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RPA 2020.08.20

大企業だけじゃない!中小企業こそRPAを導入すべき理由と進め方

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近年、大企業を中心にRPAを導入して成功する事例が増えています。RPAは大企業だけでなく、中小企業にも多くのメリットをもたらしますが、中小企業においてどのようにRPAの導入を進めるべきか分からない方もいるでしょう。
そこで、この記事では中小企業におけるRPAの導入状況と、RPAを導入するメリット、導入時に重視すべきポイントについて解説します。さらにデジタルトランスフォーメーションについても解説し、中小企業こそRPA導入の取組みが必要な理由についても説明します。

【目次】

 

中小企業におけるRPA導入状況

2018年のMM総研の調査によると、大企業ではすでに約4割がRPAを導入済で、大企業全体の7割が導入に前向きとの結果が出ています。

しかし、従業員数が100~999名の中堅企業でRPAを導入済の企業は17%、従業員数が1~99名の中小企業は3%と少ない数字になっています。さらに、中小企業では1.5割程度しかRPAに対して積極的な意見を持っていません。加えて、国内の企業の99.7%が中小企業というデータもあります。

RPAに前向きな姿勢が大企業と中小企業では大きく異なるのはなぜでしょうか。ここからはその理由を解説します。

なぜ中小企業でRPAの導入が進まない?

中小企業でRPAの導入が進まない理由は主に3つあります。

1つ目の理由は、RPAの導入および運用費用が高額であることです。

多くのツールは最低でも年間数十万円、高いものになると数千万円のコストが発生します。また、自社の業務を自動化するためにオリジナルのソフトウェアロボットの開発を外注する場合は、さらにコストが掛かります。

大企業ならばある程度の資金力があるので、長期的なメリットを踏まえたうえでRPAの導入に資金を回すことができるでしょう。しかし、中小企業の場合は資金力がない場合も多く、またRPAの導入に対応する人員を確保するのが難しいという側面があります。さらに、RPAの導入・運用に失敗した時のリスクを考えて導入に二の足を踏んでしまう中小企業が多く、大企業ほど積極的にRPAを活用する動きが進まないのが現状です。

2つ目の理由は、中小企業においては費用対効果が低い傾向がある点です。

大企業は元々の業務量が多いため、業務種別も多く、RPAで代行できる業務も見つかりやすい傾向があります。そのため、1つの業務をソフトウェアロボットに代行してもらう際も、業務量を横展開ができる可能性が高く、費用対効果を得やすいという特徴があります。

一方、規模が小さい中小企業は基本的に業務種別が少ないうえに、横展開する必要がないケースが多く、費用対効果が得られにくいという特徴があります。

3つ目の理由は、運用・保守が難しいことです。

一般的な大企業には、社内のシステムを一元管理する情報システム部がありますが、中小企業には情報システム部がないことも多いです。そのため、社内サーバーやネットワークなどのITリテラシーを持つ社員がおらず、RPAを導入するための環境整備やインストール作業などを内製化できないという課題を持つ中小企業は珍しくありません。このことから、RPAの導入・運用自体が中小企業では難しいというイメージがあるようです。

中小企業が慢性的に抱えている課題

中小企業でRPAの導入が進まない主な理由は上述したようなものです。しかし、生産性向上を実現するには、中小企業こそRPAの導入が重要なポイントとなります。むしろ大企業よりもRPA導入が大きな効果を発揮するともいえます。それは、中小企業が慢性的に抱えている次のような課題があるからです。

1つ目は人手不足です。

中小企業の人手不足は、規模や業種にかかわらず深刻な問題となっています。2021年2月21日に株式会社帝国データバンクが発表した「人手不足に対する企業の動向調査(2020年1月)」によると、中小企業の正社員の人材不足感は46.9%、非正社員は28.4%となっています。

人手不足の傾向は最近になって始まったものではありません。中小企業庁・中小企業基盤整備機構「中小企業景況調査」によると、中小企業の人手不足感は2009年をピークにすべての業種で増加に転じています。その後、2013年第4四半期以降はすべての業種において従業員が「過剰」と回答した企業の割合を従業員が「不足」と回答した企業の割合が上回っています。

もちろん、大企業や小規模企業でも人手不足は大きな課題ですが、この結果から、中小企業にとっても慢性的な課題となっていることが見てとれます。

人手不足に関しては、もう一つ問題があります。それは新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、多くの企業が業績悪化に陥ったため、人手不足でありながらも予算の都合で例年並みの採用が難しくなっている点です。

実際、リクルートワークス研究所が2020年8月6日に発表した「第37回ワークス大卒求人倍率調査」によると、従業員300人未満の企業の求人総数は38.2万人。これは前年(2019年)より6.7万人の減少。300~999人企業でも13.1万人と前年より2.9万人の減少となっています。

現状、コロナは終息の気配がないことから、この傾向はまだしばらく継続していくと推測できます。そうなれば、中小企業の人手不足感は今後さらに増大していくといえるでしょう。

2つ目は属人化した業務でノウハウが蓄積されていない点です。

業種にもよりますが、一般的に中小企業は大企業に比べ従業員数が少ないため、人材の流動性が低い傾向があります。そのため、多くの業務が属人化してしまい、担当者が定年退職や転職により業務から離れると、誰もその業務を引き継げないというようなケースが少なくありません。

大企業であれば、1つの業務に複数人で対応するため、仮に一人がいなくなってもほかの従業員でカバーできるでしょう。しかし、中小企業では一人が複数の業務を兼任することも珍しくなく、場合によっては一人がいなくなることで、複数の業務が滞ってしまうリスクもあり得ます。

もちろん、在任中にノウハウを蓄積し、まとめておけば問題もないでしょう。しかし、人手不足もあって、どうしても急ぎの業務を優先してしまうため、自分がいなくなった後のことにまで手がまわりません。その結果、ノウハウが蓄積されないままになってしまうのです。

3つ目は中小企業の労働生産性の低さです。

2020年4月24日、中小企業庁が発表した「中小企業白書」の中で、「企業規模別従業員一人当たり付加価値額(労働生産性)の推移」を見ると、次のような結果(2018年)となっています。

企業規模・業種 従業員一人当たり付加価値額
大企業(製造業) 1,394万円
大企業(非製造業) 1,367万円
中小企業(製造業) 554万円
中小企業(非製造業) 543万円

中小企業と大企業を単純に比較して、中小企業のほうが労働生産性が低いのは当然ですが、問題は、2009年にリーマンショックの影響で大企業の労働生産性は999~1,080万円まで落ち込んだものの、その後、2018年までの9年間で300万円近くに伸びている点です。

2009年当時、中小企業の労働生産性は製造業で501万円、非製造業で521万円。その後の9年間でわずか20~40万円しか伸びていません。つまり、この9年間で大企業と中小企業では労働生産性において、大きく差が開いています。この労働生産性が向上しない現状も中小企業が抱える大きな課題といえるでしょう。

RPAはこうした課題を解消するのに最適なシステムであり、効果的な導入・運用を行えばさまざまなメリットが期待できるのです。

中小企業がRPAを導入するメリット

ここまで、中小企業でRPAの導入が進まない背景についてご紹介してきましたが、中小企業がRPAを導入するメリットもあります。ここでは2つの理由をご紹介しましょう。

1つ目は、生産性の向上です。

人間は業務手順が簡単な作業でもミスをゼロにすることは難しく、定型業務が長時間続くと業務効率は低下します。しかし、定型業務をRPAで自動化することで単純なミスをゼロにすることが可能です。また、RPAに業務を代行してもらうことで、従業員は定型業務を正確かつ迅速に期日までに処理するプレッシャーから解放され、心理的負担が軽減されるでしょう。

2つ目は、売上の最大化です。

ルール化が可能な業務をRPAに代行させることで、従業員は創造性が必要な業務、属人性が求められる業務に集中でき、ビジネスチャンスを逃すことがなくなります。さらに、RPAはデジタルトランスフォーメーションを実現する手段にもなるため、RPAを活用して企業全体の仕組みを刷新し、日々刻々と変わるビジネスのトレンドに取り残されない、柔軟な経営体制によって売上を拡大していくことが可能です。

中小企業のRPA導入で重視すべきポイント

ここでは、中小企業のRPA導入で重視すべきポイントを3つ紹介します。

業務の整理が重要

RPAの導入が成功するかどうかは、業務フローの可視化に懸かっています。

業務フローの可視化には業務の棚卸しと整理が必要で、非常に工数の掛かる作業です。しかし、業務フローの可視化をせずにRPAを導入してしまうと、費用対効果が得られない、効果的に活用できないといった課題に直面してしまいます。

自社に最適なRPAを導入するためにも業務フローを明確化し、さらにはどれくらいの頻度でどの程度の負担が発生しているのか、細かく整理しておきましょう。

また、担当者によってプロセスが異なっている場合は、統一するようにしましょう。異なるプロセスを踏んでいると、自動化する際にどのプロセスが最も効率が良いか判断に迷ってしまうためです。担当者間で業務フローについて話し合う機会を設け、客観的にプロセスの合理性を判断するようにしましょう。

まずは試験的に小規模で導入

RPAを導入する際は、まずは試験的に小さな規模で導入しましょう。全社で同時に展開するのではなく、1つの部署、1つのチームといった小さなユニットからRPAをテスト導入するのがポイントです。小規模で導入すれば、RPAを稼働する範囲やRPAを導入する目的、解決すべき課題といったポイントが明確になり、PDCAサイクルを回しやすくなります。

そして、スモールスタートで導入することは、チームや部署における成功事例をもとに、他のチームや部署の業務内容に応じた展開や最適化がしやすいというメリットをもたらします。

無料トライアルができるRPAであれば、本格的に導入する前に導入・運用時のイメージが掴むことができます。実際に現場で使用してみることで、従業員が自分たちで運用していけるかどうか判断することができるので、無料トライアル期間があるRPAは積極的にその制度を活用するようにしましょう。

サポート体制の充実したベンダーを選ぶ

人間なら臨機応変な対応ができますが、RPAは事前に決められた処理しかできません。したがって、予期しない処理が発生した場合は、誤動作を繰り返すか停止してしまいます。その際、RPAへの指示を変更するのは人が行うのですが、社内の担当者だけでは解決するのが難しいケースもあるでしょう。

そこで重要となるのがベンダーのサポート体制です。質問に対して迅速に回答してくれることはもちろん、社内にRPA運用に関する十分なスキルがない場合は、研修や業務の自動化を支援するサポートがあるかどうかも確認しておきましょう。

中小企業でRPA導入を進める際の注意点

中小企業でRPAを導入するメリット、重視すべきポイントを見てきました。そこで次は実際にRPAを導入する際、どのようなRPAを選択すべきか、その注意点を4つご紹介します。

RPAのできること・できないことを正確に知る

RPAはさまざまな業務の自動化を実現します。しかし、当然ながら万能ではありません。現在、最も普及しているRPAが得意とする業務は、毎月発生する請求書の作成や販売データの集計・入力というような定型業務の自動化です。もちろん、導入するRPAによって違いはありますが、RPAができること・できないことを正確に知っておかないと効果的な運用は難しいでしょう。

RPAによって動かしたい自社のシステムに対応可能かどうか確認する

多くの企業がRPAを使い生産性向上を実現している理由の1つとして、部署ごとに独立したシステムの連携を可能にする点が挙げられます。ただし、これもRPAの種類によって連携が可能なシステムと連携ができないシステムがあるため、導入前には必ず自社の既存システムに対応するかどうかを確認しましょう。

自社の作業量に合っているか確認する

ひと口にRPAといっても、大企業向けに高機能・多機能化したものから中小企業や特定業務の自動化を行えるシンプルなものまでその種類は多様です。そこで、選択したRPAが自社の作業量に合っているかどうかの確認を怠らないようにしましょう。

RPA推進を進める組織や担当者をおき、自社内でまわるようにする

RPAを使えば、基本的にはプログラミングの知識がなくても業務を自動化するロボットを制作可能です。ただし実際に運用する段階では、システムのバージョンアップや業務フローが変更になったときなど、頻繁にロボットの改修が必要になります。その際、まったくプログラミングの知識がないと改修が難しい場合もあり、そのたびに外部へ依頼していれば大きなコストとなってしまうでしょう。また、それでは社内でノウハウを蓄積することもできません。

 

そこで、社内にRPA推進・運用のための組織や担当者を設置し、簡単な改修であれば自社内でもまわしていけるようにしておくことが重要です。

中小企業もDXにむけた取り組みが必要

DXとは、Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の略です。英語圏ではTransをXと略すため、DTではなく、DXと略されます。ここではDXの概要をご説明し、中小企業でDXを推進する際の3つのステップをご紹介します。

DXとは?

DXは、2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が提唱した概念です。DXは「ITの浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という意味ですが、ビジネスにおけるDXの概念は「企業がテクノロジーを使って、事業の業績や対象範囲を根底から変化させる」という意味で使われます。DXはデータやデジタル技術の活用を軸に、以下の変革を行います。

・従来存在しなかった商品・サービス、ビジネスモデルを生成する。

・業務工程を再構築し、既存ビジネスに生産性の向上・コストカット・時間短縮を行う。

・業務を見直し、働き方を変える。

・DXを実現する土壌として企業の在り方を見直す。

デジタル技術が進歩する中で、企業の多くは利益を守るために競争力の維持・強化の必要に迫られています。そこで重要となるのが上記で挙げたDXの推進です。

しかし、企業の組織改革を含むDXの実現は非常に困難であるため、日本において本格的にDXの推進を行っている企業は一部にとどまっています。そこで、現在の日本企業に危機感を感じた経済産業省は、2018年9月に「DXレポート~ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開~(以下、DXレポート)」を発表しました。

「DXレポート」には企業の既存システムの老朽化や、ブラックボックス化などの問題が報告されています。また、レポートでは既存システムの問題を解決できない場合、2025年以降、日本経済に年間で最大12兆円の損失が生まれる可能性があると警告。この問題を「2025年の崖」と呼びます。2025年までにシステムの刷新を行えなかった場合に想定されるシナリオは下記の通りです。

・市場の変化に適応したビジネスモデルを構築できず、デジタル競争に敗退してしまう

・システムの維持管理費が高くなることで、技術的な負債を抱え、業務そのものの維持や継承が困難になる

・運用・保守の人員の不足により、災害・事故によるシステムトラブルやデータ損失、サイバーセキュリティなどのリスクが高まる

では、中小企業がDXを実現するにはどうしたらよいのでしょうか。

DXを実現するための3つのステップ

DXを実現するためには3つのステップがあります。

1つ目のステップは、ITの利用による業務プロセスの効率化です。

業務効率やクオリティを高め、それを維持するために業務プロセスの標準化を行います。

従来は、標準化された業務プロセスに合わせてマニュアルを作成し、従業員に遵守させることで、業務の効率やクオリティを維持してきました。しかし、従業員が人間である以上、ミスは必ず発生します。この問題を解決するのが、標準化された業務プロセスをコンピュータ上の「情報システム」に置き換えて効率化することです。具体的には紙の伝票の受け渡しや伝言で成り立っていた業務プロセスを情報システムに置き換えてデータ化していきます。

2つ目のステップは、ITによる業務の置換です。

業務を自動化することで従業員の労働時間や人的過失、安全管理などの工数を減らしたうえで、効率やクオリティをさらに高めることができます。RPAはこのステップにおいて効果を発揮するシステムです。

3つ目のステップは、業務とITがシームレスに変換される状態です。

近年は、さまざまな事象をデジタルデータとして広く捉えることが可能です。それに伴い、現実世界のデジタルコピーをリアルタイムに生成し、ネットにアップロードして活用することも容易となりました。このような仕組みをIoT(Internet of Things)、あるいはIoE(Internet of Everything)と呼称します。

IoTやIoEから生み出されたビッグデータは人力では解釈することが不可能です。そこで、AI技術の1つの機械学習を使うことで、高速かつ正確にデータを分析することができます。これにより、さまざまなデバイスで収集されたビッグデータから現時点での最適解を発見し、スピーディーに経営戦略へ反映させられます。

このように、ITと現場が一体となって業務プロセスの改善を高速で繰り返しながら最適状態を維持し、業務を遂行できる体制を構築できて初めてDXが達成できたと評価します。

中小企業を含め、ほとんどの国内企業はDXを実現しなくてはなりません。しかし、どのように進めていけば分からないという方もいるでしょう。そんな方に向けて、以下のURLでは「すべての国内企業が実現しなければならない『⽇本型DX』」として、詳細な資料を提供しています。興味のある方はぜひご一読ください。

https://fce-pat.co.jp/download/pointmain.php

まとめ

この記事では中小企業におけるRPA導入状況やRPAを導入するメリット、導入時に重視すべきポイント、DXに向けた取組みの必要性について解説してきました。

RPAは大企業だけでなく、しっかりとポイントをおさえて導入すれば中小企業にもメリットの多いツールです。ここでご紹介したポイントを参考にして、自社に最適なRPAを導入してみてはいかがでしょうか。

 

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RPAのトライアル前/トライアル中に押さえるべきポイント

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この記事を書いたコンサルタント

ロボパット編集部

広報部・編集長

ロボパットDX編集部です。
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