話題の「デジタルトランスフォーメーション」とは
デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)は、通称「DX」と呼ばれており、経産省の「DX 推進ガイドライン」においては以下のように定義されています。
「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」
つまり、DXとは、ITやテクノロジーを使って業務のやり方や組織、ビジネスモデルなどを変革することで、企業の生産性を上げる取り組みといえます。
出典元:
経済産業省:デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX 推進ガイドライン)Ver. 1.0
https://www.meti.go.jp/press/2018/12/20181212004/20181212004-1.pdf
DX実現の必要性
DXを実現する最大の目的は、企業の競争力を上げることです。しかし、近年DXがこれほどまでに注目されるようになったことには理由があります。
まず、経産省が2018年にリリースした『DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~』というレポートの中で、
・デジタル人材の不足
└ IT・テクノロジーの知見がある人材、エンジニア
・国内企業特有のレガシーなシステム
└ 老朽化・複雑化・ブラックボックス化
の2つが原因で2025年から2030年までの間に、年間で最大12兆円もの経済損出が発生する可能性があると示唆されました。これが「2025年の崖」と呼ばれる状況です。経済の停滞やグローバルな競争力が低下した日本を象徴する言葉として広く利用されているため、ご存知の方も多いでしょう。
しかし、その一方で経産省は、DXを実現できれば2030年には実質GDPを130兆円まで押し上げられる見込みがあると予測しています。
なお、海外に目を向けてみると、GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazonの4社)やUber、Airbnbなどの企業が、新たな付加価値を付けた新サービスを市場に投入し、大きなマーケットを創出している状況です。一方、現在日本は少子高齢化による労働人口の減少に歯止めがかかりません。そのため、国内企業におけるリソース不足を補うためにも、DX実現は不可欠な要素といえます。
出典元:
経済産業省「DXレポート ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開」https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/20180907_report.html
DXの実現にはメリットが多い
DXを実現した企業が得られるメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。
・働き方改革の実現
DXを推進すれば、企業の生産性を総合的に上げることができますので、働き方改革の実現が現実的なものとなります。
まず、社内のワークフローを整理し、作業を最適化・自動化することによって、大幅な工数削減効果が期待できるでしょう。また、空いたリソースは緊急性が高い業務や重要な業務にアサインできるため、総合的な企業の生産性向上につながります。
さらに、デジタル化やロボットによって作業を自動化すれば、ヒューマンエラーがなくなり品質向上効果も期待できるでしょう。社員が手作業で行なっていたものを自動化できれば、もっとクリエイティブで重要な仕事に集中できますので、企業へのエンゲージメント強化にもつなげることが可能です。
・市場変化に合わせた柔軟な対応が可能
DXを実現することで、市場変化に合わせた柔軟な対応が可能になります。
昨今の新型コロナウイルスや地震、台風といった自然災害の影響もあり、市場の未来予測が難しくなりました。そのため、企業側はこれまで提供してきたサービス内容や提供方法、顧客属性などを柔軟に見直し、市場に合ったビジネスモデルの再構築が必要です。
例えば、日本ではまだそれほど普及していないUberですが、欧米などではすでに広く利用されておりライドシェアの文化がすでに浸透しています。これによってタクシー業界は大きな影響を受けました。一方、日本にもライドシェアの波が来はじめており、これまで所有することが当たり前だった自動車のサブスクリプションサービスを、大手自動車メーカーがスタートしている状況です。
先が見えない現代においては、これまで盤石だと思われていた業界や大手企業でも、これまでと同じように事業が継続できる保証はありません。また、ITやテクノロジーの発展は非常に早く、それに伴って市場やサービスの破壊的イノベーションが起こる頻度も挙がっています。
したがって、変化の波についていけない企業が、市場で生き残っていくことは今後ますます厳しくなっていくでしょう。つまり、企業はDXを実現することで、市場の変化に柔軟に対応できるようにしておく必要があるのです。
・新規事業やサービスの開発も可能
DXを実現することで、新規事業やサービスなどの開発も可能になります。
クラウドやAI、ビッグデータなど、さまざまなテクノロジーを組み合わせた新たなビジネスやサービスが世界中で誕生しています。
お隣の中国では、すでに調理から配膳、会計まですべてロボットがこなすレストランが誕生していたり、アメリカではAmazonにより無人のコンビニなどがスタートしたりするなど、これまでの常識を超えたサービスがDXの推進によって生まれているのです。
また、小売店などにおいても、AIカメラを使って個人の顔を写すことなく(個人情報流出の心配がない)、年齢や性別、購買行動の履歴を取得しはじめている企業も現れています。これまで以上に大量かつ精度が高いデータを収集することで、顧客満足度をより向上させられる商品開発が可能になるのです。
DX実現によって、これまでできなかったことや、収集できなかったデータを得ることができます。これらを活用して新たな収益源を産み出すことこそ、企業がDXを推進する究極の目標といえるでしょう。
DXの実現にデメリットはある?
DXを実現する際には、それによって生じるデメリットについても理解しておく必要があります。
・結果が出るまでに時間とコストがかかる
DXのデメリットとしてまず挙げられるのが、結果が出るまでに時間がかかることです。
あくまでも一般論にはなりますが、DXを始めた企業で目に見えた効果が現れるまでには平均で3年~5年程度の期間が必要といわれています。また、DXを推進するために、人材・モノ・資金の大量な投資も必要です。
したがって、DXを実現するために長期的な視点でプロジェクトを推進できる、予算やリソース確保が必要不可欠になります。資金力がない企業や、短期的な結果を求められる企業でDXがなかなか進まないのはこれが理由です。
・大規模システムからの脱却が困難
業務フローの一部に大規模なシステムが導入されている企業は、別のシステムなどへの移行が簡単にいかない場合があります。そのような企業においては、DXを推進することが困難になる可能性が高いでしょう。
特に業務の根幹に関わる部分に大規模なシステムが入っているような場合は、リスクヘッジの観点からも、一度にすべての業務フローを変更することは不可能です。
そのため、まずはデータフォーマットの統一や簡単な業務効率化などから始め、その後も何ステップかに分けて進める必要があります。
また、業務に関連する部署が多い場合は、部署間の連携も考慮しなくてはいけないため、さらに調整に時間がかかるでしょう。
長年慣れ親しんだ業務フローを変更しようとすると、作業を行う部署のメンバーに反対される可能性もあります。スムーズに進めるためには、DX実現後の効果を丁寧に説明して説得しなくてはいけません。
このように大規模な既存システムが障壁になり、DX実現のハードルが上がっているケースは国内企業にたくさん見られます。
デメリットを抑えながらDXを実現するには?
DX推進のデメリットを知ったことで、「DX実現なんて無理かも……」と思われたかもしれません。しかし、RPAを有効活用することができれば、DX推進のデメリットによるダメージを減らすことができます。
RPA「Robot Process Automation」とは、日本語で「ロボットによる工程の自動化」という意味の言葉です。RPAを導入すれば、パソコンで行っているホワイトカラー業務やバックオフィス業務をロボットで自動化することができます。
例えば、
・社内のシステムからデータをダウンロード
・ダウンロードしたデータをExcelにコピペ
・コピペしたデータをExcel内で集計
・集計結果をOutlookなどのメールに自動転記
・関連部署のメンバーにメールを自動送信
といった一連の作業も、すべてRPAで自動化することが可能です。
つまり、RPAであれば既存システムを活かしながらDXを推進することができるため、大規模なシステムを業務フローに導入している企業でもDXが実現できます。
またRPAで業務を自動化することで、
・作業工数の圧縮
・残業時間の削減
・ヒューマンエラーの発生がなくなる
といったメリットが比較的早く実感できるようになるため、結果が出るのに時間がかかるというRPAのデメリットも軽減できるでしょう。
さらに、RPAツールは、初期費用やランニングにそれほど大きな投資は必要ありません。したがって、コストが甚大になるというDXのデメリットも軽減できるのです。
DXのデメリットを払拭するRPA「ロボパットDX」
DXを実現してその恩恵を受けるためには、
・結果が出るまでに時間とコストがかかる
・大規模システムからの脱却
という大きな2つのポイントに向き合わなければなりません。その際には、RPAツールなどの活用が有効だと説明しました。
しかし、もう一つ問題があります。それは、RPAを扱える人材が社内にいるかどうかという点です。
通常、RPAを扱う人材は、ITやテクノロジーのスキルを有するエンジニアなどが一般的でしょう。ですが、日本は少子高齢化による労働人口の減少化に加え、慢性的なエンジニア不足です。
よって、「RPAを扱える人材なんて社内にいない……」という企業も多いと思います。
そのような企業におすすめしたいRPAツールが、「ロボパットDX」です。
ロボパットDXは、「事業部門が自分で自動化できるRPA」という発想の下に開発され、「現場」の業務フローと必要な機能を追求しながら改善を重ねてきました。したがって、ロボパットDXは非エンジニアである現場のスタッフが率先して利用することで、国内企業で多くの生産性向上に貢献した実績を持っています。
ロボパットDXは、『「目」で見えて「マウス」と「キーボード」で操作することは「全てできる」』RPAツールです。
ロボパットDXでは、ソフトやアプリの操作はもちろん、待機・エラー回避や高度な画像認識や識別認識も可能なため、人が無意識に行う行動もトレースして作業を自動化することができます。そのため、普段現場のスタッフが作業を行う場合と同じ操作感で、直観的に作業の自動化を行うことが可能です。
またロボパットDXはサポート体制も充実していますので、トライアル期間から本導入まで安心してRPAを導入することができます。
本記事で、ロボパットDXに興味が湧いた方は、導入実績1,000社以上のサポートから見えてきたRPA定着のノウハウをすべて公開した資料を、ぜひチェックしてみてください。