日本国内のRPA市場規模は?
矢野経済研究所によると、2022年のRPAの市場規模は、1,285億円と見込まれています。また年々、市場規模が拡大傾向である見解が出されています。
それからICT市場調査コンサルティングのMM総研の調査によると、年商50億円以上の大手・中堅企業のRPA導入率は37%であることが分かりました。2022年度には50%まで達するとの見解も示しています。
一方、年商50億円未満の中小企業ではRPA導入率が10%と、大手・中堅企業と大きな格差があることが分かっています。しかし、2021年度から普及期に向かうことが期待されている調査結果でした。
参考:RPA導入企業が活用を本格化、AI -OCR導入も約2割
世界のRPA市場動向は?
世界のRPA市場に目を向けると、2020年の売上高が約1,738億円であることが分かりました。2024年までには2桁の成長率で拡大していくことが予測されています。日本もさることながら、世界においてもRPA市場は成長していくでしょう。
参考:ガートナー、世界におけるRPAソフトウェアの売上高が2021年には20億ドル近くに達する見通しを発表
RPAの市場規模が拡大を続けている理由
前章でご紹介したように、RPAの市場は今後も拡大が見込まれています。ここからはRPA市場が拡大を続ける理由や背景をご説明します。
働き方改革などのワークスタイルの変化
働き方改革の推進、さらには新型コロナウイルス感染症の拡大により、ワークスタイルが急速に変化しました。これまで多くの業務をオフィスで行っていた企業も、テレワークなどを導入するようになりました。
RPAは、種類や設定によりますが、テレワーク環境下でも利用できるため、活用場所を選びません。またRPAを活用することで、PCの定型業務を代行させることが可能となることから、働き方改革のソリューションのひとつとしても注目が集まっています。
BCP対策
BCPとは、事業継続計画(Business Continuity Plan)の英語表記の頭文字をとった表現です。感染症の拡大や災害などが発生した場合に、いかにして事業を継続させるか、その体制づくりを意味します。
前述した感染症拡大によるテレワークの普及などはBCP対策といえるでしょう。RPAツールならば有事の際も作業が継続できるため、BCP対策にも効果的なのです。
コア業務への注力
RPAを導入することで作業効率が向上するため、従業員はコア業務により注力できるようになります。コア業務は企業の中心的な業務であり、売上や利益を生み出します。バックオフィス業務をRPAツールに任せることで、コア業務へリソースが投入でき、事業の発展につながります。
金融業界の着目
RPAを導入することで24時間365日、休まず作業をすることができます。業務効率化はもちろんのこと、人件費などのコスト削減にも効果が期待できます。このような点に注目したのが金融業界です。
金融業界は事務作業が多く、人的なミスが発生しやすい課題がありました。そこで業務フローを見える化し、単純作業をロボットに任せミスを減らしたのです。このような取り組みが知れ渡り、RPAに関する注目度が高まりました。
国内でシェアを獲得しているRPAツールとは?
国内でもRPAツールの導入が進んでいますが、以下の4つのツールが大きなシェアを獲得しています。それぞれのツールの特徴をご紹介します。
WinActor
WinActorは国内シェアNo. 1のRPAツールです。NTTグループが提供しており、圧倒的な知名度とPC1台から導入できる手軽さが特徴です。機能面も充実しており、ERPやOCRなど、Windowsで操作できるさまざまなアプリとの連携が可能です。
シナリオを組む際もコーディングが不要であり、ある程度のITスキルがある人であればエンジニアが不在であっても作成できます。トライアル利用が可能であり、使用感を確かめてから導入することが可能です。
UiPath
UiPathは大企業の導入実績があるRPAツールです。海外シェアも有数であり、信頼感をもとに導入したい場合は適しているでしょう。多種多様なロボットを管理でき、AIなどと組み合わせることで広範囲の業務を任せることができます。
日本語対応、日本語によるサポートがあり安心感も魅力です。Webブラウザ、デスクトップのいずれからでも利用できる点や、ドラッグ&ドロップによる設定など、使いやすさや機能性が高いです。
BizRobo!
BizRobo!は、10万体以上のロボット開発や運用実績があり、そのノウハウから導入段階においても適切な提案をしてくれます。Webサーバ1台で複数のロボットが作成できて、特にWebサイト上の情報収集を得意としています。
ロボットを作成するときはコーディング技術が不要であり、エンジニアではなくても開発ができます。チュートリアル動画や有償セミナーなども、選ばれる理由でしょう。
ロボパットDX
ロボパットDXは導入実績1,000社以上(※)と上記のRPAと比較すると小さいですが、近年急激にシェアを伸ばしているRPAツールです。ITスキルが高くない現場が自分で業務を自動化することに特化して開発されたRPAで、わかりやすいUIや無料で個別に担当者がサポートしてくれる体制が魅力です。1ライセンスを複数のPCで使えるフローティングライセンスも搭載し、効率的な運用も可能になりました。
※2022年10月現在
大手企業のITツール選定の基準とは?
ここからは大手企業におけるITツールの選定基準をご説明します。
大手企業は多くの場合、大規模なIT予算が確保されているでしょう。とはいえツールやシステムの種類、契約形態などによって費用が異なります。
予算内で導入できることを前提として、機能面やサポート体制などを軸にツールを選んでください。IT部門が主導して開発・運用しやすいツールを選ぶこともポイントです。
また、新しいツールを導入する際は、トップダウン方式で全社一斉に利用を推進しましょう。一部の部署が主導すると意見の食い違いなどがあり、スムーズなツールの導入につながりにくいです。
なおITツールやRPAツールは、IT部門がロボットを開発することが前提であるため、プログラミングに慣れている人が扱いやすい製品が選ばれやすい傾向にあります。
日本企業がRPAを導入するメリット
続いて、日本企業がRPAを導入するメリットをご説明します。RPAを導入することで主に3つのメリットがあります。
生産性の向上につながる
まず挙げられるのは生産性の向上です。RPAツールを導入することで単純作業や定型作業などをロボットに任せることができ、人間が行うよりも速くこなせます。作業効率が格段に向上すれば、生産性がアップして企業に利益をもたらすのです。
ヒューマンエラーを防げる
単純な作業や定型的な作業といっても、人間が行うと人為的なミスを引き起こす可能性があります。いくら作業に慣れた従業員であっても、ヒューマンエラーをゼロにすることは難しいでしょう。
ヒューマンエラーがあると再処理の時間が必要となり、作業効率が悪化してしまいます。ひいては生産性の低下にも影響があるでしょう。
一方、RPAツールに作業を任せると、機械が稼働するためミスを限りなくゼロにすることが可能です。長時間の稼働であってもミスをする可能性はほとんどありません。またロボットが間違えていないか検分することができるため、ミスを気にする必要がなくなるでしょう。
属人化や人材不足の問題を解消
これまでは、人手不足の解消にはBPOの活用が主たるものでした。しかし近年はBPOで外部委託するよりも、RPAツールを導入したほうが安く済むケースが増えました。また導入しやすいツールが増えたことから、人材育成のコストや時間がかからなくなりました。
業務マニュアルを作成することで、RPA運用の担当者が変わった場合においてもブラックボックス化することを防げます。総合的に考えてRPAツールを導入するメリットが大きくなったのです。
中小企業がRPAを選定する際のポイント
ここからは中小企業がRPAツールを選定する際のポイントをご紹介します。主なポイントは以下の4点です。
操作が簡単で扱いやすいか
特に社内にエンジニアが在籍していない企業ならば、ツールの操作性が肝になります。ロボットの開発や運用があまりに複雑な場合は、エンジニア不在で対応することが難しいです。
エンジニアが不在ならば、ノンプログラミングでロボットが作成できたり、操作が簡単に行えたりするツールを選んでください。エンジニアが在籍している企業であっても、操作性に優れるツールならば運用がよりスムーズに進みます。
スモールスタートではじめやすいか
RPAの導入は社内業務を一気にツールに置き換えるのではなく、スモールスタートでの導入をおすすめします。理由は一気にRPAを導入することで、一部にトラブルなどが発生した場合に、全ての業務に影響が出る恐れがあるからです。
「まずは経理部門の請求書作成の業務だけ」など、一部から導入を進めてみてください。一部の導入で運用がうまくいったら、徐々に導入箇所を広げていくことが望ましいポイントです。
導入目的や必要な機能に見合っているか
RPAを導入するにあたり、その目的を明確にすることが重要です。目的が曖昧な状態では、適切なツールの導入ができないからです。「毎日のデータ入力に時間がかかる」など、現状の課題を見直して導入目的を検討してみてください。
そして課題を解決するために、どのような機能を備えたツールが必要なのかを考えましょう。その後必要な機能が備わっているツールを選んで比較していくのです。
ベンダーのサポート体制は十分か
RPAツールを選定するときは、必要な機能だけではなく、ベンダーのサポート体制が十分であるかも比較してください。RPAツールは必要な機能とそれを使いこなせるかが大事であり、ツールの活用が組織に根付くかがポイントです。
RPAツールの活用が組織に根付かなければ、作業効率や生産性が向上しません。そのためには、サポートやノウハウが充実しているRPAツールを選ぶことが必要です。手厚いサポートがあるRPAツールであれば、組織で活用することで業務改善やDX推進の成功確率が向上します。
まとめ
国内、海外のRPA市場は拡大傾向にあり、多くの企業にRPAの導入が求められます。本記事ではRPAの今後の動向を含め、RPA導入がスムーズに行えるツールをご紹介しました。導入ポイントを参考にして、ぜひRPAに取り組んでください。
ツールを導入する際は非エンジニアであっても操作できるかがポイントです。「ロボパットDX」は「エンジニアに依存しないITの活用」を目指しており、サポート体制が充実しています。
ぜひ無料トライアルを含めたサポート体制を利用して、非エンジニアであっても業務効率化につながることを体験してみてください。すでに中小企業や大企業の部門単位など、1,000社以上の企業にご活用いただいています。
RPA導入を検討していて不安や悩みがある方は、まずはロボパットDXのサポートを受けてみてください。さまざまな形態のサポートをご用意しておりますので、以下よりお気軽にお問い合わせください。