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業務自動化の仕方・方法(自動化業務の選び方) 2023.05.22  [最終更新日] 2023.07.24

人手不足が中小企業に与える影響と効果的な解消方法とは?事例から学ぶ対策

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少子高齢化による労働人口の減少により、人材不足が社会問題となりつつある現在。中小企業でも大きな影響が出ています。
本記事では、人材不足の原因や中小企業が人材を確保するために意識を変えなければいけないこと、具体的な解決方法などについて紹介します。実際に中小企業が実践している人材不足解消の取り組み事例も紹介するため、人材不足でお悩みの企業はぜひ参考にしてください。

【目次】

 

日本の中小企業を取り巻く環境

近年、日本の中小企業を取り巻く環境は大きく変化しています。特に問題視されているのが「人材不足」です。ここでは、中小企業が抱える人材不足の現状や影響を紹介します。

 

深刻な人手不足

出典:人手不足に対する企業の動向調査(2023年1月)|帝国データバンク

 

日本の中小企業にとって大きな悩みである人材不足。帝国データバンクの調査によると、2023年1月時点で正社員が不足している企業は、51.7%にものぼります。直近5か月連続で5割を超えており、新型コロナウイルスの感染拡大後としては最大の割合です。業種別に見ると「旅館・ホテル」が77.8%と最も人材不足が深刻でした。

非正社員が不足している企業も、2023年1月時点で31.0%と高い水準となっており、正社員同様に人材不足が深刻化しています。業種別ではこちらも「旅館・ホテル」が81.1%、次いで「飲食店」が80.4%と、他と比べて圧倒的に高くなっています。

ウィズコロナが定着して景気が回復していく中でも、人材不足は日に日に深刻化しています。人手が足りていないと、既存従業員の負担が大きくなり離職率を上げる原因や、さらには事業の継続自体が難しくなり、廃業や倒産に追い込まれることもあるでしょう。

 

人手不足が中小企業にもたらす大きな問題

人材不足が中小企業に与える影響は、主に以下の3つです。

  • 残業時間の増加と有休取得率
  • 従業員のやりがいや意欲
  • 事業の継続や新規事業の立ち上げ

 

人手不足により従業員一人一人の業務負担が増し、残業時間が増加してしまうと考えられます。それに伴い有給休暇をとるタイミングもなくなり、有休取得率の低下を招くと考えられるでしょう。

残業が多いことや有給が取得できないことは、従業員の労働意欲にも悪影響を及ぼす可能性があります。終わりが見えない中で、意欲をもって業務に取り組むのは難しく離職につながる可能性もあります。

さらに、人材不足が深刻化すると企業が取り組む事業の継続自体も難しくなる場合があります。また、新規事業の立ち上げを計画していても、配置できる人材がいなければ滞ってしまうでしょう。このように、人材不足は従業員自身にも企業全体にも悪影響を及ぼします。

 

中小企業に人手不足が起こる理由

中小企業で人材不足が発生している主な原因は3つあります。

  1. 少子高齢化による労働人口の減少
  2. 事業に必要な能力を持った人材が市場にいない
  3. 景気の影響を受けやすく安定した人材確保ができない

上記3つの原因を詳しく見ていきましょう。

 

少子高齢化

出典:厚生労働省「労働経済の基礎的資料」

 

中小企業の人材不足の大きな原因は、少子高齢化による労働人口の減少です。

厚生労働省の労働経済の基礎的資料によれば、2020年を境に日本の労働人口推移は年々減少傾向にあります。1990年、15〜64歳までの労働力人口は94.8%でしたが、2020年には86.5%となり、2040年には80.2%まで減少すると予想されています。

今後も労働人口が増加するとは考えにくく、中小企業の人手不足は加速すると考えられるでしょう。

少子高齢化は従業員の働き方への意識も変化させています。パワハラや過労死などのワードが話題になり、これまで当たり前だった働き方が見直されるようになりました。それに伴い、条件の良い大企業に募集が集まり、中小企業では新卒採用で人材が集まらないことも発生し、人手不足がさらなる労働環境の悪化を呼んでいます。

 

優秀な人材の獲得競争

労働人口の減少に伴い、優秀な人材が市場から減っていることも中小企業が人手不足に陥る原因のひとつです。労働人口全体の減少に加えて、優秀な人材が既にいる企業は手放したくないと考えます。そのため、職を探している人材が少なくなると考えられます。

また、近年の副業を推奨する流れにより、仕事を辞めずに別の仕事をする人も増えているため、人材が転職しない傾向もあります。求人市場に優秀な人材が少ないため、中小企業では獲得競争が過熱すると考えられます。

 

景気から受ける影響の大きさ

中小企業は景気の影響を受けやすく、毎年安定して人を採用するのが難しい傾向にあります。中小企業は大手企業より給料や福利厚生などの条件が劣ることも多いため、新卒者は条件の良い大企業に流れてしまうことが多いようです。

また、中小企業よりも大企業の方が安定しており、倒産しにくいイメージがあるのではないでしょうか。景気の悪化による倒産を恐れ、新卒者は安定した大企業に就職したいと考え、中小企業への応募が少なくなってしまうとも予想されます。

 

人手不足のとき中小企業の経営者が見直すべきこと

ここでは、人材不足で経営に影響を及ぼす前に中小企業が見直すべきことを解説します。人材不足で労働環境が悪化し、離職が相次ぐことを防ぐためにも、人材不足に対する対策は早急に打たなければなりません。

 

採用率が低くないか・離職率は高くないか

人材不足の原因を探るために中小企業がまず見るべきは、自社の採用状況と離職率です。採用がそもそもできていないのか、もしくは、採用はできていても離職が多いのかを把握する必要があります。

採用ができていないのであれば、採用のターゲット設定が適切か、掲載媒体が適切か、魅力的な募集内容になっているかなどのポイントを改めて見直しましょう。

離職率が高い場合は、給与や福利厚生、労働時間、職場環境などを見直す必要があります。募集内容と人材とのミスマッチが発生していたり、業務負荷が大きく長時間労働になりがちなど、さまざまな問題が考えられます。

 

人手と業務量のバランスを崩していないか

人手が足りていなくても業務量が変わらない、もしくは増加している場合、一人一人の業務負担が大きくなってしまいます。まずは、人員と業務量のバランスが崩れていないか確かめることが大切です。

今いる人材だけで人手を追加せず、業務を無理に回そうとしていないか、経営陣が考える人手と業務量のバランスと、現場の従業員が感じているバランスに乖離はないかなどを考えるようにしましょう。無理に業務を回していれば、さらなる労働環境の悪化を招き、離職につながってしまいます。

 

採用ターゲット層が望む待遇を提供できているか

採用したいターゲット層が望む待遇と、実際に自社が提供する待遇に乖離はないか確認しましょう。

たとえば、高スキル人材を採用したいが、そのような人材を獲得する際の給与水準を満たしていなければ、当然ながら応募は来ません。能力のある人材は、より良い条件の企業に流れてしまいます。優秀な人材を確保したい場合は、スキルや能力に合った条件を提示しましょう。

 

従業員の不満を把握しているか

中小企業からの人員の流出を防ぐためには、いま働いている従業員が具体的にどのような不満を抱えているのか、会社に何を求めているのかを把握しましょう。

経営側と現場では労働状況に関する温度感の差が生まれがちです。経営側は安定して事業を継続できていると思っていても、実は現場の無理な労働により成り立っている可能性もあります。

そのため、経営陣が現場の状況を知るために労働環境を可視化できる仕組みづくりをする必要があります。そのうえで、職場環境や業務量の見直しを図りましょう。

 

変化を受け入れる覚悟はあるか

人手不足の現場環境を把握したうえで、経営側がそれを解消する意思や能力があるのかで、その後の人材の過不足状況は大きく変わるでしょう。企業が離職の原因となっているであろう実際の労働環境を見直さずに採用を続けても、すぐに離職する人が増えてしまうだけです。これでは、いつまでたっても労働環境の問題と人員不足が解決しません。

経営側が実際の労働状況を把握し、よりよい環境へ整備するための変化を受け入れる覚悟があるかどうかで、人手不足問題は大きく変わっていくでしょう。

 

 

中小企業が取り組むべき人手不足の解消方法

人材不足を解消するためには、採用から実際の労働状況まで企業全体の見直しを図る必要があります。ここで紹介する解消方法の中から、それぞれの企業の状況に合わせて必要な解決策を取り入れてみましょう。

 

給与や福利厚生の見直し

採用した人材がすぐに離職してしまわないよう、給与や福利厚生などの労働条件を見直しましょう。給与は、労働者の能力や労働状況が正しく評価・反映される必要があります。研修やOJTで育成した人材が転職するリスクを減らすためにも、人事評価は細かく取り決めておくとよいでしょう。

また、女性の離職を防ぐためには産休や育児休暇といった、ライフスタイルの変化に合わせた福利厚生の用意が大切です。

 

職場環境の改善

職場環境で注目するのは、人間関係と労働状況です。職場の人間関係が良好で仕事に関する悩みや疑問を相談できる環境であれば、従業員も安心して働けるでしょう。従業員同士のコミュニケーションが少なく悩みを相談できない環境であれば、仕事で何か不満が発生したときに転職してしまう可能性があります。

その他にも、リモートワークや時短など働き方の多様化に合わせた環境整備や、キャリアアップするための教育制度が充実していることなども、従業員が長く働くために必要な改善です。

 

採用のミスマッチ防止

「実際に働きはじめたら思っていた業務と違った」「採用時に聞いていた条件と異なる」といった採用する側と採用される側のミスマッチを防ぐことも人材の流出防止につながります。特に、3年以内の離職率が高い企業や、従業員の意欲が低く生産性が上がらない企業などは採用時の求人募集内容や広告の出し方を見直しましょう。

応募者を増やそうと都合の良い条件を並べれば採用は増えるかもしれませんが、実際に業務をこなしていく中で、条件が異なると感じれば不満が生まれてしまいます。採用のミスマッチを防ぐためにも、求人募集で載せる情報を見直すとよいでしょう。

 

業務量の見直し

人手不足を解消する上で、さらなる人材の採用が望めない場合は、業務量の見直しを図りましょう。今いる従業員の負担を軽くするためにも業務量を減らす取り組みが欠かせません。たとえば、自動化ツールであるRPAを利用してバックオフィス業務の効率アップを図る取り組みがあります。Webサイトやシステムからデータを自動取得し、データを転記、レポートを作成するなどの単純作業をロボットに任せることが可能です。

自動化によりこれまで人の手でやってきた業務を任せることができ、効率アップに加えて従業員の業務負担を減らすことにもつながるでしょう。

 

人材育成への積極的投資

人材不足を解決するためには、従業員一人一人のスキルアップも重要となります。一人一人がこれまで以上の業務に取り組めるようになれば、業務の効率化や労働生産性の向上が期待できます。

先述したRPAなどのITテクノロジーを活用していくためにも、取扱いについて学ぶ必要があります。社内で研修を実施したり、外部講師を招いて講習をしたりして、積極的に教育投資をおこなうことで、労働生産性の引き上げを図りましょう。

 

多様な人材の採用

近年、多様な働き方が注目されている中、女性・シニア・障がい者・外国人など範囲を広げてさまざまな人材を採用することも人手不足の解消につながる一手です。多様な人材を採用することは、これまでとは違う視点で企業を見ることにもつながり、意外な場面で企業がかかえる課題が解決することも考えられます。

また、正社員にこだわらず、パートや副業として働きたい人の採用など、雇用形態にも多様性をもたせると、より採用の幅が広がるでしょう。

 

ITツールやアウトソーシングの活用

新たな人材の採用が望めない場合は、ITツールやアウトソーシングを利用して業務の効率化を図りましょう。労働人口が減少している中ではなかなか必要な人材を雇用できないことも考えられます。ITツールを利用すれば、入力作業や書類作成など単純な業務をAIやロボットに任せることができ、従業員の負担を減らすことにつながるでしょう。

またアウトソーシングを利用すれば、自社の従業員がコア業務に集中して取り組むことができ、労働生産性の向上につながると考えられます。

 

中小企業における人手不足解消の参考事例

ここでは、実際に中小企業が取り組んでいる人材不足の解消方法を紹介します。将来、人手不足に陥る前に対策を打っておきたい企業はぜひ参考にしてください。

 

西洋フード・コンパスグループ株式会社の事例

西洋フード・コンパスグループでは、RPAツールを導入して請求書やメニュー表の作成を自動化させました。飲食業界や小売業界では、人手不足が深刻化しています。従業員が店舗のサービス業務に集中できるよう、事務作業を自動化するためにRPAツールが導入されました。

また、システムを導入するまでの一時的な対応にもRPAツールを活用しました。具体的には、将来的に勤怠システムの導入が決まっている段階で、導入が完了するまでの間の勤怠管理作業を一時的に減らすために、RPAでロボットを作成して利用しました。

出典:RPAで店舗の人手不足解消に挑む | パーソルのRPA

 

株式会社ポーラスタァの事例

株式会社ポーラスタァでは、フルタイム勤務が難しい主婦や、副業や兼業で仕事をしたい人材を採用できるような設備や制度を導入しています。多様な働き方や人材の採用を可能にすることで、条件が合わないために働けなかった優秀な人材の確保が可能になりました。

具体的には、働きたい主婦のために在宅勤務や子連れ出勤、時短勤務などを導入しています。また、副業や兼業をしたい人のためには、短期間やプロジェクト単位で業務を依頼したり、毎月の時間数を設定したりと、柔軟な働き方が可能な制度が整っています。

出典:フルタイム勤務が難しい主婦層や副業・兼業人材を活用できるよう、多様な働き方を可能にする設備や制度を導入- 事例を探す(事例ナビ)|経済産業省 中小企業庁 ミラサポPlus

 

有限会社栄工業の事例

有限会社栄工業では、1人で複数の業務や作業を進める多能工化を推進しています。また、テレワークを導入し多様な働き方に対応した制度も整備されています。多能工化により従業員が業務を相互にカバーできる体制が整ったため、休みも取りやすい環境になりました。

この取り組みにより、出産や育児、介護といったライフスタイルの変化にもあわせた働き方が可能となっています。

出典:小規模な会社ながら、多能工化やテレワークを推進。働きやすい、休みやすい職場となり、人材が定着。- 事例を探す(事例ナビ)|経済産業省 中小企業庁 ミラサポPlus

 

 

まとめ

日本で深刻な問題となっている労働人口減少による中小企業の人手不足。本記事では、具体的な解消方法や実際に取り組みを進めている企業の事例を紹介しました。

中小企業の人手不足問題を解消するツールのひとつとして、RPAロボパットの活用もおすすめです。RPAの中で、唯一「DX人材育成ツール」としても使えるロボパット。効率的・効果的に業務改善をおこなうためにも、ぜひ利用を検討してみましょう。

 

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この記事を書いたコンサルタント

ロボパット編集部

広報部・編集長

ロボパットDX編集部です。
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