ロボパットDXの活用を促進する「ヘルプデスク」「カスタマーサクセス」の存在
まずは簡単に、お二人がどういったお仕事をされているのか教えていただけますか。
ヘルプデスクやweb家庭教師の担当をしています。 ヘルプデスクというのはお客様がご利用されるQ&Aサイトです。
ユーザーがよくつまずくポイントをQ&A形式でご紹介するサイトですが、ロボットの作成でわからない点をご質問いただいて、それに対して僕をはじめとするヘルプデスクの「中の人」が回答するメールサポートも行っています。
ロボパットのヘルプデスクといえば、翌営業日以内の回答というスピードの速さで驚かれることが多いですよね。
そうですね。わからないところがあって問い合わせても、なかなか回答が返ってこないと作成が進まなくなってしまいますからね。
あとは、ヘルプデスクとは別でweb家庭教師というサービスも提供しているので、その講師も担当しています。
はじめてロボットを作る方って何が原因でエラーが起きているのかわからないので、ヘルプデスクサイトでどう質問したらいいのか悩まれるんですね。
ですから、実際にweb会議システムでロボットの作成画面を見せていただきながら、エラーの原因と具体的な解決方法をお伝えしています。
名前の通りですけど、RPAの個別指導塾みたいですね(笑) 梅村さんはどんな業務を担当されているんですか??
私はカスタマーサクセス部で、勉強会やロボパットマスター認定プログラムの研修講師をしています。
ロボパットのお客様は、はじめてRPAを使う方やプログラミングの知識をお持ちでない方が多いんです。勉強会や研修で操作方法を学んでいただくことで、しっかり活用が進むようご支援させていただいています。
勉強会は基礎編から応用編まで体系的に学べるようになっていますよね。私も入社後、参加しましたが実践形式の勉強会なのでひと通り操作方法は身につきました。 あとは、昨年リリースしたマスター認定プログラムも大好評ですよね!改めて、マスター認定プログラムについて簡単に教えていただけますか。
ざっくり言うと、ロボパットの資格認定証を取得できるプログラムです。
いくつか研修を受講し、各研修の課題を提出いただいたら認定証をお渡ししています。これは導入企業様向けのプログラムでして、社内の何名かにご参加いただき資格取得を目指していただくんですね。
社内でロボパットを使いこなせる人を増やし、定着化が進むことを目的としています。今では認定者数350名を突破しているんですよ。
本当に「簡単か」を見分けるポイント
350名も!そんなに増えているなんて知りませんでした…。お二人ともありがとうございます! さて、本題に入りますね。 今回お伺いしたいのは「簡単と言われるRPAでも本当に簡単なのか」についてです。 RPAって最近では昔と比べたら操作も簡単になって「誰でも簡単に業務が自動化できます!」という広告もよく見かけるようになりましたが、実際はどうなのでしょうか。
「誰にとって簡単か」という点は押さえておかないといけないですね。
簡単とは言っても、多少なりともプログラミングの知識が無いと使いにくいようなRPAもあるんですね。
そういうRPAを、現場の方が使うと、そもそも操作に必要な言葉の意味が分からないという事態にもなりかねないです。
実際、「すごく簡単」と聞いていたのに実際使ってみるとそうでもなかった、という声はしばしば聞きます。
そういうRPAでも、エンジニアが使うと「簡単」と言われたりします。 だから、「誰にとって簡単か」という点が大切だと思うんです。
なるほど。特に梅村さんは導入初期の企業様向けに操作勉強会で講師をされているので、初めてロボパットに触る方のお話を聞くと思うんですけど、意外と難しいと言われることって多いですか?
操作感で言うと、「普段PC操作するのと近い感覚でロボットが作れる!」と感動される方が多いですね。
ただ、操作が簡単だから作成も簡単とは言い切れないと思います。
例えば、クリック操作ひとつとってみても、WEBページ上のクリックとEXCEL上のクリックとでは操作感がまったく違います。
ですから、やはりどれだけ操作方法を知っているかによって作成の難しさは大きく変わります。
あと、RPAは業務フローを自動化するものなので、業務フローの理解も求められますね。
このように、RPAって複雑な要素が関係するものなので、単純にツールが簡単なだけでなく、RPAの正しい進め方について詳しい人からフォローがないと結構難しいかなと思いますね。
レコーダー機能はその代表例ですね。
レコーダー機能というのは、ロボパットには無いんですけど、レコーダーで記録した操作がそのまま自動化される機能です。
マクロの自動記録みたいなものです。 確かに便利で簡単ではありますが、想定通りのロボットになるかと言うとそうでもないという声をよく聞きます。
そうなんですか!? レコーダー機能って、自分が行った操作がそのまま自動化されるなんて、すごく楽そうだなぁと思っていたんですけど…。
実用レベルのものを作るのは難しいですね。
先ほどの梅村さんの話と似ているんですけど、レコーダー機能って操作の記録はできても操作の意味まで判断できないので、調整しなくてはいけないんです。
例えば、EXCEL上の表をクリックする操作で考えてみると、表の左上だからクリックしたのか、それとも(例えば)東京都と記載してあるからクリックしたのかってレコーダー側では判断できないじゃないですか。
こういった操作を決める条件は当然変わるものですし、その度に調整が必要になります。
さらに、勝手にロボットが作られていくので、後から修正するためにはやはり専門的な知識や複雑な操作が求められるんですね。
そういう意味では、レコーダー機能搭載のRPAで実用的なロボットを作るのはとても大変です。
実例から学ぶ、RPAを活用できる組織とは
操作が簡単でも実務で使いこなせるかは別問題ということですね。 逆にロボパットは使いこなしている企業様がほとんどだと思いますが、どのような共通点があると思いますか?
うーん、成功体験ですかね。
成功体験?どういうことでしょうか?
小さな成功の積み重ね、ですね。
今の業務を全部ロボット化しようとしなくても、まずはできるところから自動化していくと、少しずつ自分が楽になるのが実感できます。
そうすると自分のメイン業務に使える時間がどんどん増えてきて、それを見た周りの人も「RPAって何だかすごい!」って興味を持つんです。
しかも、RPAでロボット作ってるなんて自慢したくなるじゃないですか(笑) そうして自慢しているうちに他の人も集まってきて…という具合ですね。
あ、すごく分かります!(笑) 私も最初のころは作ったロボットを同僚と見せ合ったりしてましたね。
私も成功体験を他の人へ広げるのはすごく大事だと思いますね。
あとは利用イメージを広げられないと絶対に定着しないと思うので、「あ、これもロボット化できるじゃん」ってワクワクする感覚を持っていただくのも重要なポイントです。
この「ワクワクできる」という感覚って、導入初期は特に必要だと思うんです。 だから私は、勉強会でも参加いただいた担当者様に利用イメージを広げていただくことを意識しています。
そこで担当者様にしっかり利用イメージを広げていただいて、社内で同じように利用イメージが広がっていけば定着が進みます。
そして、利用イメージを広げることとあわせて複数名でRPA推進に取り組むということもポイントになります。ある程度マネジメントする人も必要ですし、アイデアを増やすという点からも何人かで取り組む方がうまくいきますね。
勉強会でも「担当者は1人で頑張らないでください」ってお話されていますよね。ちなみに、RPAを定着化させるためには社内体制やルールを整えましょうっていう話もよく聞きますが、皆さま導入前にきっちり決められていますか?
比較的多いのは、導入が決まった時点で、作ったロボットを社内共有する場を設けておくことですね。
最初は小さなチームから始まったとすると、それを社内に対してお披露目するんです。
場を設けることで、上司に関心を持ってもらうこともできますし、現場に興味を持ってもらうことで横展開のきっかけにも繋がります。
実際に横展開が始まると、チーム同士で作っているロボットについて情報共有しあえば、同じ会社なので似たような業務が必ずありますから、ノウハウがそのまま使えます。
あとは作成で分からないことがあったときも周りに相談しやすいです。
ロボット作成の成果を共有する機会を設けている企業様が比較的成功していらっしゃるんですね。
そうですね。あとはRPA推進の優先事項を社内に浸透させることも大事です。
RPAって導入して終わりじゃなくて継続的に運用していくものなので、「RPA推進が優先事項なんだよ」って教育する役割の人がいないと途絶えちゃうんですよね。
営業部でRPAを導入する場合を考えてもらうと分かりやすいかなと思うんですけど、営業の数字を追いかけたいからロボ作成に時間をかけなくなってしまうんです。
だから、営業と同じように目標の数字を立ててRPA推進を進めるのは重要だと思います。
なるほど。意外と目標やルールなどは決められていないんですか?
それぞれの企業の方針にもよりますね。僕は成功の定義って呼んでいますが、RPAを導入される背景には、その企業が何かしら組織として目指す姿があって、それに伴って目標やルールも変わると思うんですね。
例えば実際の例を挙げると「現場の全員が自分たちでロボットを作れるようになる」という組織を目指す場合、スキルの高い人がロボットのパーツを作って、使い方と一緒にネットワークに置くようにする。
こうすることで、他の人は定型操作については置いてあるパーツを呼び出すだけで簡単に作れるようになります。
確かに同じ会社内だと会社特有の定型操作も多いですし、あんまり知識が無くてもロボットが作れそうですね。
他の例を挙げると、「とにかく効率性を重視してロボット化を進める」という組織を目指す企業の場合、DX推進的な部署を設けていて、この部署がロボット化したい業務の洗い出しをしたタイミングで作成難易度と効果の2つの軸で優先順位をつけるんです。
それで、難易度が難しい業務についてはDX推進部が担当して、効果は高いけど難易度は低い業務はDX推進部がフォローしつつ現場主導で作るような運用体制を整えていらっしゃいます。
*DX…デジタルトランスフォーメーション
運用ルールもそれぞれの企業の方針によって大きく変わるんですね。 逆に方針が決まっていない状態でスタートする場合、担当者様は考えなきゃいけないことが沢山あって苦労されそうです…。その場合、どのように進めていけばいいでしょうか?
RPAベンダーのサポートを受けるのが良いと思います。
ただ、サポートの手厚さはRPAベンダーによりけりなので、RPAを選ぶ際に必ずチェックしておいてほしいですね。
例えば、ロボパットは現場主導でDXを進めるために提供しているRPAなので、現場の方が知識ゼロの状態からスキルアップできるように基礎的な勉強会から応用的なものまで用意していますし、個別でのサポートも無料で提供しています。
でも、サポートが手厚いRPAが全ての企業様にとってベストという訳ではないと思っています。
手厚いサポートの方が安心なんじゃないですか?
現場主導でどんどん手間な業務を自動化していく組織を目指すなら、サポートは手厚いほうが良いです。
でもそうではなくて、情報システム部で全部請け負うから、とにかく安いRPAがいいっていう場合は、サポートの内容ってそんなに大事ではないかなと。
僕はサポート選びでもうひとつ大事なのは「誰を対象とするサポートか」という視点だと思いますね。
例えばExcel業務に関するサポートでも、Excelのマクロを使える人に対してのサポートで使う言葉と、関数も分からない人に対するサポートで使う言葉って違うんです。
RPAってターゲットが広いじゃないですか。 当たり前なんですけど、技術者向けのサポートが現場に話をすると、単純に使っている言葉の意味が分からない、逆にサポート側はなぜ現場が分からないのかが分からないという事態が起こってしまいます。
ですので「誰を対象とするサポートか」というのは重要です。
そういう意味では、ロボパットは現場対象のサポートだと思うんですけど、現場の方でどんどん活用していただけるように心がけていることってありますか。
利用イメージを広げていただくのと、「なんかできそう!」っていう感覚を持ってもらうっていうことですね。
私が講師をしている勉強会では、はじめてロボパットに触られる方に実践形式の課題に取り組んでいただくんですけど、ただ課題のロボットを作るだけだと実務のロボットに応用するイメージを持つことって難しいんです。
ですから、実務にどう応用できるのか具体例をたくさんお伝えするようにしています。
あとは、作成途中ででつまづきそうなポイントを都度共有していますね。比較的起こりやすいエラーとその回避方法とか。
そうすると、苦手意識がある方でも「なんかできそう!」って前向きになっていただけるので嬉しいですね。
勉強会の中で、小さな成功体験を持ち帰っていただくということですね。
そうですね。RPAを入れようとしている会社って忙しいですから。
そんな中で勉強会にまで参加していただいて、ロボパットの教育に時間をかけてくれていること自体すごく有難いことだと思ってるんです。
だからいくら無料のサポートとはいえ、しっかりと価値を感じてもらって「他の人にも参加してもらおう」って活用のきっかけづくりに貢献できるかという点は一番意識していますね。
野々山さんはへプルプデスクで気を付けていることは何ですか?
さっき梅村さんが「お客様が時間を使って下さる」って言っていたのとヘルプデスクも全く同じでして、ロボパットのためだけに時間を取って取り組んでくれてるって本当にありがたいことだと思います。
ですから、ご質問の内容に対して分かりやすく回答するだけでなく、他にも「こんな解決方法もあります」「こういうケースにも使えますよ」とか、少しでもお役に立つ情報をお持ち帰りいただけるように心がけています。
お客様からロボパットを選んでいただくポイントとして、一番に「サポートの充実度」があがる理由がよくわかりました!本日はどうもありがとうございます。