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医療法人社団恵怜会

訪問診療クリニック内の煩雑なレセプト業務を自動化することで業務効率化とスタッフのQOL向上を実現
ロボパットを活用した訪問診療クリニック特化型ソリューション「モレナク」とは?

医療(神奈川県)
導入ライセンス
実行機能:1ID

医療法人社団恵怜会では、神奈川県大和市(山本クリニック)と相模原市(相模ライフクリニック)で主に訪問診療を行っています。

この事例のポイント

  • 訪問診療クリニック特化型ソリューション「モレナク」の活用

    モレナクとは、ロボパット販売代理店QUEEN'Sが提供する、ロボパットを活用した訪問診療クリニック向け業務自動化シナリオパッケージです。モレナクの活用により、レセプトに必要なデータを”漏れなく”自動でチェックできるようになりました。

  • ロボパットによりさまざまな自動チェックが可能に

    ロボパットにより、頻回訪問加算などの抜けの多い点数を、抜けないように細部まで自動でチェックできるようになりました。また、カルテを参考にして居宅療養管理指導書の自動作成も行えます。

  • ロボパット導入前と導入後でクリニックの働き方に変化が生まれる

    従来は、レセプトの算定漏れを3名で3日間かけてチェックしていましたが、現在は夜間にモレナクで自動チェックをかけています。これにより1名による約1時間のチェックで漏れをなくせる状態になりました。また、居宅療養管理指導書の作成は、従来は毎日1時間ほどかけて医師が作成していましたが、モレナクで自動作成することで、作成にかかる業務時間がほぼゼロになりました。

INTERVIEW

※以下、敬称略近年、少子高齢化に伴い医療の需要が増加する一方で、労働人口の減少が深刻化している状況です。そのため医療業界においても、RPAなどを活用し業務を自動化する取り組みが積極的に進められています。
今回は、ロボパットを活用した訪問診療クリニック向けソリューション「モレナク」の提供元となる、ロボパット販売代理店「QUEEN'S」の林代表と、モレナクを導入したクリニックである「医療法人社団恵怜会」事務長の藤谷様に、導入前の課題や導入後の効果などについてお話を伺いました。
※2024年4月現在

本日はお忙しい中ありがとうございます。
最初に、医療法人社団恵怜会様の概要と事業内容を紹介してください。

医療法人社団恵怜会

藤谷

医療法人社団恵怜会は現在、神奈川県の大和市と相模原市に2つのクリニックを運営しています。
おもに訪問診療を行っており、医師が13名、スタッフが20名の合計33名で運営しています。
地域の皆様のご協力のもと、大和市や相模原市を中心に、多くの居宅と施設の患者さんを診察しています。

当法人の基本理念は、在宅の総合病院を目指すことです。
そのため、診察科目を徐々に増やしてきました。
一方で患者数の増加に伴い、事務作業に関して算定漏れが増えたり、残業時間が増えたりすることが課題となっていました。

続いてQUEEN'Sの林代表にお聞きしますが、今回導入された「モレナク」はどういったツールなのでしょうか。

モレナクは、ロボパット販売代理店である当社QUEEN'Sが提供する、ロボパットを活用した訪問診療クリニック向け業務自動化シナリオパッケージです。
レセプトに必要なデータや、訪問診療に必要な業務を漏れなくチェックし、サポートできる自動ツールです。
モレナクでは、RPA「ロボパット」を活用して電子カルテと医事システムを連携させることにより、通常は目視で確認する作業を自動化できます。

※「レセプト」=診療報酬明細書。医療機関が健康保険組合などの保険者に対して医療費を請求する際に発行する。

医療事務の現場では、事務員さんが膨大な計算やチェック作業に追われており、本来の業務が滞っている点が課題です。

モレナクを導入することによって、以下のようなメリットが得られます。

・リスト出力で加算が見える化
・クリニックに合わせた加算チェックをカスタマイズ
・対象患者が少ない管理料もしっかり請求
・診療報酬改定も自動対応
・リアルタイムな地域連携
・クリーンなレセプト請求で監査も安心
・低コストで医療DX
・自動化で残業削減

モレナクによって、診療報酬請求における漏れ対策が可能です。
例えば、疾病による在宅指導管理料の算定漏れや加算漏れ、訪問実績による算定漏れの防止などを実現できます。
また、返戻支援や病名漏れの防止、加算の過剰請求の防止もサポートします。
カルテの整備や保険情報のチェックも行い、正確な請求を確保できる点もメリットです。

現在、モレナクをどのような業務で活用されていますか?

藤谷

最初に作ったのが、レセプトの算定漏れをなくすロボです。「頻回訪問加算」といった抜けの多い点数を、漏れがないように細部まで自動でチェックできました。

また、電子カルテを元にして「居宅療養管理指導書」などの医事文書を自動作成するロボで、ここがもっとも工数がかかっているため非常に助かっています。

当院の場合、患者さんのご自宅へ行くため、書類の作成数が非常に多くなります。
この点は、院内で診療を行う一般的なクリニックとの違いです。
そのため、患者さんが増えるとともに診療が増え、書類も増えることが課題でした。
「居宅療養管理指導書の作成を自動でできたら、もっと患者さんの診察時間に充てられる」と考えていましたが、モレナクによってそれが実現できています。

医療法人社団恵怜会

モレナクの導入によって、それぞれの業務にかかる時間はどの程度削減されたのでしょうか?

医療法人社団恵怜会

藤谷

以前まで、当院では3名のスタッフが3日間かけてレセプトの請求漏れをチェックしていました。
しかし、それでも請求漏れを抑制できませんでした。現在は、夜間にモレナクが自動チェックを実施するため、1名あたり1時間程度のチェックで漏れをなくせる状態が実現されています。

一方、居宅療養管理指導書の作成については、以前まで医師が毎日1~2時間ほど費やしていましたが、現在はカルテを元にモレナクが自動で作成してくれています。
そのため、医師が居宅療養管理指導書の作成にかける業務時間は、ほぼゼロに等しくなりました。
残業時間の削減にもつながっており、もともと当院の事務員の残業時間は一般的な水準よりも少ない10時間から15時間程度でしたが、現在はその半分程度にまで抑えられています。

レセプト業務において、モレナクが有用だと思われるのはどのような点でしょうか?

レセプト業務では、事務員が簡単に請求できるもののほかに、請求する際にさまざまな作業を伴うものがあります。
特に「包括的支援加算」と呼ばれる加算のチェックは、非常に手間のかかる作業です。
対象者がそれほど多くないにもかかわらず、確認作業には膨大な時間がかかってしまいます。

モレナクを活用すればこの確認作業を自動化できるため、作業時間を大幅に削減できます。
優先すべき加算の点数は他にも多くあるため、他のクリニックにもぜひおすすめしたいポイントですね。

RPAとしてロボパットを選んだ理由を教えてください。

藤谷

QUEEN'Sさんからご紹介いただき、同社のバックアップのもとシステムを作っていくことが決まったため、ロボパットしか検討していませんでした。

当時、当院の拡大に伴いスタッフが増えたため、それぞれのクリニックで独自のルールが生まれるようになりました。
その結果、人的ミスが増加し、加算点数の計算ミスが経営に影響を及ぼすことが課題でした。
また、スタッフに不適切な作業の癖がついてしまうと再教育は難しいため、トップダウンのアプローチでも問題を解決しにくくなります。
こうした背景から人的ミスを減らすため、RPAに業務を自動化してもらう必要があり、ロボパットの導入に踏み切りました。

当初からレセプト業務や医師文書の作成など、さまざまな業務改善につながるだろうという期待感はありました。
トライアルの段階では、まだ完全な形ではありませんでしたが、医師文書の自動生成など、何ができるのかを確認した時点で大きな可能性を感じました。

モレナクを導入してスタッフへ浸透させるまでに、どのような苦労がありましたか?

藤谷

モレナクの導入で一番苦労したのは、スタッフに使ってもらうことでした。

もともと自分で手作業していたものが「自動化できる」といわれても、ロボの作業を信頼できないスタッフも多かったようです。
そのためロボの作業のあとに自分でも確認してしまい、二度手間になって時間がかかるため、導入が思うように進みませんでした。

しかし、粘り強く利用を促したり、不安の相談に乗ったりすることで、ようやくスタッフにも安心して使ってもらえるようになりました。

医療法人社団恵怜会

こちらからの働きかけの他に、スタッフ同士での口コミや体験談も、浸透に非常に効果的だったと思います。

「これ、やったほうがいいよ」「楽になって早く帰れたよ」という言葉を、同じ業務をしている他のスタッフから聞くと、「そうなんだ」と納得してもらいやすくなります。
特に、複数のクリニックで働いているスタッフが、それぞれの経験や差を共有することは非常に効果的だったと思います。

また、当院ではQUEEN'Sさんからのバックアップの下、ロボを自動化できました。
既製品を導入するのではなく、スタッフに寄り添い作り上げていくことによって、スタッフの細かな不安も解消され、「普段私がやっていることと一緒だから、ロボに任せても大丈夫」という信頼感が生まれました。

モレナクの活用にあたって、QUEEN'Sさんからはどのようなサポートを受けたのでしょうか?
同社の良い点を教えてください。

藤谷

当院の医事システムと電子カルテのシステムはそれぞれ独自のものですが、QUEEN'Sさんのご協力でロボットによる自動化がスムーズに実現できて感謝しています。
レセプト業務も非常に複雑で、スタッフからの要望も多いため、私たちだけではRPAで作りこむことは難しかったと思います。

今回の取り組みが、QUEEN'Sさんのおかげで実現できたことは本当に大きな一歩でした。

また、新しいスタッフや未経験のスタッフが短期間で複雑な業務を理解し、当院のルールに適応できるようになっていく様子にも、大きな成果を感じています。
結果的に、スタッフ全員の成長にも貢献してもらえました。

モレナクを導入してから分かったこと、RPAに対する考えが変わった部分などはありましたか?

藤谷

医療の分野では、これまでRPAを使った経験がなかったため「ロボットで大丈夫なの?」と不安視されることもありました。
しかし実際に導入した結果「使ってみたら便利だった」という声が多かったですね。
特に時間の効率面では、人が寝ている間や働いていないときにロボが動き、入力ミスや漏れなどがないことは効果的だと思います。

その結果、スタッフのロボに対する認識が変わりました。
以前は、腫れ物を触るように扱っていた人が多かったのですが、今は「これもロボにしてほしい」と自らQUEEN'Sさんに依頼するまでになりました。
スタッフがレセプト業務により興味を持ち、自らロボ化を提案してくれるため、クリニックの業務がどんどん自動化していくので、残業もかなり減りスタッフのQOLも上がったと思います。

医療法人社団恵怜会


これは他のクリニックにも当てはまることだと思いますが、RPAの導入を進めようとしても、どうしても最初は抵抗されると思います。
ですが、まずはとりあえず試してみる姿勢が大切だと思います。
これは経営者や上層部の方々も同じです。RPAを実際に使ってみることで、必ず効果を体感できます。

ありがとうございます。素晴らしいお話ですね。
QUEEN'Sさんでは、クリニックのスタッフの方々と直接コミュニケーションを取ることを意図的に行っているのでしょうか?

今回、モレナクを導入する際、業務手順の統一化を実現したいというご要望を頂きました。
もともと作業手順の属人化が進んでしまっており、同じ業務でもAさんとBさんでやり方が異なるといった状況があったのです。

そこで、スタッフの皆様とコミュニケーションをとりながらさまざまな意見を聞き、相互に譲り合ってルールを統一化していくよう調整しました。

今後、モレナクを活用して、どのようなことを実現したいですか?

藤谷

ロボパットに代替できる業務があれば、どんどん自動化を進めていきたいですね。
現場スタッフから「これもロボパットで自動化できないか」と声が上がるようになってきましたが、今後は新しく入社したスタッフの視点もどんどん加えたいです。

ロボパットの新しい活用方法を生み出していくことで、今以上に仕事の質の向上ができると期待しています。
そうやってスタッフが自分で考えて、行動する、自走する会社を実現できればと考えています。

最後に、RPAの導入を検討中の他クリニックへメッセージをお願いします。

藤谷

経営者の皆さんは、人員配置について悩むことが多いと考えられます。
実際、従業員がルールを守り続けることは容易ではありません。また、企業が成長するにつれて、運営に影響を与える差異が生じる可能性はあります。

特に医療業界では、国が定めた報酬ルールに従わなくてはなりません。

報酬ルールが決まっており、それを実践するのは事務員やスタッフです。
こうした状況においては、人とロボを有効活用することが重要です。

そのことに早く気づいて、RPAによって自動化できる部分は自動化し、人が適切に対応すべき部分は人に任せることが大切になると思います。
RPAによってミスが減れば、働き方の改善や売り上げの向上につながっていくでしょう。

 

この記事を書いたコンサルタント

株式会社QUEEN'S

私たちQUEEN‘Sは、人を想い、テクノロジーで新たな価値を創造する、を企業理念にしております。

人のためにテクノロジーが生まれ、人の価値を最大限に高めていけるようクライアント様のこうしたい!に寄り添っていきたいと考えております。

どんな事でも共有いただき、たくさんお話しいただけると嬉しいです。

「モレナク」へのお問合せはこちら

https://queen-s.jp/inquiry/(QUEEN'S社のサイトへ遷移します)

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