DX検定とは
「DX検定」とは、DX(デジタルトランスフォーメーション)に関わる人に向けた、専門的な資格・検定です。DX検定の運営者「日本イノベーション融合学会ITBT検定委員会」によると、DX検定は以下のように定義されています。
これからの社会の発展・ビジネス全般に必要な、デジタル技術によるビジネスへの利活を 進める人財のために、毎日爆発的に増加するバズワードを確かな知識にする、先端IT技術トレンドとビジネストレンドを幅広く問う知識検定で、2018年7月に創設されました。
以上の点を踏まえて、DX検定の概要や実施団体などについて、基本的なポイントを解説します。
DX検定の試験の概要
DX検定は、これからのデジタルトランスフォーメーション時代を担う人材として欠かせない、「先端技術トレンド(IT)」と「ビジネストレンド(BT)」の双方の理解度を測るための試験です。ITとBTに関する知識を調べるために120問で構成されており、基本的には1月と7月の年2回実施されています。DX検定の概要は以下のとおりです。
項目 |
概要 |
受験資格 |
制限なし |
試験時間 |
60分 |
試験内容 |
知識問題(全120問の多肢選択式) |
実施方法 |
オンライン実施(自宅受験) |
受験料 |
6,600円(税込) |
開催回数 |
年2回(1月と7月) |
申込みサイト |
DX検定の実施団体
DX検定の実施団体は、一般社団法人の「日本イノベーション融合学会」です。日本イノベーション融合学会は、各業界のクリエイティブな人材が協調することにより、新たなイノベーションを創出することを目的としています。
DX検定の難易度
DX検定の受検を検討するときに気になるのが、その難易度ではないでしょうか。本章では、DX検定の難易度について、出題範囲・レベル認定・得点分布の3つの観点から解説します。
出題範囲
DX検定の出題範囲は、先端技術トレンド(IT)とビジネストレンド(BT)に分けて、以下のように多岐にわたります。
分野 |
項目 |
内容 |
先端技術トレンド(IT) |
ロボットとスマートマシン |
ロボット技術・ドローン・RPAなどに関する知識 |
ソフトウェアとAI |
機械学習・ディープラーニングやPythonなどの知識 |
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ハードウェアとIoT |
AIスパコン・IoT デバイス、量子コンピューターなどに関する知識 |
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ビッグデータとデータサイエンス |
ビッグデータ解析・データマイニング・データサイエンスなどの知識 |
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IT開発・運用とクラウド |
シンクライアント・マイクロサービス・アジャイル開発などに関する知識 |
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ネットワークとサイバーセキュリティ |
情報セキュリティ・マルウェア対策・5Gネットワークなどの知識 |
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ビジネストレンド(BT) |
ビジネストレンド |
健康・環境・生活などに関するトレンドや技術 |
ビジネス戦略・理論 |
経営・イノベーション戦略・DXを活用したビジネスなど |
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業務 |
IT技術を活用した業務効率化の事例など |
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商品・サービス |
IT技術を活用した新たな価値の創出について |
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IT機器 |
IT技術やRPAを活用したイノベーション事例など |
DX検定では、IT技術とそれを活用したビジネスについて、さまざまな内容が出題されます。また、企業のDX推進策として人気が高い「RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)」も、DX検定の出題範囲に含まれていることがポイントです。
レベル認定
DX検定では、以下のようにスコアに応じたレベル認定が行われます。
スコア |
レベル認定 |
600以上 |
DXスタンダードレベル |
700以上 |
DXエキスパートレベル |
800以上 |
DXプロフェッショナルレベル |
DX検定は自分でレベルを選んで受検するのではなく、結果に応じて自動的にレベル分けが行われることがポイントです。そのため、まずは600以上のスコア、つまり「DXスタンダードレベル」を目指して学習するといいでしょう。
得点分布
2022年までに行われた8回のDX検定の平均点は、1,000点中545点となっており、内訳はITスコア264点・BTスコア281点です。前述した3つのレベル認定ごとの得点分布は、以下のようになっています。
レベル認定 |
得点分布 |
DXスタンダードレベル(600~699点) |
22.6% |
DXエキスパートレベル(700~799点) |
11.1% |
DXプロフェッショナルレベル(800点以上) |
3.0% |
以上の点から、DX検定の基本となるDXスタンダードレベルの合格率は、20%前後だと考えていいでしょう。この合格率は比較的難しいレベルだといえるので、受検前にしっかり学習しておく必要があります。
DX検定を取得するメリット
DX検定を取得するメリットとして、以下の3つが挙げられます。
- ITリテラシーが高まる
- DX人材として即戦力になれる
- 転職活動の際に有利になる
ITリテラシーが高まる
DX検定を取得する過程で、最新のIT技術をそれを活用したビジネスについて、幅広く体系的に学ぶことができます。DXについてゼロから学ぼうとすることは難しいので、明確な学習指針となるDX検定を利用する価値は高いといえるでしょう。
DX人材として即戦力になれる
前述したように、DX検定はITとビジネスのトレンドについて、実戦的な知識が問われます。つまり、DX検定で高いスコアを達成すると、「DX人材として即戦力になれる」ことを示せます。企業での評価が高まり、給与や賞与などに反映されるかもしれません。
転職活動の際に有利になる
現在では、多くの企業がDX人材を確保するために動いています。DXの重要性が高まるにつれて、企業にとってDX人材の魅力も増し続けています。そのため、DX検定を取得することで、就職や転職で有利に働くことが増えるでしょう。
DX検定の受検方法
DX検定の受検方法について、個人と法人に分けて解説します。なお、DX検定はオンライン受検なので、申し込みから受験まで自宅で行います。
個人の場合
個人でDX検定を受検する場合は、以下の手順で手続きしましょう。
- 公式Webサイトの「受検申込」にアクセスする
- 「個人の方はこちら」をクリックする
- 必要事項の入力と送信を行う
- 受験申し込みの確認メールが届く
- 検定当⽇にメールの案内どおりにログインする
法人の場合
法人でDX検定を受検する場合は、以下の手順で手続きしましょう。
- 公式Webサイトの「受検申込」にアクセスする
- 「法人の方はこちら」をクリックする
- 必要事項の入力と送信を行う
- ⾒積書と注⽂書の手続きを行う
- 受験日時の指定を個別に行う
- 受検用のIDとパスワード情報などが納品される
- 検定当⽇にメールの案内どおりにログインする
DX検定のための学習方法
DX検定のための学習方法として、以下の4つが挙げられます。
- 「DXシラバス」を確認する
- 「DX Study」を活用する
- 推奨書籍で学習する
- 過去問題にチャレンジする
「DXシラバス」を確認する
まずは、運営元が公開している「DXシラバス」を確認しましょう。DX検定の問題は、DXシラバスの範囲から出題されるため、ここを網羅しておけば合格率が大幅に高まります。知らない用語があるときは、書籍やインターネットで検索し、理解を深めていきましょう。
「DX Study」を活用する
DX検定に準拠したeラーニング教材「DX Study」を活用すると、DXに関する知識を効率的に習得できます。DX Studyの利用には、10,780(税込)の費用がかかりますが、PC・タブレット・スマホなどの端末でどこでも学習できるので便利です。
推奨書籍で学習する
DX検定の公式サイトに掲載されている「DX検定推奨書籍」を読むことで、DX検定を合格するために必要な知識を網羅的に習得できます。前述したDX Studyと併用することで、より効率的な学習ができるようになるでしょう。
過去問題にチャレンジする
DX検定の公式サイトには、「過去問題(サンプル問題)」も掲載されています。こうした過去問題をこなしておくことで、実際の検定問題にも対応しやすくなるはずです。
DX検定を取得してキャリアアップを目指そう
今回はDX検定について解説しました。DX検定は、先端技術トレンド(IT)とビジネストレンド(BT)のさまざまな分野から出題される、ハイレベルな資格試験です。だからこそ、DX検定を取得することでDX人材としてのスキルをアピールしやすくなり、就職や転職で有利なポジションを確保しやすくなります。この機会にぜひ、DX検定の取得を検討してみてください。
なお、DX検定の出題範囲に「RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)」が含まれているように、RPAはDXの重要な部分を占めている要素です。RPAは、コンピューター上で行う作業を自動化するためのシステムであり、「DXの第一歩」として注目されています。DX検定で学んだあとは、DXの第一歩として「ロボパットDX」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。各種サポートも受けられるので、初めてITシステムを導入する場合でも安心です。