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RPAを学ぶ 2020.12.04  [最終更新日] 2023.07.28

小売業でRPAによる生産性向上の事例を紹介!成果を上げるコツも

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多くの商品を取り扱う小売業は、在庫管理や受発注業務、売上管理などたくさんの業務をこなす必要のある業種です。また慢性的な労働力不足に加え新型コロナウイルスの影響もあり、常に現場は多忙を極める状況となっています。
そのため、小売業における生産性向上は急務な課題といえるでしょう。しかし、小売業の企業の中には、RPAを有効活用することで業務効率化に成功している事例がたくさんあるのです。
そこで今回は、小売業でRPAによる生産性向上に成功した事例と、成果を上げるコツなどをご紹介します。

【目次】

 

小売業が抱える業務の課題とは?

小売業が抱える業務上の課題の代表事例を紹介します。

在庫管理業務の改善

商品数が多い小売業では、在庫管理業務が煩雑化している現場が多い状況です。また取引先や市場ニーズに柔軟に対応するためには、正確な在庫管理を行わなくてはなりません。

しかし、小売業の多くは未だに人が手を動かす部分が大半を占め、適切な在庫管理ができていない現場もまだまだあるのが現状です。そのため、欠品や過剰在庫を抱えるだけでなく、市場ニーズを満たせないことによる機会損出も多くなっています。

 

したがって、

・リアルタイムで正確な在庫管理

・需要変動の予測による発注の最適化

を実施することで、顧客が希望する商品を適切なタイミングで欲しいだけ準備できる在庫管理を実現することが、小売業の課題の一つです。

業務効率化による人手不足解消

少子高齢化の影響で、現在の我が国では労働人口の減少に歯止めがかかりません。そのため、人材確保は小売業の大きな課題となっています。

また人材不足によってスタッフ一人ひとりの負担が増えたことで、人材流出も多い小売業の現状です。この影響により、スタッフの経験やスキル不足が顕在化しており、サービスレベル低下による収益減少につながるリスクも高まっています。

マーケティングの効率化

競合同士がひしめき合う小売業においては、マーケティング施策の効率化や差別化も大きな課題です。そして、それらの実現には、店舗に来店する顧客の情報を適正に管理・分析する必要があります。

またSNSの活用やデジタルクーポンの発行など、DXの推進も急務な課題といえますが、小売業ではなかなか進まない状況です。

小売業に「RPA」は適している?

RPAが、小売業の業務を効率化するのに適したツールである理由を説明します。

RPAでできること

「RPA」とは「Robotic Process Automation」の略語で「ロボットによるプロセスの自動化」という意味です。RPAを活用すれば、人がパソコンで行なっている定型化した作業を、ソフトウェアロボットに代行させることができます。つまり、作業をロボットで自動化できるというわけです。

 

例えば、

・集計業務の自動化

・在庫管理業務の自動化

・SNSの投稿を自動化

・メール作成と送信の自動化

などが可能になるため、小売業の生産性向上に大きく貢献できるでしょう。

RPAに向いている作業

RPAに向いている業務は、毎回方法が変わらない定型作業です。そのため、毎回作業方法が変わる作業や、都度人の判断が必要になるような作業はRPAには不向きといえるでしょう。

 

RPAに向いている作業の事例としては、

・受発注システムから発注データをダウンロード

・ダウンロードしたデータをExcelにコピペ後、集計

・集計結果をメールに記載して、関係者や取引先に送信

などが挙げられます。またRPAは複数のソフトをまたぐ作業の自動化もできますので、上記一連の作業をすべて自動化することが可能です。

RPAによる効率化が小売業にもたらすもの

RPAを導入して小売業のさまざまな業務を効率化することで、以下のような効果が期待できます。

 

・定型作業の自動化による工数の大幅な削減

・労働時間・残業時間の圧縮

└スタッフの負荷軽減

・作業スピードの向上

・ヒューマンエラーの減少

 

また小売業の現場にRPAを導入するメリットは、業務効率化が進むだけでなく収益アップにもつながる点です。

例えば、ECサイトではタイムリーな在庫登録が実現できますので、商品販売の機会を逃しません。またスーパーなどでは仕入れの分析・集計が自動化され、効率的な仕入れが可能になるため、売上の向上が見込める棚割りが可能になります。

 

 

実際に小売業でRPAが活用されている例

では、小売業でRPAを有効活用した企業の事例をいくつか紹介します。

【ミニ・ストップ】RPAの導入で定型業務の工数を大幅圧縮

まずは、コンビニ大手「ミニ・ストップ」のRPA導入事例を紹介します。

人手不足が課題だったミニ・ストップは、RPAによる営業日報の承認業務の自動化を2018年に実現しました。全国に約1,800店舗展開していたミニ・ストップでは、営業日報の承認を本部の会計システムに入力する作業に、日々膨大な工数が発生していたのです。

しかし、RPAの導入によって月次で2,200時間必要だった作業工数が60時間までの圧縮に成功しました。RPAの導入による業務効率化に成功したミニ・ストップでは、伝票計上や棚卸システムへの登録といったさらなる作業の自動化を視野に入れているそうです。

 

・出典元:NEC

https://jpn.nec.com/softwarerobotsolution/case/ministop/

【マルエツ】交通費精算と会計システム入力の自動化

スーパーマーケットを展開する「マルエツ」も、RPAを本部の経理業務の効率化に活用したことで大きな効果を上げた企業です。

マルエツでは、スタッフの交通費清算作業と会計システムへの入力業務をRPAで自動化したことで、毎月200時間ほど発生していた工数が20時間にまで削減されました。また会計システムの入力自動化により、煩雑化していた業務フローも簡略化され、スタッフの負担が大きく軽減されたとのことです。

 

出典元:業界チャネル

https://b2b-ch.infomart.co.jp/news/detail.page?IMNEWS1=1343944

【西友】AIによる需要予測+自動発注システム

西友は2019年から、AIとRPAを組み合わせた商品の自動発注システムを、全国の店舗に導入しています。

西友では各店舗の弁当・惣菜売り場の売上や販売、在庫といった情報に加え、気象や曜日といったさまざまなデータをAIで解析しています。そして、その解析結果から導き出された需要予測を参考に、自社工場へ自動発注するシステムが構築されているのです。

これにより欠品や廃棄ロスが減少しただけでなく、スタッフの業務負荷を減らせたことで、別の業務へのリソース転換が行えるようになりました。西友の事例のようなRPAとAIを組み合わせた成功事例は、最近非常に増えています。

ちなみに、画像認識のソリューションとRPAを組み合わせることで、手書きやFAXの請求書の自動入力なども可能になるため、さらに利用範囲が拡大している状況です。

 

出典元:IT Media

https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1910/09/news115.html

【西友】RPAの活用で年間2万時間の工数削減

西友は前述した事例以外にも、全社的にさまざまなRPAの活用を行なっています。

まず物流センターにおける定型作業をRPAで自動化によって、年間2,000時間程度の工数削減効果が見込まれたそうです。また受領証明書の発行業務を自動化したことで、年間11,000時間程度の工数削減という大きな結果を実現しています。

そして、現在ではさらにPRAの導入範囲が広がり、年間20,000時間以上もの工数削減を実現しています。西友では今後年間100,000時間を目指して、鋭意RPAの導入を推進しているそうです。

 

・出典元:キーマンズネット

https://www.keyman.or.jp/kn/articles/1910/13/news004.html

【高島屋京都店】チャットボット活用によるインバウンド対応

大手百貨店の高島屋京都店においても、海外からの観光客向けの施策として、チャットボットを活用した接客業務の効率化を実施しています。店内案内にAIを活用したチャットボットを導入することで、インフォメーションカウンター業務を効率化し、外国人観光客の対応にあたるという施策です。

具体的には、外国人観光客が店内案内に提示されたQRコードをスマホで読み込み、商品の情報を入力することでお店の場所を自動的に表示するサービスになります。多言語対応が可能になったことで、通訳の必要がなくなり、インフォメーションカウンターの業務負荷を大幅に軽減できたそうです。

 

出典元:PR TIMES

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000032.000024429.html

RPA導入を成功させるためには?

小売業がRPA導入を成功させるためのコツを紹介します。

お試し期間などを利用して実際にRPAに触れてみる

RPAの導入を検討する場合には、まずRPAがどのようなツールなのかを把握するために、実際に触れてみることが重要でしょう。RPAベンダーの多くは、お試し期間や無料トライアル期間を設けていることが一般的です。また導入を検討する企業向けに、ハンズオンセミナーを実施しているRPAベンダーもいますので積極的に活用してみましょう。

実際にRPAを使って何ができるのかを把握し、自社での活用方法に当たりをつけておくことが大切なのです。よって、いくつかのRPAツールをお試し期間で使ってから、自社に最適なツールを選ぶことをおすすめします。

目的に合ったRPAツールを導入すること

RPAツールにはさまざまな種類があります。そのため、「どのツールを選べばよいのか……」と悩まれる方も多いでしょう。

RPAの導入目的は、どの企業も業務効率化に違いはないでしょうが、企業ごとに効率化する作業内容は大きく異なります。またどのような効果を期待するかによっても、最適なRPAツールは異なるものです。

したがって、自社で解決したい課題を解決できる機能が提供されているRPAツールを選ばなくてはなりません。なおRPAツールの中には、プログラムやIT知識を持たない「非エンジニア」向けのツールもあります。社内にエンジニアが少ない企業では、こうしたRPAツールを選択する必要があるでしょう。

スモールスタートではじめる

RPAを導入する場合は、まず特定の部署に絞り小さな作業の自動化からはじめましょう。いきなり複数の部署にまたがる大規模な業務を自動化しようとすると、不具合が発生したときの影響範囲が大きくなります。その結果、「RPA使えない……」というネガティブなイメージが社内に浸透してしまうと、その後のRPA導入推進に支障をきたしかねません。

したがってRPAを導入する際には、小さな作業の自動化からはじめて着実に業務効率化の実績を積み、一定の成果がでた後で対象部署を広げるようにしましょう。

現場が自発的にRPAを活用できる土壌を作ること

「RPAは作業を自動化したら終了」というツールではなく、導入後の運用サポートが非常に大切です。また導入時は社内の情報システム担当者などが主導で推進していくことも

多いのですが、実際に運用していくのは現場のスタッフになります。

したがって、現場スタッフ向けのRPAマニュアルの整備や社内イントラにFAQの作成。また、現場スタッフ向けのRPAワークショップなどを開催する必要もあるでしょう。そして、トラブル時には情報システムの担当者は都度対応を行う必要もでてきます。

最終的には、現場のスタッフが自分でロボを作成して、どんどん業務の自動化や効率化を進めていくことが理想です。しかし、そのためには情報システム担当者に多大な負担がかかることも予想されます。

よって、できるだけ導入後のサポート体制が手厚いRPAベンダーを選択しておくことも、一つの方法といえるでしょう。

 

 

まとめ

今回は、小売業でRPAによる生産性向上に成功した事例と成果を上げるコツなどを紹介しました。

我が国では今後もますます労働人口の減少が予想されるため、小売業の業務効率化は急務な課題といえるでしょう。そのためには、少ないリソースで最大限の効果を上げなくてはなりません。

定型作業をRPAで自動化することで、

・労働時間・残業時間の圧縮

└スタッフの負荷軽減

・作業スピードの向上

・ヒューマンエラーの減少

といった効果を実現して、小売業の生産性を向上させる必要があるのです。忙しくて現場が回らないと感じる小売業の方は、ぜひRPAの導入を前向きに検討してみてください。

はじめてRPAを導入される企業にはサポート体制が手厚いRPAツールのほうが安心です。そこで最後に、おすすめRPAツールとして「ロボパットDX」をご紹介します。

ロボパットDXは導入時、運用後のサポートを万全の体制で実施するとともに、非エンジニアでも扱えるUI・UXになっているため、現場スタッフが自ら業務改善を行いやすいRPAツールとなっています。1ヵ月3ライセンスの無料トライアルも受付中です。

ロボパットDXの詳細はこちら(http://fce-pat.co.jp/)からご確認ください。

 

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この記事を書いたコンサルタント

ロボパット編集部

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