※この記事は【RPAロボパットお役立ち通信(メールマガジン)】のアーカイブです。※
複雑なルール
社内のある部門で、月に2~3回行う業務をロボパットでの自動化に取り組んでいる、ロボット作成担当者からこんな相談を受けました。
「ロボットをいつ動かすのか、という設定が複雑になるのでどう設定すればいいのか教えてもらえませんか?」
ロボパットは自動で実行するスケジュールを組めるので例えば「毎週月曜日9時」といった設定で毎週繰り返し実行させることが可能です。
この作成者のケースでは「いつ」が「毎週月曜日9時」のように単純ではなく…
「まず、基本は隔週月曜日です。ただ、月曜日が祝日の時は前の金曜日にやっています。
それと、その月に火曜日が3回ある時は月に3回処理して、 その月に火曜日が2回あるときは月に2回実行します」とのことです。
…これはなかなか複雑そうです。
このような設定もなんとかできないわけではないのですが、素朴な疑問として聞いてみました。
この業務って何のための業務なんですか?と。
「この業務は隔週火曜日の会議に確認する集計資料なんですよ。
できるだけ最新の情報が欲しいので、会議の直前に作業するルールなんです。」
そこで、ピンときました。
それって、毎日ロボットを実行すればいいんじゃないですか?
試しに担当者の方に毎日このロボを動かした場合、不都合があるかを確認してもらったところ、上長は毎日最新の情報を入れるならそっちの方がたすかる!と大賛成。
結局、このロボは毎日実行することになりました。
これまで人が時間をかけて集計をやる前提で集計の業務を会議の直前に1回だけ行っていたそうです。
本来は毎日やりたい業務だった、とのことでした、「会議の直前の1回」というのはあくまでも「人が時間をかける」場合の制約条件から発生したものでロボに業務を置き換えようとしている今、守る必要のないルールだったのです。
「なぜ」そのやり方になっているのかが大切
ここまで、自分のナイスなひらめきについて自慢げに語ってきましたが、実は私も普段の業務で同じ失敗をよくやってしまいます。
ある施策の進め方について上司に「この進め方で、思わぬハードルが見つかったので、納期を延ばさせてください」
という相談をした時にそれなら、その手段ではなくて別の手段に切り替えるべきではないか?と指摘を受けました。
もともとは、いくつかの進め方の候補があり「もっともハードルが低くて早く実行できる」というメリットから現在の手段を選択した、という背景がありました。
そのため、当初予見していなかったハードルが見つかり、実現のために実行が遅れるなら、この手段を選択するメリットはもうないのです。
私はその手段を選択している背景をいつの間に見失っておりいつの間にかそのやり方に固執してしまっていました。
進め方やルールなどは全て目的を実現するための手段です。
現在選択している手段には、その手段を選んでいる背景があります。
しかし、状況の変化によって、その背景が意味をなさなくなる時もあります。
結果よく言われる「手段の目的化」となってしまっていたのでした。
特に、業務を見直す場合は、業務の前提から変わってしまうことが多いため「手段を選んでいる背景」を理解していないと
これまでのやり方、ルールに固執してしまい、打てる手段が狭くなってしまいます。
今回は業務を見直す際に必要な視点についてお伝させていただきました。
これからもヘルプデスクにてお客様の問題を解決できるよう誠心誠意努めてまいります。
当メルマガでは今後もヘルプデスクでの気づきを発信させていただきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。