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株式会社梅里物流サービス

来たる2025年の崖、『スーパー事務員さん』が私たちを救ってくれる
DXを推進する物流企業に聞く、中小企業の生存戦略

一般貨物輸送業(茨城県)
導入ライセンス
フル機能:1ID

「ありがとうを一番集める物流グループになろう!」を社訓に掲げる、株式会社梅里物流サービス。
茨城県にある本社を含めて、東北から九州まで8 つの拠点をもつ、物流に関する幅広い事業を展開する企業です。

この事例のポイント

  • 中小企業の存続戦略としてRPAを活用

    人手不足が加速するなかで、「大企業でさえ採用の不安があるのに、中小企業はこのままで生き残れるのだろうか」と危機感を抱きました。中小企業が生存するには、現場のメンバーが率先して業務を改善しなければなりません。
    その一端を担うのが作業を自動化する「RPA」であり、プログラミングの知識がなくても扱える「ロボパット」です。

  • ロボパットの活用で、人がイキイキ長く活躍し続けられる環境を作る

    私たちにとってロボパットは、時間問わずミスなく業務をこなしてくれる「スーパー事務員さん」のような存在です。この“人間では到底マネできない存在”は、従業員の意識を変えるきっかけをくれました。以前「体力的にきつくて辞めたい」と相談されることもあったのが、今では「私、まだここで使っていただけますか?」と。
    イキイキと働く姿を見ると、本当にうれしい気持ちになります。

  • RPA導入成功の秘訣はトライアル期間の活用の仕方

    中小企業の担当者がボトムアップで導入を進めるとき、決定権のある役職者に納得してもらうため、トライアル期間をうまく活用してみてください。無料で使えるうちにロボットを完成させ、トライアル期間が終わる頃には「ロボパットがなければ業務が回らない」という状態を作っておく。
    僕は、トライアル期間が始まってから2週間ほどで、ロボットをひとつ完成させました。

INTERVIEW

※以下、敬称略株式会社梅里物流サービスは、2019年9月よりロボパットを導入しています。
まだアナログな業務が多い物流業界において、ITツールを積極的に導入してデジタル化を進める背景には、どんな思いがあるのでしょうか?
管理本部 副本部長の倉持修一さんに話を伺うと「2025年の崖に備えた、中小企業の生存戦略」だと話してくれました。

ロボパットは「スーパー事務員さん」。管理部門の業務を自動化

今回は「物流企業におけるロボパットの活用」というテーマでお話を伺えたらと思っております。

倉持

よろしくお願いします。まずお伝えしたいのは、私はロボパットの導入を「人材不足の課題を乗り越えるための、中小企業の生存戦略」だと捉えていることです。
以前、株式会社FCEの永田プロセス&テクノロジー事業本部長が講演会で話されていた「DXを推進して既存システムのブラックボックス化を解消しないと、2025年にシステムの十分な管理や運用ができなくなる『2025年の崖』が到来する。 しかし、IT人材の不足は深刻さを増し、エンジニアの確保が難しい。こうした状況でありながら、企業は成長のために最新のIT技術を使い、環境の変化に適応していかなければならない(※)」という内容。
※「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~」経済産業省より
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/20180907_report.html

この話を聞き「圧倒的な人材不足を前に、大企業でさえ採用の不安があるのに、私たち中小企業はこのままでは生き残れないかもしれない」と危機感を抱きました。エンジニアに頼れないのであれば、現場で働く自分たちで業務を改善していかなければならない。これこそ、来たる2025年の崖に向けて、中小企業が取るべき生存戦略だと思います。
その一端を担ってくれるのが、ロボパットのようなRPAではないでしょうか。
私は、ロボパットを使ってみて「なんでもこなしてくれる『スーパー事務員さん』が入社してくれた」と感じています。夜中でも早朝でも、ミスなくスピーディに業務を進めてくれる人材は、どこを探してもいないでしょう。

2025年の崖に備えて採用した、スーパー事務員さん・・・!
具体的に、スーパー事務員さん(ロボパット)には、どんな業務をお願いしているんですか?

倉持

主に、バックオフィス業務を担当する管理部門で活躍してもらっています。例えば、給与の振込用データを加工する業務です。
以前は、給与計算システムから吐き出したCSVのデータを、「いらない列を削除して、数字を区切り、書き換えて・・・」と加工し、ネット銀行のシステムにアップロードしていました。
このような細かな作業を手動でやると、手間が大きいうえ、「間違えは許されない」と精神的プレッシャーがかかっていました。まったく違う金融機関に、違う金額を振り込んでしまう可能性があるため、数字ひとつの間違えでさえ許されませんから。
しかし今は、ロボットのスイッチを押すだけで一切のミスなくデータが完成するため、精神的プレッシャーから開放されました。また、1〜2分ほどで完了するので、作業時間も短縮できています。

給与の振り込みに関するミスは、会社の信用問題にも関わりますよね。
ほかにも、生産性が向上した業務はありますか?

倉持

運送業システムに運送データを入力する業務も、スーパー事務員さんにお願いしています。
担当者が各自のパソコンでデータ入力できる環境は整ってはいるのですが、皆が皆高度なITスキルを持ち合わせているわけではありませんし、何よりその業務があることによってその人のパフォーマンスが上がるわけではありません。
その上、教える側のコストもかかってしまいます。「果たして、システムの使い方を教えることに労力を使うべきなのだろうか?」。こう疑問が浮かび、ロボパットが自動でデータを入れてくれるよう、シナリオを組むことにしました。
今ではボタンひとつで、1カ月3~400件ほどのデータを短時間で間違えることなくシステムに入力できています。

「辞めたい」から「まだここで働きたい」へ。従業員の意識改革

スーパー事務員さんが仲間になり、もともと在籍していた従業員の方の意識は変わりましたか?

倉持

大きく変わりましたよ。以前、「体力的にきついから辞めたい」と相談されたこともありました。私より年長の従業員も多く、そういう方が遅くまでパソコンと向き合っているのが、私自身、見てて忍びなかった・・・。 しかし今は、定時で帰宅できるようにもなり「体力的、精神的負担が少なくなった」とイキイキ働いてくれているんです。それは心からうれしいし、ありがたいことです。
辞めるどころか「私、まだここで使っていただけますか?」と心配していて。「スーパー事務員さんがいるからもういいよ!」なんて冗談で返せるのも、ロボパットのおかげです。

仕事風景

なんて素敵なお話。聞いていてうるっとしました。

倉持

本当によかったですよ。それまでは、一心不乱にパソコンと向き合っていて、簡単な会話すらしにくかったですから。
ロボパットの活躍によって時間が生まれたので、従業員と積極的にコミュニケーションを取るようにしています。
これまでは私が「1」話しかけたら従業員から「0.5」返ってきていたのが、今では「3」にも「4」にもなって返ってくるようになったのではないかと感じています。
先日も「実は、こんなことを思っていたんですけど・・・」と従業員からアイディアを提案してくれたんですよ。
相談しやすくなるということは、トラブルを未然に防ぐことに繋がる。一見、仕事に関係なさそうな無駄話にも、毎日を働きやすくするヒントは隠されている。アイディアが飛び交う環境になると、業務改善がしやすくなる。「時間をかけて一人ひとりとコミュニケーションを積み重ねていくことは、会社の未来に投資すること」とロボパットが教えてくれました。

ロボパットによって削減された業務時間を、対話の時間に充てている、と。

倉持

はい。RPAの導入で見るべき本質は、「『◎時間の削減を目指す』という数字に囚われることではなく、『作り出された時間で何をするか』を考えること」です。
と言いますのも、時間を削減したところで人件費が減るわけではないし、その他のコストカットに直結しません。削減されたというよりはロボパットによって生み出された時間を使って「行動」し、成果につなげていくことが、真にRPAを活用できていると言えるのではないでしょうか。

 

トライアル期間中に、ロボットを手放せない環境を作る。中小企業のRPA活用法

取材の冒頭で「2025年の崖を超えるために、中小企業こそRPAを使っていくべき」とおっしゃっていたのが印象的でした。
そこで、「中小企業のRPA活用法」を深掘りしていきたいのですが・・・そもそも御社は、なぜロボパットを選ばれたのでしょうか?

倉持

プログラミングの知識がない現場担当者でも使えるツールだったから、です。
多くの大企業が導入しているツールもいくつか試してみたのですが、どれもとっつきにくく、本格的に導入するに至りませんでした。そりゃそうですよ、大企業はシステム部門の担当者がロボットを作っているんですもん。
専門の知識をもつ人材がいる大企業と、現場担当者がRPAを使わなければならない中小企業では、相性がいいツールは異なります。
2025年の崖が迫っているなかで、IT人材の不足が進み、中小企業はこれからもエンジニアを採用するのは難しいでしょう。持続可能な会社を作っていくためには、自分たちの手で未来を変えていけるツールを選ばなければならない。だから弊社は、ロボパットを導入することに決めたんです。
実際、スムーズにロボット作りを進められていますよ。今は私がひとりで担当していますが、自動化に興味がある従業員がいたら、少しずつ伝授していきたいですね。

中小企業の担当者がボトムアップで「ロボパットを導入したい」となったとき、決定権のある役職者に納得してもらうことは、ひとつのハードルになるかと思います。
気持ちよく納得してもらうために、担当者はどうすればいいでしょうか?

倉持

ロボパットのトライアル期間内で、ロボットを作って稼働させるのがいいかと思います。
結果として、トライアル期間終了後に「ロボットがなければ業務が回らない仕組み」が完成していれば、導入しない理由はありませんから。
私は、トライアル期間が始まって2週間ほどで、ドライブレコーダーのデータから「運転日報」というファイルを作り、そのまま印刷してくれるロボットを組み立てました。これまでは毎日手作業で、ドライバー約90名分のファイルをダウンロード・印刷していたのを、すべて自動化したんです。こうしてトライアル期間中に仕組みを作り上げたことで、社長もロボパットの導入を快諾してくれました。

トライアル利用画面

なるほど。無料で使えるうちに、ロボパットを手放せない環境を作るということですね。

倉持

はい。ただひとつ注意していただきたいのが、「膨大なシナリオのロボットを作ろうとしたときは、一旦初心に立ち返る必要がある」ということ。複雑な工程を踏まなければならない作業は、その業務自体に問題がある場合が多いんです。
実際、たくさんのステップがある業務を自動化していくなかで「そもそも、業務自体をもっと簡素化するべきなのでは?」と気づき、お蔵入りになったロボットもあります。結局そのロボットは使いませんでしたが、ロボパットが本質的な業務改善をするきっかけを作ってくれました。
人材不足の波が到来するにあたり、これまでやってきたフローをそのまま続けていては、業務が回らなくなる可能性があります。「すべてを自動化させる」ことに囚われず、広い視野をもって自動化を進めていくといいのではないでしょうか。
失敗なんて大したことない。まず一歩踏み出すのが「デジタル化」成功への道

今後、ロボパットを使って実現したいことがあれば教えてください。

倉持

現在は、管理部門をメインにロボパットを使っていますが、今後は売り上げを伸ばすところにも活用していきたいです。
例えば、物流企業と荷主のマッチングサイト。物流企業と荷主の「いつ、どこで、どんな荷物を、どの時間帯に、どこへ運ぶ」というニーズがマッチすれば案件につながるのですが・・・物流企業の担当者は、サイトを頻繁にチェックしておかないと、案件の機会を逃してしまうことになります。だから、チャンスをつかむ確率を高めるため、サイトの最新情報が常に流れてくる仕組みを作りたいです。
先日バージョンアップされたロボパットDXでは、「高速スクレイピング」機能が追加されたので、大活躍してくれるのではと期待しています。
あとは、ロボパットに新しく搭載された、紙のテキストをデータ化してくれる「Pat‐OCR」にも興味があります。物流業界は、まだまだ紙がなくならない業界です。しかし、これからの時代、いずれにせよ紙に書かれた情報を、データとして保存しておかないといけません。
「Pat‐OCR」を使えば、ファックスで届いたお客様情報を、目視でパソコンに打ち込む必要がなくなる。かなりの効率化が実現するので、期待に胸を弾ませています。

ロボパット画面1
ロボパットDXのバージョンアップで追加となったスクレ―ピング機能を使い、売上向上につながる仕組み作りができないか検討しているという。

今後は「Pat‐OCR」の導入も視野に入れながら、さらなるデジタル化を進めていこうと描かれているのですね。

倉持

そうですね。物流業界はアナログで業務を進めることが多いですが、それを今すぐデジタル化するのは、企業ごとにタイミングがあるので一概に良い悪いとは言えません。
しかし、政府がDXを推進し、大企業もデジタル化を進める流れのなかで、いつかは中小企業にも波が来るでしょう。今後、私たちが生存するためには、大変な思いをしても時流に乗らなければならないと思います。
私は、梅里物流サービスの業務改善プロジェクトを引っ張る立場として、ロボパットやクラウド人事労務ソフト「SmartHR」をはじめとした、さまざまなITツールを導入してきました。「この業務、こうして改善できないか?」とアイディアが生まれたら、とりあえず取り組んでみる。その結果、失敗もたくさん重ねていて、お蔵入りになったITツールもけっこうあります。
「失敗するのが怖い」と思う方もいるかもしれませんが、前進する過程のなかでの失敗は、きっと大したことじゃない。ロボパットはトライアル期間がありますから、リスクが低い状態で挑戦してみてはいかがでしょうか。まずは一歩踏み出してみること、じゃないと何も始まりませんから。

ロボパット画面2
改善のためのアイデアを、常に考え続けている倉持様。次に注目するのは「Pat-OCR」だそう。
FAXで届くテキストのデータの入力が多い現状を、かなり効率化してくれるはず、と期待は大きい。

 

この記事を書いたコンサルタント

ロボパット編集部

広報部・編集長

ロボパットDX編集部です。
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