムの存在

日本企業に多いレガシーシステムは、長期間の機能追加や規模の拡大などによって、大掛かりで複雑化していることが多くなっています。また、長期間運用していることから以前の担当者が不在な場合もあり、技術がブラックボックス化され手を出せない点も大きな課題です。

このように、レガシーシステムは運用・開発コストが高く、柔軟な対応がしづらい仕組みとなっています。DXを推進することで業務フローを見直す際に、システム自体の見直しも必要になってくるでしょう。そのため、どの企業もDX推進に対して腰が重い状況になっています。

 

 

DX導入のための5つのステップ

DXを実現するためには、ITツールの導入だけでは不十分です。以下の5つのステップで、段階的に進める必要があります。

 

デジタル化

ITツールを導入し、業務フローの一部をデジタル化するのが「デジタル化」のステップになります。

まず、DXを推進するITツールやシステムの導入を検討します。これまでアナログで実施していた作業をデジタル化できるツールを選定し、さまざまなベンダーと調整しながら自社の課題を解決できそうか判断するステップです。

例えば、ある業務フローの一部をITツールに代替することで、業務効率化できるかどうかを判断していくことになります。また、その際にさまざまなITツールの無料トライアルなどを活用して、自社に合ったツールが見つけられるかどうかがポイントになってくるでしょう。

効率化

次は、導入したITツールを活用することで、部門内の業務フローを見直し、業務効率化につなげていく「効率化」のステップです。

従来の業務フローを可視化し、課題になっている部分を洗い出すことで、RPAなどのITツールを活用して効率化や自動化を行なっていきます。最初は小規模な作業のデジタル化からはじめ、徐々に対象範囲を広げていくのが一般的です。

ITツールを有効活用し、部門内の業務を概ね効率化できた段階になったら、次のステップに移行します。

共通化

ある部門で、ITツールによる業務効率化で一定の成果が挙がるようになったら、そのノウハウを別の部門に共有する「共通化」のステップに移行しましょう。

先行してDX推進を行なった部門のノウハウを流用することで、他部門の業務もデジタル化を推進します。もちろん部門が変わることで業務内容も変わりますので、まったく同じ方法が当てはまるわけではありませんが、DXを推進する部門が増えるほど共通項も増え、情報共有が進むことで効率的に進められるようになるでしょう。

組織化

社内のDX化がある程度進行してノウハウが溜まってきたら、全社的に活用するための組織づくりを行う必要があります。

そのためには、DX推進に特化した部門をつくり、運用体制や業務効率化の均一化を進めることで会社全体の生産性を高めなくてはなりません。また、社内のさまざまなデータを一括管理し、ビジネスやマーケティングに活かせるように分析、加工していく組織も必要です。

最適化

会社全体の業務フローのデジタル化により生産性が向上することで、ようやく新たなビジネスやサービスを生めるようになります。それに伴い、ビジネスモデルや社内体制なども含めて、さまざまな最適化を行いましょう。

例えば、従来のビジネスモデルを見直し、市場ニーズに合った商品やモデルに転換したり、新たな市場でビジネスを展開したりするのもよいでしょう。その際に、会社の組織や評価制度などの抜本的な見直しが必要になる場合もあります。

会社があるべき姿を明確化し、柔軟かつスピーディーに対応することで収益向上につながる段階までくれば、DX推進の目的が達成できたといえるでしょう。

DX導入のポイント

DXを会社に導入する際は、以下のポイントに注意しながら進めましょう。

 

業務内容やフローの明確化・見直し

DXツールの導入時は、業務内容やフローの明確化と見直しが必要不可欠です。

例えば、DXツールの代表格といえるRPAは、人がパソコンを使って行う定型的な作業を自動化できるツールになりますが、対象となる業務フローが明確になっていなければ、どのような作業を代替するのか指示できません。

また、業務をデジタル化すれば必ず業務効率化につながるわけではないため、注意が必要になります。DX導入の際、業務フローを洗い出すときによくあるのが、明らかに非効率な作業や無駄な作業、二重作業などが発見されるケースです。

つまり、非効率な業務をそのままデジタル化しても大きな業務改善効果は期待できないので、適切な業務フローに見直すことが必要です。その後、ITツールでデジタル化して生産性を上げるのがDXで効果を上げる秘訣といえるでしょう。

新しい社内ルールや評価基準の構築

DXを推進する際は、DXツールの利用に関するルールや、それに伴う評価基準の立案も必要です。

例えば、テレワークを導入した企業においては、上司が四六時中スタッフを管理するわけにはいかないため、成果主義に評価基準を変更するところも現れています。

業務フローが変われば、働き方や成果物も変化するので当然といえますが、逆に評価基準が旧来のまま据え置きになると、DXの推進中に不整合が発生する可能性が高くなるでしょう。

したがって、ITツールで業務フローを見直す際は、社内ルールや評価基準も含めて検討する必要があります。

適切なツールの選択

ITツールを導入する場合は、企業規模や解決したい課題にマッチした適切なツールを選ぶようにしましょう。また、現場スタッフのITリテラシーなども考慮し、非デジタル人材でも利用できるITツールを選ぶことも大切です。

ITツールの中には大企業などに特化したものもあるため、中小企業やベンチャー企業にとっては不要な機能がついていたり、コストも高くなるため適切なツールを見定めなければ費用対効果が合わなくなります。

 

 

DX導入事例

DXの導入事例として、日本交通と安川電機、小松製作所の3つの事例を紹介します。

 

日本交通のDX導入事例

大手タクシー会社の日本交通は、タクシーの配車を行うアプリ「全国タクシー」を提供することで、いち早くDX推進に取り組んでいます。全国タクシーアプリは利用者や乗車履歴などの膨大なデータを蓄積できる点が特徴です。ユーザーにとっても、スマホですぐにタクシーを呼ぶことができるといった利便性が向上しています。

同社では配車アプリで収集したデータを活用するべく「AI配車」のPoC(実証実験)を行なっており、過去の乗車履歴や、場所、天候、季節、イベントといったさまざまな条件から、利用者が多い場所を推定することで乗車率を上げる試みをおこなっています。

そのデータをタクシーのドライバーに乗務員アプリを通して提供することで、生産性を向上させることが狙いだそうです。さらに、同社では今後AIを活用した労務管理の実施も計画中ということで、さらにDXが進むと予想されます。

安川電機のDX導入事例

安川電機では、2016年に就任した小笠原社長を中心にDXを推進しています。組織の再編成を実施するとともに、これまでシステムごとに分散していたデータを一元化し、適切な経営判断が行えるようにしました。

複数システム間のデータを統合するには、顧客や製品に特定のコードを割り振り、コードを使ってデータの紐づけをおこなっています。その結果、社内のすべてのデータを集計しやすくなり、売上高や利益、経費、工場の稼働や品質などの情報を経営層がリアルタイムに確認できるようになりました。

現場においては、スタッフのデータ入力作業などの負荷が下がり生産性が向上したというメリットもあります。

「25年度に営業利益1,000億円以上」というDX導入の目的を明確化したこともDX推進が成功した大きな要因といえるでしょう。

小松製作所のDX事例

建設機械を販売する小松製作所では、建設機械をIoT化させることで、顧客の利便性を向上させ、売上の増加につなげています。

1998年ごろ、日本では油圧ショベルを盗んでATMを破壊し現金を奪う事件が多発していました。そこで小松製作所では油圧シャベルにGPSと通信機能を搭載し、どこにあるのかをいつでも確認できるようにしたのです。その結果、「小松製作所の機械は盗んでもすぐ追跡される」と有名になり、盗難被害が減少しました。

位置情報だけでなく、燃料の残量、エンジン稼働中の実際の作業時間、機械の交換タイミングなどのデータも収集し、機械稼働管理システム「KOMTRAX(コムトラックス)」で管理、顧客へのサービス提供に活用しています。これらのサービスがあることで「値上げも仕方がない」と顧客からの理解も得やすく、KOMTRAX(コムトラックス)を標準装備にした際のコストも回収できています。

DX推進はポイントを押さえて適切に実施

DXを推進する場合は、導入のための5つのステップを踏みましょう。

  • デジタル化
  • 効率化
  • 共通化
  • 組織化
  • 最適化

また、以下の3つのポイントを押さえることも、DXの実現に必要不可欠です。

  • 業務内容やフローの明確化・見直し
  • 新しい社内ルールや評価基準の構築
  • 適切なツールの選択

日本企業では、残念ながらDXで大きな成功を挙げている企業はまだまだ少ない状況ですが、今回紹介したポイントを押さえて推進することで、大きな成果を挙げてもらえれば幸いです。

 

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この記事を書いたコンサルタント

ロボパット編集部

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