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三和ホールディングス株式会社

『ロボパット部』の発足が、現場に定着するターニングポイント
課外活動にすることで、仲間を作って心理的ハードルを下げる

不動産・住宅、総合通販サービス事業/ロボパット部
導入ライセンス
フル機能:1ID
従業員数
連結10,151人

不動産事業を展開する三和エステート株式会社、住宅事業を展開するMAKIHAUS株式会社、総合通販サービス事業などを展開するアイリンクス株式会社という3企業をまとめる、三和ホールディングス株式会社。グループ全体で働き方改革を推進しており、業務を効率化するための工夫を取り入れています。

この事例のポイント

  • ロボパットを導入するにあたり、部活を発足した

    メンバーを巻き込んでロボパットの導入を進めるため、「ロボパット部」を作ることにしました。業務時間内にロボットを作るのではなく、仕事後の課外活動のような雰囲気にしよう、と。プログラミングスキルがない初心者が集まり、上司部下関係なく、フラットにわからない部分を教え合いましたね。その結果、部員同士の結束が深まり、スピーディに導入できました。

  • 「RPAロボ 働き方改革コンテスト」を開催して社内の意識改革をした

    ロボパットの導入事例を発表するコンテスト「RPAロボ 働き方改革コンテスト」をロボパット部が主催しました。ロボパット部の部員4名が、それぞれ作成したロボットを「どれだけ業務が効率化されたか」「会社に与えた影響」とともに発表。グループ企業合わせて総勢30名が参加する盛況ぶりで、入部希望者も順調に増えています。このコンテストは、社内の業務自動化への意識改革にもつながったのではないでしょうか。

  • 自分が業務をこなしている感覚でロボットが作れた

    ロボパットの画像認識機能を使うと、自分が実際に業務をこなしている感覚で、ロボットを作成できます。「ゴミ箱のアイコンをダブルクリック」のように、見たまま指示することによって、その通りにロボットが動いてくれるのです。エンジニアでなくても感覚的に自動化を進められるので、「RPAツールは意外と取っ付きやすい」とイメージが変わりました。

三和ホールディングス

INTERVIEW

※以下、敬称略2020年1月22日に、「ロボパット」の導入事例を発表するコンテスト「RPAロボ 働き方改革コンテスト」が開かれました。2時間の発表で、グループ企業合わせて総勢30名が参加する盛況ぶりでした。 「ロボパット」を導入し、コンテストで業務自動化の成果を発表したのがアイリンクス株式会社(以下、アイリンクス)の4名。部長の眞子健太さんを中心に、小林加代子さん、鈴木朋子さん、小濱克明さんが集まり、ロボパットの導入を進める「ロボパット部」を結成されています。 今回、三和ホールディングス代表取締役社長の石井清悟さんと、ロボパット部の4名に、RPAツールを導入することになった経緯について伺いました

御社は、ロボパットを導入するにあたって部活を発足されており、本格的に業務自動化に取り組まれている印象です。改めて「ロボパット部」がどんな部活なのかを教えてください。

眞子部長

月1回、私を含めた部員4名 が業務時間外に集まり、自分が作ったロ ボットの発表と、より良いロボット作り の方法について話し合っています。「こ んなロボットを作りたいんだけど、うま くいかない」といった失敗箇所の相談も していますね。学生時代の部活動のよう に、和気あいあいと、時には苦戦しなが らも充実した時間を過ごしています。

「RPAロボ 働き方改革コンテスト」は、アイリンクスのロボパット部が主催だと聞きました。なぜコンテストを開くことになったのでしょうか?

眞子部長

コンテストをやりたいと決めたのは、ロボパット部を結成したときです。「発表する場があれば、ロボット作りにも精が出るかもしれない」と思いまして。グループ内で手間のかかるルーティン業務に悩まされている人が多いことから、自分ごと化してもらえるように「働き方を改善する良いロボットとは?」をテーマに置きました。 部員と「良いロボットとは何か」について話し合った結果、自分の業務を短縮することはもちろん、会社に良い影響を与えられることも重要だという話になりまして。各自、「どんなロボットを作ったのか」「どれだけ業務が効率化されたか」に加え、「会社に与えた影響」も発表しました。

具体的な発表内容について教えてください。

三和ホールディングス

小林

私は、「ふくふく本舗」という通販ブランドを運営する、セルフケア事業部に所属しています。商品の卸売と商品開発を担当しており、事業部の数字を見える化するための「実績集計ロボット」を作りました。
以前は、違うシステムを使う4業種の担当者が、それぞれ独自の方法で個別に集計した結果を、最終的にひとつの表に手作業でまとめていました。その業務をすべて自動化できるロボットを作りまして。もともと1人1日30分×4人=2時間かかっていたので、1日2時間(4人分)×30日=60時間の削減。寝ずに働くと仮定した場合、1カ月2.5日の削減が実現しました。1年で考えたら、寝ずに働くと仮定して30日の削減です。
ロボットを作る段階においては、作業をシンプル化することが重要だと学びましたね。誰でもできるようにシンプル化することで、ロボットにもできるようになります。そうして作業をロボットに任せ、属人化を防いで数字を見える化することで、チームでの意思決定が可能になるんです。
「チームで意思決定をする」という意識を持てば、チーム内から次の施策が湧いてくるので、最強の組織を作るのも不可能ではないと思います。

三和ホールディングス

小濱

僕は、セルフケア事業部で新規プロモーション担当をしています。2019年7月に入社して、まず覚えたのが「この媒体から何件の問い合わせがあった」といった広告媒体の効果集計でして。Excel数は10個以上、媒体数は19個以上というデータを手作業で集計していました。
「この煩雑な作業をどうにかしないと」と思ってるときに、眞子部長に入部の誘いをもらい、新入部員として入ることに。入社したばかりの頃は1日8時間ひたすらデータを集計していましたが、入社して半年で「効果測定ロボット」を作ってからは、1日18分で終わるようになりました。18分の作業もすべてロボットがやってくれているので、僕の作業は実質ゼロですね。
今は、ロボットが集計したデータをもとにして、より良い戦略を立てるところに時間を使えるようになりました。

三和ホールディングス

鈴木

私は、セルフケア事業部で通販の物流業務を担当していて、「在庫管理ロボット」を作りました。以前は、在庫管理の業務が属人化しており、私しかできない状況で。作業時間は1日1時間ほど、稼働日を20日と計算すると、1カ月20時間かけていました。しかも、代わりが効かない作業だったため、長期連休に出勤することもあったんです。
今は、すべてロボットが担っていて、在庫数の管理と不足しそうな商品のアラートを出してくれています。時間削減も叶ったうえに、在庫状況をメンバーに共有することで、データを見ながら「お客様に喜んでもらうには」という本質的な部分まで考えられるようになりました。

三和ホールディングス

眞子部長

私は、ロボパット部だけでなく、セルフケア事業部でも部長を務めておりまして。お客様との関係性を築くCRMチームの業務を効率化する「意思決定サポートロボット」を作りました。
CRMチームは毎月、「この月に新規購入したお客様が、次の月にはどのくらい継続しているのか」といった商品の継続率を集計しています。本来はお客様との接し方を考えるチームなのに、この集計業務に時間を取られ、本末転倒になっていたんです。何万行のデータが蓄積されているExcelを開くだけでも10分、作業完了までに半日かかっていましたから。 そこで、一気にデータを引き抜いて、自動的に継続率を出せるロボットを作りました。時間の関係で1カ月に1回しかできなかったのが、今はロボットが15分で完了させてくれるので、毎日できるようになりました。
導入後、「あのデータまだ?」というチームの不協和音がなくなり、前向きな議論ができるようになったのが大きな変化です。

みなさん、それぞれの役割に基づいて、効率化を成功されたんですね。
コンテストの結果はいかがでしたか?

眞子部長

結果、優勝したのは「実績集計ロボット」を作った小林でした。最終的にはグループ関係者が30名ほど集まり、入部希望者も順調に増えています。ただ、RPAツールの導入は、最初からうまくいっていたわけではないんですよ。実は、最初に他社のRPAツールを導入し、思うように浸透しなかったんです。

 

導入が順調じゃなかったとは、どういうことでしょうか……?

石井社長

「働き方改革」を念頭に置いて企業体質を改善することは、私の大きな目標でした。とはいえ、具体的に何をすればいいのかは全くの手探りで、やってはみたけれど空振りするばかり。他社の製品でRPAツールを導入してみましたが、現場レベルで運用するのが難しく、プロジェクト自体があいまいになっていたんです。

眞子部長

最初にRPAツールの導入を試みたときは、理系出身のシステムが得意な社員にロボット作りを任せました。ロボットは無事できたのですが、メンバーに共有したとき、「なんか難しそう」で終わりまして。違う世界の話に捉え、誰ひとりとしてロボットに触ろうとしなかったんです。
結局、最初にロボットを作ってくれたメンバーは独立し、RPAツールを使える人がいなくなってしまいました。

三和ホールディングス

プログラミングのスキルがあるメンバーに頼り、結局は社内に定着しなかった、と。

石井社長

そうなんです。そんなときに、FCEさんから、ロボパットの無料トライアルのお誘いをいただきました。
「無料なら少し試してみよう」ぐらいの気持ちで始めたのですが、担当である近藤さんのフォローもあり、現場がどんどん主体的に活用してくれたんです。これまでRPAツールを根付かせることに苦労していたので、ロボパットが浸透するスピード感には驚きました。

眞子部長

ロボパットを導入する段階で「どうやったらメンバーを巻き込めるだろう」と考えたとき、思いついたのが部活動にすることでした。業務時間内で『ロボットを作らないといけない』のではなく、仕事が終わったあとの課外活動のような雰囲気にすればいいのではないか、と。
そこで、メンバーを誘って、近藤さんにもサポートしてもらい、部活動を発足することに決めました。

小濱

最初は、RPAツールは敷居が高いイメージがありました。でも、眞子部長に誘ってもらい、「部活動なら楽しく乗り越えられるんじゃないか」と思いまして。ロボット作りのモチベーションを保てた理由は、コンテストというゴールを作り、それに向かって一致団結できたからだと感じています。

小林

上司部下関係なく、部員全員が同じ知識レベルだったので、心理的なハードルを低くしてスタートできました。みんなでフラットに話し合いながら、わからない部分を教え合う。こうした部活動を通して、部員同士の結束も深まり、スピーディに導入できたのだと思います。

三和ホールディングス

部活動という形が功を奏したんですね。実際にロボパットを触ってみて、使いこなせそうだと感じましたか?

眞子部長

画像認識機能によって、自分が業務をしている感覚でロボットが作れるので、簡単だと感じました。この機能がなかったから、以前のRPAツールと同じように、浸透しなかった可能性もあるかと。
視覚のまま指示することで、ロボットがその通りに動いてくれるため、だんだんと愛情が湧いてくるんです。無機質に文字列が並べられたロボットだったら、こんなに愛情は湧かないと思います。

鈴木

以前のRPAツールで、前担当者がロボットのデモンストレーションを発表したことがありまして。「今はこの作業を自動化しているんだよ」と教えてもらいましたが、文字の羅列だったので、自分でできる気がしませんでした。
しかし、ロボパットは画像認識機能があるので、自分の脳内の通りに動かせています。「RPAツールは意外と取っ付きやすいんだ」とイメージが変わりましたね。

小林

あとは、弊社の担当である近藤さんにサポートしてもらったからこそ、ここまで使いこなせていると感じます。不明点も細かく教えてもらえたので、立ち止まることなく前に進めました。

三和ホールディングス

画像認識機能と担当者のサポートがポイントだったのですね。弊社としても力を入れている部分なので、メリットに感じてもらえて良かったです。そのほか、導入してみて感じるメリットはありますか?

鈴木

私がメリットに感じるのは、考え方が変わったことです。実際にロボットを作ってみて「自分さえ分かれば大丈夫」という考え方が、「チーム全体をどう良くしていくか」という考え方に変化しました。
以前は、自分だけが抱えている在庫管理業務に関して「私のやり方が正しいもの」というプライドを持っていたんです。しかし、通販会社にとって、在庫は命のようなもの。私だけが在庫を抱えるのはリスクが高いし、メンバーにも在庫状況を共有するべきだと思い、ロボットを作ることにしました。
正直、属人化していた自分の業務をなくすのも、自分の考えを変えるのも勇気が必要でしたね。「自分だけが回せる自分だけの仕事」というプライドの殻はとても分厚くて。でも、ロボパット導入をきっかけに殻を破ってみたら、「みんなに共有して、その分、お客様と会社にとって有益なことに時間を使ったらいいんじゃないか」という考え方になりました。
私にとってロボパットは、お客様のためになること、成果につながることを考える時間を捻出してくれる、パートナーのような存在です。

眞子部長

鈴木は、ロボパット部に入ってから、性格も変わった気がします。以前は、ひとりでこなす完璧主義者でしたが、今は「みんなができるようにするにはどうするべきか」というスタンスになったというか。

石井社長

私はコンテストを見て、内容は甲乙つけがたかったのですが、鈴木に投票しました。その理由は、業務が変わっただけではなく、考え方も変わったから。RPAツールを導入して業務を効率化するのはもちろん重要ですが、真髄にあるのは、考え方自体が変わることだと思うのです。
今の世の中、収入の二極化が進んでいます。二極化の要因は、「考えられる人」と「作業をする人」に分かれていることだと考えていて。三和ホールディングスでは、自分で考えて仕事を作り出せる人を増やしていきたいのです。
ブレインの部分は人間が担い、作業の部分はロボットが担う。ロボットを導入することは、アルバイトスタッフを雇うような感覚ですよね。メンバー一人ひとりが仕事を進めるなかで、好きなだけアルバイトスタッフを雇い、煩雑な業務をお願いできたらとても良いと思いませんか?
現在、セルフケア事業部は9名いるので、ひとりが10個のロボットを作ったら、90名のアルバイトスタッフを雇うのと同じになります。社員とアルバイトスタッフを含めて100名近くいる会社なのに、実際は9名で運営している、と。そうなれば、収益力の高い会社になるし、各社員の報酬にも返ってくるでしょう。その状況を叶えてくれるのがロボパットなのだと思います。

三和ホールディングス

最後に、今後の展望について教えてください。

眞子部長

今の部員はアイリンクスのメンバーのみですが、今後はグループ全体で部員を増やしていきたいと思っています。グループ内に業務効率化に興味をもつメンバーが増えたら、全体的に改善意識が高い組織になっていくはず。意識を保つためにも、半年に1回くらいのペースでコンテストを続けていきたいですね。

小林

私がパソコンを使い始めたのは、29歳からでして。スタートは遅めなのですが、いざ使ってみるとパソコン作業が自分に合っていると感じ、エンジニア職への憧れが生まれました。ただ「私もエンジニアさんのようにシステムを組みたい」と思ったものの、チャレンジせずに諦めていたんです。
そんなとき、ロボパットに出合い「ロボパットと一緒なら、今からでも自分の夢に近づけるかもしれない」と感じて。「さらにロボパットを使いこなして、業務の自動化を進めていく将来の自分」を思い描き、ワクワクしています。

鈴木

部員が増え、ロボットや作業効率化についてワイワイと議論するのが楽しみです。将来的には、ロボパットをひとり一台導入し、現場の全員がエンジニアレベルのロボットを作れる時代が来るのではないかと思っています。

石井社長

ある日、FCEの永田プロセス&テクノロジー事業本部長から「日本型DX(デジタルトランスフォーメーション)」の話を聞きました。技術者が圧倒的に足りない日本型のDXは、システムでどうこうできる話ではない。現場がITの力を借りて主体的に組織改革をしていくよう、企業文化を変革する必要がある、と。
その話を伺ったとき、事業部門が自ら業務を自動化できるロボパットは、日本型DXの推進を体現していると思いましたね。画像認識機能をはじめとした使いやすさの土台には、「日本型DXを推進する切り札になる」という考え方がある。そして、現場が迷うことのないよう、導入サポートまで力を入れている。
弊社はこうした考え方に納得したうえ、現場社員同士のつながりを作る部活動にしたことで、より事業部門に根付いたのではないかと考えています。RPAツールが現場に浸透しないと悩んでいる企業がいたら、ぜひ部活動を作ってみることをおすすめしますね。
そして、よろしければ弊社の部活動を見に来てください。日本型DXの実現に向けて一緒に頑張っていける仲間の輪を、社内外問わず広げていきたいと思っています。

 

導入担当者からのコメント

近藤 恭子 パートナー支援部・チーフコンサルタント

三和ホールディングス様の導入成功にあたってのポイントは、「ロボパット部」を発足されたことです。終業後に集まり、みなさん和気あいあいとロボットを作っていらっしゃいました。「RPAロボ 働き方改革コンテスト」にも顔を出させていただいたのですが、すばらしいイベントでしたね。私のなかでは、ロボパット部のみなさんが優勝です!

この記事を書いたコンサルタント

近藤 恭子

パートナー支援部・チーフコンサルタント

ICTインフラの総合サービス企業で7年の営業職経験後、出産育児を機に、一旦事務職へキャリアチェンジ。組織風土や人材育成の研修担当として、顧客満足度向上に取り組んだ。現在は、これまでの経験と視点を生かし、九州地区を中心とした企業の業務改善支援・生産性向上のアドバイスを行う。活動モットーは「目標は顧客満足度100%」。福岡在住、2児の母でもある。

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